~夢で聞いたお噺~
ちたまげたという妖怪がいましてそいつは何でも知っている
答えられないことは何もない
そいつに出会うとあまりの知識にビックリしちまうってんで名前がちたまげた
何でも知ってるんで初めのうちは面白くて色んなことを聞くんだが…
段々薄気味悪くなってくる
いくら話してもそいつが分からない
普通話しているとそいつがどんな奴か何となく分かってくるもんだが
話せば話すほど分からなくなってくる
終いにはそいつの姿も分からなくなってくる
今見てる姿がそいつのどの部分なのか分からない
どれだけの大きさなのか分からない
そいつが何のためにここにいて何をしているのか分からない
そいつが自分をどうするのか分からない
話せば話すほどに分からなくなって最後には死しか見えなくなる
そいつを見ると自分の死しか思い浮かばなくなる
恐ろしくなって逃げだすんだがそいつは追ってくる
どこに逃げても追ってくる
どこに逃げるか知ってるんだから逃げられっこねぇ
逃げてると一人の坊さんに出くわす
ぼろぼろの黒い袈裟を着た汚いなりをしている
いつもなら話しかけないで通り過ぎるんだが
妖怪に追われてるんだ助けてくれー!と頼み込む
するとその坊さんは
ちたまげたに出会ってしまったら「ちたまげたころげた」と唱えなさいと言う
藁にもすがる思いで「ちたまげたころげた!」と唱えると
妖怪は止まり何やらグラグラしている
こりゃあ本当に効果がある!と一心になって唱え続ける
ちたまげたころげたちたまげたころげたちたまげたころげた…
唱えているうちにどこが頭なのか分からなくなってくる
ちたまげ たころげ たちたま げたころ げたちた
まげたこ ろげたち 「たまげた ころげた ち」となった時
その妖怪は転げてバラバラになってしまった
いや~助かった…助かった
坊さんあんたのお陰で助かったよ!
それにしてもあんたは何でこんなことを知ってたんだい?
いや~俺もおったまげたよ、ただの知ったかぶりだったんだから。
<おしまい>
ちたまげたという妖怪がいましてそいつは何でも知っている
答えられないことは何もない
そいつに出会うとあまりの知識にビックリしちまうってんで名前がちたまげた
何でも知ってるんで初めのうちは面白くて色んなことを聞くんだが…
段々薄気味悪くなってくる
いくら話してもそいつが分からない
普通話しているとそいつがどんな奴か何となく分かってくるもんだが
話せば話すほど分からなくなってくる
終いにはそいつの姿も分からなくなってくる
今見てる姿がそいつのどの部分なのか分からない
どれだけの大きさなのか分からない
そいつが何のためにここにいて何をしているのか分からない
そいつが自分をどうするのか分からない
話せば話すほどに分からなくなって最後には死しか見えなくなる
そいつを見ると自分の死しか思い浮かばなくなる
恐ろしくなって逃げだすんだがそいつは追ってくる
どこに逃げても追ってくる
どこに逃げるか知ってるんだから逃げられっこねぇ
逃げてると一人の坊さんに出くわす
ぼろぼろの黒い袈裟を着た汚いなりをしている
いつもなら話しかけないで通り過ぎるんだが
妖怪に追われてるんだ助けてくれー!と頼み込む
するとその坊さんは
ちたまげたに出会ってしまったら「ちたまげたころげた」と唱えなさいと言う
藁にもすがる思いで「ちたまげたころげた!」と唱えると
妖怪は止まり何やらグラグラしている
こりゃあ本当に効果がある!と一心になって唱え続ける
ちたまげたころげたちたまげたころげたちたまげたころげた…
唱えているうちにどこが頭なのか分からなくなってくる
ちたまげ たころげ たちたま げたころ げたちた
まげたこ ろげたち 「たまげた ころげた ち」となった時
その妖怪は転げてバラバラになってしまった
いや~助かった…助かった
坊さんあんたのお陰で助かったよ!
それにしてもあんたは何でこんなことを知ってたんだい?
いや~俺もおったまげたよ、ただの知ったかぶりだったんだから。
<おしまい>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます