株式会社AN代表取締役の向山かおりです。
前回は、BIKAS COFFEEの管様とのトークイベントについてお話ししました。
BIKAS COFFEEがアグロフォレストリーでコーヒーの森をつくる取り組みを行い、サスティナブルな地域の発展に貢献していること、
コーヒーを通して消費者同士の想いをつなぎ、社会に貢献していくアクションを起こすという理念を大切にされているのを深く感じました。
今回はアグロフォレストリーの意義や、日本での取り組みなどについてご紹介します。
アグロフォレストリー(Agroforestry)とは、Agriculture(農業)とForestry(林業)の造語で、日本語では混植、森林農業などと訳されます。
コーヒー等の栽培で歴史的に発展してきたプランテーション農業は、森林破壊や単一栽培による経済の不安定さなどの課題が指摘されてきました。
アグロフォレストリーでは様々な植物と木々を一緒に育てることにより、肥沃な土地を取り戻し、生産者の収入を安定させることが可能です。
自然保護や気候変動対策、そして生産者の経済の安定と、SDGsの目標の多くに関わる画期的な取り組みといえるでしょう。
一方で、アグロフォレストリーは多くの品種を少しずつ育てるため、
生産管理を軌道にのせ、収益化できるようになるまで時間がかかり、息の長い取り組みが求められます。
日本ではアグロフォレストリーの導入はまだまだ少ない状況ですが、徐々に取り組んでいる例が見られるようになってきました。
例えば、株式会社明治は、アグロフォレストリーで作られたブラジルのトメアス産のカカオ豆を使用したチョコレートを商品化しています。
またアマゾンフルーツを届けるフルッタフルッタは、南米アマゾンの地で日本人移住者が試行錯誤しながらアグロフォレストリーに取り組むのを応援しようと立ち上がった企業。
彼らが運営する農協CAMTA(トメアス総合農業協同組合)から、主にアグロフォレストリーで生産されたフルーツ原料などを直接輸入しています。
以上にみてきたように、アグロフォレストリーは、地球にも生産者にも優しい、サスティナブルな農林業のあり方だということ、
その維持発展のためには長期的な管理体制を確立し、関係者の協力を得ながら進めていくことが大切だとわかりました。
先日トークイベントでコラボレートしましたBIKAS COFFEEは、ネパールのハルパン村で自然と行われていたアグロフォレストリーの社会的意義を発信し、理念で生産者と消費者のつながりをつくる素晴らしい取り組みだと感じます。
どのような事業も、長期的に継続していくためには、生産者から消費者に至るまで良好な関係性を築き、社会全体に貢献していくものであることが大切です。
当社としてもサスティナブルな社会につながるこうした取り組みを応援し、情報を発信することでSDGsに貢献してまいります。
引き続きよろしくお願いします。
参考
https://www.meiji.co.jp/products/brand/agroforestry/
https://www.frutafruta.com/fruit/agroforestry/
https://eleminist.com/article/551