アンジェリークの医療用ウィッグ ブログ

銀座 市川にて全国から製作依頼がある医療用ウィッグ 
ANGELIQUEです 

初めての涙…自分のやるべきこと

2010-10-22 17:20:46 | 忘れられない出来事
美容師になって27年ほどがたった

長い道のりだったが、今日初めてお客様の感動の涙をみました


昨年10月にウイックを作られたO様

自分もまだまだウイック作りは駆け出しで特に短めのヘアスタイルは

思い切りカットできないでいました


昨年10月製作し切りなおした写真

O様の
「もっと切っていいですよ」の一言で
自分は目を覚ますことが出来た。
高価なウイックとはいえ中途半端では
何も残らないことを教えていただいた

また作った時しっかりあった髪は、
2回目にはほとんど脱毛していて
お互いに慰め合ったり
脱毛した姿を家族にも見せてなかったり

とにかく印象に残る
ウイック作りだったO様


きの    
「お久しぶりです9カ月ぶりですね、
 ホント心配してました」

O様    
「結構抗がん剤は辛かったです。
 仕事もやるはずだったけど
 のんびりすることにしました。
 髪ものびてきました」

O様の髪は5センチほど
伸びていて毛先が細く
部活をやめた方が伸びるのを
待っているような感じ

きの   
「まだ短いですけど、カットに
 メリハリをつけなるべく自然にします」

O様   
「この短さで大丈夫ですか?できれば
 南フランスにいるブドウとか
 摘んでる人みたいに」

 南フランス ブドウ??????
 でも なんとなくイメージは・・・

1年間の積もる話に花が咲きました

とにかくたくさんの
お話をしてくれるO様
自分は聞き役
元気で顔色のいいO様がここにいる事がうれしく 話がはずみます

まだ自分以外に脱毛した姿は見せてないらしく、ご主人にも、小学生のお子さんにも

いろいろな思いが


病気を告知された時、病院で泣き叫んだ事

ストレスも関係あると
ご主人にあたってしまった事

低学年のお子様は一緒にお風呂に入りたがるので仕方なく帽子をかぶって入ったら
今日はいいと言われた事

書ききれないほどの
エピソードを聞きました


カットが終わり 少し明るくカラーも




きの  「いい感じに仕上がりました」

O様   「・・・・・・・・・・」

言葉が出ない・・・・

O様は目頭を押さえました


自分もつられ、
アシスタントも もらい泣き


O様   
「ありがとうございます 
 素敵になりました ・・・」


がんを経験していない自分は、患者さまと同じ立場ではありません

患者さまを理解するということは おこがましいと思ってきました

今日 少しだけ患者さまに近ずけた気がしました


自分のやるべきこと

たいそうなことはできません

話をいっぱい聞いて ウイックを作り

元気になった患者さまの自髪デビューのお手伝いをさせていただく


でも涙を流して感動して下さる方が
いらっしゃいます


女性にとって改めて髪の大事さを知ることになり

体の一部の髪を扱わせていただいている事に感謝し

「こんな仕事したくて美容師になったんだよな」って

神様に感謝をしました


美容師になって一番感動した
1日になりました

Oさま ありがとうございます











コメント (4)
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