母親の思い

今日2回目の調整Kさま
いつもお母様といらっしゃいます

1回目　Kさまが施術中ほとんどお話もせず
お母様は静かにKさまを見つめていました

ウイークリータイプの抗がん剤のため脱毛がゆっくりで
髪がある状態でお作りしました。それでもお母様も

「うん　いいよ　自然で　大丈夫」と
柔らかく微笑んでくれましたあれから3週間

2回目の調整　K様も心配ですが

お母様が前回来た時とあきらかに表情が違うのが

気になります。下を向いたままのお母様・・・

何かあったのでしょうか

K様にに合わせて調整は続きます。サイズ調整を

何回もやりなおし　やっと完成しました。



完成して　安心してトイレに席をはずしたKさま

ひと段落ついて気になってお母様に声をかけました

きの　　「お母様何かありましたか？気になることでも」

お母様　「普段一緒に住んでいない娘で心配で心配で
　　　　　病気のこと聞きたいけど　励ましたいけど
　　　　　声をかけてあげたい・・・でもどうしていいのか？
　　　　　脱毛した姿も今日始めてみてショックを受けました」

娘さんの前でずっとずっと我慢していた・・・大粒の涙があふれました

きの　　「そうだったんですね　いらしたときから心配しておりました」

娘を想う母親の気持ち・・・何とか言葉だけでも・・・

きの　　「お母様　うちのお店もたくさんの患者さまがいらっしゃいます
　　　　 1年間のサポートをさせてもらって昨年　ウイッグを作った
　　　　　患者さまが今月もたくさん自髪デビューして行っています
　　　　　心配だとは思いますが1年経ったら　そんなこともあったね
　　　　　って笑える日がきっと来ると思います。
　　　　　病気はお医者さまが髪はうちのお店がサポートしていきます
　　　　　安心してください」

トイレから戻りかけたKさまの足音を聞いて

涙がこぼれないようにゆっくりと天井を向きました

何もなかったように振舞うお母様

娘さんを思う気持ち　・・・心を打たれました

自分がお母様に伝えた言葉は正しかったかはわかりません

でもお帰りになるときにゆっくりと微笑んでくれたお母様

また一緒にいらしてください　本当にそんな日が来ます

全力でサポートしたい・・・心がいっぱいになりました

お二人に感謝です


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