プラム ( 以下の参考資料のほとんどはWikipediaから引用させていただきました ) が近年日本でも手に入りやすくなったのを契機に、今まで何もかもプラムと呼んでいたのを改めて、少し系統立てて、とまでも行かなくても、整理して頭の中に入れておこうと思いました。
先日シュトレンのために作った「ルムトプフ」の中に果物を3種『 ”アプリコット”、“プラム”、”プルーン“を入れました。』と説明したことが頭の隅に残っていて、判然としない説明に後悔しきりだからです。
アプリコットを検索すれば日本国内だけでも数種の品種があることにすぐに気がつくと思います。wikipediaには 「主な栽培種には次の6種がある。」とありますが、サクラ属の中のスモモ亜属に属するプラムは変種が生まれやすく数多くの種類があります。取りあえずwikipediaで取りあげられていた6種を下に引用することから説明を始めようと思います。
ダムソン;ムラサキの皮、緑色の果肉、種離れが悪い果肉、渋い。
グリーンゲージ; 固い果肉、緑色の果肉と皮。原産国はフランスで、1724年にトーマス・ゲイジ(Thomas Gage、10 March 1718/19– 2 April 1787 ) がフランスから英国へ持ち込んだものです。
ミラベル; 濃い黄色、フランスより北東に生育しています。
薩摩プラム; 固くて赤い果肉、赤い皮。
ヴィクトリア; 黄色い果肉、赤い又は赤い斑点のある皮。
イエローゲイジ、ゴールデンプラム; グリーンゲージに似ているが黄色い。
バラ目、バラ科、サクラ属の下に属するスモモ亜属 ( Subgenus Prunus )を正確に分類することには時間がかかりそうで、とりあえず今は次のように分類されています。
- プルーン( Prunus 、Old World plums )- leaves in bud rolled inwards; flowers 1-3 together; fruit smooth, often wax-bloomed
- P. cerasifera ( cherry plum )
- P. cocomilia ( Italian plum )
- P. consociiflora
- P. domestica ( species of most "plums" and "prunes")
- P. salicina ( Chinese plum )
- P. domestica ssp. insititia ( damsons, bullaces )
- P. simonii ( widely cultivated in North China )
- P. spinosa ( blackthorn or sloe )
- Sect. Prunocerasus (New World plums) - leaves in bud folded inwards; flowers 3-5 together; fruit smooth, often wax-bloomed
- P. alleghaniensis ( Allegheny plum )
- P. americana ( American plum )
- P. angustifolia ( Chickasaw plum )
- P. hortulana
- P. maritima ( beach plum )
- P. mexicana ( Mexican plum )
- P. nigra ( Canada plum, Black plum )
- P. × orthosepala (P. americana × P. angustifolia )
- P. subcordata ( Klamath, Oregon, or Sierra plum )
- アンズ( apricots、Prunus vulgaris ) - leaves in bud rolled inwards; flowers very short-stalked; fruit velvety; treated as a distinct subgenus by some authors
- P. armeniaca ( apricot )
- P. brigantina
- P. mandshurica
- P. mume ( Asian plum, Japanese apricot )
- P. sibirica ( Siberian apricot )
又は、スモモ亜属 Subgenus Prunus を5つにわけて、
1. プルーン(ヨーロッパスモモ、セイヨウスモモ)Prunus domesticaと表記しますが、種間雑種であるとして Prunus × domesticaとも表記します。英語圏でプラム(plum)として知られる様々な果樹が本種に属しています。しかし、、グリーンゲージ、インシチチアスモモは本種の亜種になります。
2. ウメ Prunus mume ( ウメ亜属 Subg. Armeniaca とする説も )
3. スモモ Prunus salicina、代表的な品種としては「大石早生」、「ソルダム」、「サンタローザ」、「メスレー」、「太陽」、「ケルシー」、「紫峰」、「月光」、「貴陽」、「秋姫」、「いくみ」などがあります。
4. スピノサスモモ Prunus spinosa、スピノサスモモ はスモモ属の低木、または小高木で、ヨーロッパ、西アジア、北アフリカに自生し、blackthornという英名は黒い樹皮とトゲ に由来します。
5. アンズ(アプリコット、Prunus armeniaca)
東洋系:平和、新潟大実、信州大実、広島大実、山形3号、八助、鏡台丸、信月、信山丸、さつき、昭和、西洋系:ハーコット、ゴールドコット、プリンがあります。
となっています。なんだかはっきりとしないでしょうが、プルーンは西洋スモモの総称であり、プラムはスモモ亜属の総称であることは納得していただけたでしょうか? 現在日本の市場にあるプラムがどこに属するのかも分かっていただけたのでは?と思っています。
この項、あと一つ続きます。
プラムを使った “シュトゥルーデル” を1991年のアメリカのレシピからご紹介しましょう。