ビスコッティ 2
biscottiは複数形、単数はbiscotto。ラテン語で“bis”は“二回”、“coctum”は“焼く”を意味します。「一回焼いて火を通し、二回焼いて乾燥させる。」この食べ物は長旅、特に戦争をするときには不可欠のものとなったはずです。小麦粉とアーモンド、あるいは松の実、ひょっとしたらクルミを使った可能性が考えられます。松の実とクルミは油の回りが早いからアーモンドでしょうか。ローマ帝国は突然に崩壊しますから、文化の継承、発展はありませんでした。ルネッサンスを迎え、トスカーナで地元のワイン、vin santo と一緒に供されるまでは。
ところでイタリアでは“ビスコッティ”とはカリカリした、丸い、四角い、クッキーを指します。北アメリカや日本でいうところのビスコッティはイタリアでは“カントゥチーニ;cantucci ”と言います。
アントニオマッテイが1858年にビスケット工場、店舗をプラート(イタリア共和国トスカーナ州北西部の都市)を開きました。
https://www.foodscovery.it/foodheroes-magazine/biscottificio-mattei-prato/ から
プラートで初めてのビスケット工場( Biscottificio Antonio Mattei )で、その看板の下にカントゥチーニの工場( Manufacturers of cantuccini )と書かれていたのです。その結果、cantucciniとbiscuitsの名が関連付けられて記憶に残り、名前に混乱が生じました。
現在公表されている上の絵では正面、真ん中にカントゥチーニの工場( Fabbricante di Cantucci )とあり、その下にクッキーとその他( Biscotti ed Altri Generi )の文字が見えます。
余計にわからなくなったでしょうか?
そうそう、以前ビスコッティ・サヴォイアルディについてお話しましたよね。あれもビスコッティですから。「イタリアではクッキーをビスコッティという」と関連付けて覚えて置いて下さいね。
さていよいよカントゥチーニのレシピに取り掛かろうと思います。