Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

2017年06月30日 | 中世料理書-耳

6. 耳

 

                      

タイユヴァンは甲冑を身に付け、彼自身を表す3つのポット、その上下に薔薇の花をあしらった紋章型の盾を、腰には短剣を携えています。足で竜を踏みつけ、彼が敬虔なキリスト教徒であり、騎士であったことを示しています。(墓石の一部分から)

 

タイユヴァンは宮廷につかえる料理人としての父を幼児期からみていたのではないかと思います。そうでなければ、下働きとはいえ僅か10歳の少年を宮廷の料理場で使うことはないと考えるからです。(当時は、自分の足で歩けるようになると仕事をさせたので、10歳という年齢は、働くのに幼すぎるということはないのです)

 

この時代は毒殺が通常に、政敵を倒す手段としてまかり通っていましたので、調理を作る調理人と、それを運ぶ給仕人にはとりわけ目が配られていた時代です。料理人は血縁関係者あるいは騎士としての宣誓式を終えた者にしか許されていない仕事でした。

 

タイユヴァンは優秀な料理人ではあるけれども、ノルマンの血を分けた、ノルマンディ人であり、敵対するイングランドとも何らかのつながりのある人間なのです。1356年イングランド軍と争ったポワティエの戦いで大敗北を喫した当時のフランス王ジャンⅡ世はイングランド王軍の捕虜となり、ロンドンに連行されたのですが、ジャンⅡ世はエドワード黒太子からイングランドでの旅行、ロンドン塔内でのパーティの開催を許されるなど手厚い処遇を受けています。この時代はイングランドとの百年戦争のまっただ中の時代ですが、前の時代の,イングランドとフランスが婚姻関係を結んでいた時代の友好関係がまだ残っていたのです。

 

このジャンⅡ世がロンドン塔に囲われていた時、タイユヴァンが料理人として呼ばれたという話もありますが、これは行き過ぎた解釈だと思います。全くあり得ない話だとも言えないのですが。しかし、そのような緩やかなほんわか時代は終わりを告げようとしていたのです。1380年、タイユヴァンを支えてくれていたシャルルⅤ世がこの世を去ります。そして、狂気をはらんだシャルルⅥ世とその周りの、色と欲を孕んだ者達の暗躍が始まろうとしていました。

 

このような政治的背景をとっさに捕らえ、料理の名前にすら素早く配慮を払う、このメナジェ氏とは,一体どのような人物だったのだろうと思うのは、私一人ではないでしょう。

 

結論から言うと、役人、しかも高級官僚ではないだろうかと思っています。五十歳余りの年の差のある、若い妻を教育すべく羊皮紙にペンを走らせるこの者は並みの者ではないはずです。ここでは割愛しますが、彼はフランス宮廷の出来事を詳しく見聞きし、そのことを彼は「我々には関係のない、別の世界の出来事だ」と若い妻に語り聞かせているのです。しかしその一方、市長、裁判長などパリのお歴々の、屋敷での接待の方法、テーブルの席順、お供の方々の食事の内容などを事細かく説いているのです。

 

 

                                               完

オレッキエッテ側からの考察が残っています。少し時間をおいてアップするつもりです。しばしお待ちください。 

ベルガモットの花がやっと咲きました。

 

 

 


2017年06月29日 | 中世料理書-耳

5. 耳

 

料理の名前が変わることは、滅多に無いですが、皆無ではありません。一番可能性の高いのは、政変による改名です。レシピから見て取れるように、中世に書かれた料理書は、料理人が利用するためのものではありません。( レシピの中に、材料の重量、容量、調理時間など、料理をするために必要な記載がほとんどありません。)王様の蔵書の一つとして、王様の本棚に飾るためのものです。言葉を換えれば、料理書に書かれたレシピは王様の権威を盛り立てる内容でなくてはなりません。( 手に入れ難いスパイス、見たこともない食材、豊富な料理の種類等 )敵対する国の料理を載せることはありません。そうと分かれば、答えは見えたも同じです。

 

       

 

   1372年3月23日、シャルルⅤ世の侍従Jean de Vaudetarが彩色画入りの聖書を献呈している図。

           The Hague, Museum of the Book Ms 10 B23 F2rから 

 

ふたつの料理書が世に出た年代とそのバックグラウンドを比較してみましょう。

出版時期にはほんの少しずれがあります。

オリエットは1393年。ロリーパスティは1380年(第一版目)にすでに世に出ています。1393年は第二版目と同じ年代ですが、メナジェ氏はそれよりも早くロリーパスティを手にしていたはずです。1390年と仮に決めておきましょう。

 

ル・ヴィアンディエの著者、Guillaume Tirel  ( ギョーム・ティレル ) 通称Taillevent  ( タイユヴァン ) は、1312?年にノルマンディ半島のPoint-Audemer  ( ポン オードゥメール ) に生まれ、14歳でジャンヌ・デヴルー( Queen Jeanne d'Evreuz of France;1310-1371/3/4、カペー朝最後のフランス王シャルルⅣ世の3度目の王妃。)の元で料理の下働きを始めます。以降、フィリップⅥ世、ジャンⅡ世、シャルルⅤ世、シャルルⅥ世の料理人となって仕えます。シャルルⅤ世に仕えた時間が一番長く、料理書を書くように勧めたのも、それを謹呈したのもシャルルⅤ世でした。

タイユヴァンが料理書を完成させた1383年は、彼の人生を飾る最後の花であったろうと思われます。

 

つづく。

 


2017年06月29日 | 中世料理書-耳

4. 耳

 

http://cuisine.journaldesfemmes.com/recette/327965-merveilles-ou-oreillettes から

 

耳のお菓子はラングドック語を話すルエルグ(Rouergate)地方のもので、カーニバルやクリスマスの期間に作られるものです。

      

               不思議な耳( Merveilles ou oreillettes )  

材料(10人分)

中力粉               500g

レモンの皮(おろす)        1個分

塩                 1 ts

卵                 4個

グラニュー糖            50g

オリーブオイル又はバター      50g

オレンジフラワーウオーター     1 TBS
粉糖                500g 
ピーナッツオイル           2 L

 

方法;

1. 材料を混ぜてよく練る。ドウが指につかないようにオイル又は粉を入れて調整する。丸く丸める。ふきんを被せて2時間置く。

2. のばしてルーレットで5 x 10 cmの大きさに切る。

3. 粉糖を入れ物に入れる。ピーナッツオイルを170℃に熱する。

4. フライする。

5. 取り出したらすぐに丸めて粉糖の中に入れる。ペーパータオルの上に並べる。 

 

不思議な名前のお菓子ですね。どこが“ 不思議 ”なのでしょう。それは次の絵を見れば合点します。

      

       https://www.meilleurduchef.com/en/recipe/oreillette-carnival-fritters.html から

オリエットカーニバルフリッター( Oreillette Carnival Fritters ) です。耳の形をしています。

Merveillesという訳は間違っているのでは?とお思いかもしれません。「素敵な」あるいは「美味しそうな」の方が適訳なのではと指摘されるかもしれません。

しかし、フリッターを初めて作った料理人はやはり「信じられない」というのが正直な感想だったのではと思います。何故なら、製粉の不十分な小麦粉を使って、これほど口当たりの良いお菓子を作ったことは「神業に近い」出来事だったからです。小麦粉を使った、例えば、スープのような料理を作るには、いったん小麦粉をパンにして、それを挽いて使ったのですから。 このお菓子には、イスラム文化の影響を受けた、当時の最先端技術が導入されています。

オリエットは地方によって形が異なるようです。菱形のもの、四角で真ん中に切れ目が入ったものなどがあります。

 

それでは、loure がorillettesに変わった理由は何でしょうか。次回はいよいよ本題に迫ります。

 

 


2017年06月28日 | 中世料理書-耳

3. 耳

 

諸々の事情を乗り越えて?それとなく内容を理解しようと試みると、ぼんやりとこの料理の姿が浮かんでくるでしょう? 次に「耳」の文字が料理書の中に現れるのは、数年後の1393年。びっくりするような短期間の内に出現します。その本、メナジェ・デ・パリ(  Menagier de Paris ;パリの家政学 )は一体誰が書いたのか今もってわからないけれども、普通の人間でないことだけは確かです。羊皮紙にガチョウのペンで写し取ったLe Viandier de Tailleventを短期間で手に入れて自らの本の中に書き入れたのですから。

 

Menagier de Parisは、他書からの引用が極めて多い書物です。しかしそこに書かれた料理名は「ロリーパスティ」ではなく、「オリエット;orillettes」に変化していました。この料理の中身を吟味し、先の料理と同一であることを確認したいところですが、レシピは書かれていませんでした。(このことがこの本を書いた著者;以下メナジェ氏と呼ぶことにします、の正体を知るきっかけになるのですが。)

 

第二のコース。海の魚、淡水魚、ブリームとサーモンのパイ、ウナギのゼリー( 逆さまにしたウナギ )、茶色のherbolace(ハーブのパイ包み), テンチのベーコン粥、ブラマンジェ、レタス、lozenges  ( ロザンヌ ),  orillettes  ( 耳の形をしたオリーヴでフライした小さなケーキ )、ノウィージャンパイ、サーモンとローチの詰め物。

 

内容から、第二コースの料理はアントルメであることが分かります。小さな耳は、その内の一つです。大切なお客様を迎えての、第二番目のコースの中でサーブされる料理です。金箔、銀箔、サフランで飾った料理は貴族以上の身分の者にしか出すことのできない、(してはならない)豪華な料理です。

   

     

          Histoire du Grand Alezandre: Petit Palais から

           ジョージ・ネヴィルが大司教の座に着いたことを祝って1467年に行われた饗宴

この豪華な祝宴を飾るのはクジャクのアントルメです。作り方は、孔雀の羽、足、頭を取って、その肉を軽くローストします。冷めた後で取っておいた羽等を元に戻すのです。肉がよく焼けていると後で首や頭が取れてしまうために、この料理を食べるとお腹を壊すと、美しいけれども、手を付けるとひどい目に合うという評判の料理でした。孔雀のアントルメは「ロリーパスティ」から、少し後になって現れたアントルメです。

 

このレシピではオイルがラードからオリーヴに変わっています。オリエットと名の付いた料理は今もあるのでしょうか。フランスのサイトから「不思議な耳」というレシピを見つけました。




2017年06月27日 | 中世料理書-耳

2. 耳

 

このレシピには2つのレシピが挿入されています。

一つは、コインの大きさのペイストリィを作ってそれをラードでフライするもの。

二つ目は、レタスの葉の形をしたものを、大小作ってそれをラードでフライするものです。

 

意味が取りにくいのは、2つのレシピが押し込まれているからですが、一つのレシピ(と我々が勝手に思い込んでいるのが間違っているのだけれど)の中に二つ以上のレシピが混在することは、中世料理書にはままあることです。ページを飛ばすようなミスもたまにあります。この時代、字が書けるのは、聖職者と貴族です。写本をして知識とお金を得なければならないのは聖職者ですが、新たに書き写す時に、一冊は依頼者のために、二冊目は自分のために作業をすることはよくあることでした。一冊の本から、二冊の本に書き写すとき、上のようなミスを犯すことは十分に考えられることです。

 

             

フランスリール市長であり、ブルゴーニュ公の秘書、しかも翻訳者であるジャン・ミッシェル( Jean Michel、1472 )は、今まさに写本の真っ最中です。 https://script.byu.edu/Pages/Italian/es/history.aspx から

料理書;ル・ヴィアンディエはこのような作業を経た結果、現在我々の目の前にあるのです。 

最初に書かれているのが、今話題にしている「耳」のレシピです。小麦粉を練って筒状に延ばし、それを切り分けてスプーンのようなものでボード上に擦り付けてカールしたパスタを作ります。それをラードでフライしたものです。

 

ロリーパスタのロリーとは;

Lorez ; この単語は最初の音節にストレスがあり、ラテン語のlura、そこから派生したloure(ルール;現代フランス語 )につながる言葉です。ルールはブルターニュ、ノルマンディ地方で使われていたバグパイプの一種です。又、ラテン語では財布を示すことからLorezは小さな袋状のものを指すと思われます。

バグパイプはスコットランド、アイルランド、スペイン、ポーランド、トルコ、バルカン半島広い範囲に存在するので、「Lorez」という言葉は広い範囲で理解されていたと考えられます。

 

因みに、ヴァチカン図書館に保存されている写本(下)では「ロリー」は直前のレシピ; PASTEZ NOURROYS 内に含まれています。 

http://www.staff.uni-giessen.de/gloning/tx/vi-vat.htm から )

 

PASTEZ NOURROYS

Prenez chair cuite bien menue hachiée, pignolet, raisin
de Corinde et frommage de gain esmié bien menu, et ung
pou de succre et ung petit de sel.

Pour faire petis PASTEZ LOREZ, comme pastez d'un blanc
ou au dessoubz, et les frire, et qu'ilz ne soient pas si hault de
paste, et qui veult faire des laictues et des oreillettes, fault
faire couvercles de pastez, les ungs plus grans que les autres,
et les frire en sain de lart porc doulx tant qu'ilz soient
durs comme cuitz en ung four; et qui veult, on les dore de
fueil d'or ou d'argent, ou de saffren.

 

次回は「ロリー」から「耳」につながる証拠の品をお見せしましょう。

 

 

 

 


2017年06月27日 | 中世料理書-耳

1. 耳

        

 

現存している料理書の中に初めて「耳」という表現が現れるのは、フランス王シャルルⅤ世の為に宮廷料理人タイユヴァンが著した料理書;ル・ヴィアンディエ(Le Viandier de Taillevent)に於いてです。(タイユヴァンは1373-1380年の間に初版を、1380-1393年の間に初版にワインの取り扱い方法を加筆した二版目を著しました。問題のレシピはその両方に入っています。下に引用しておきます。(訳は原典のままで、カッコ内は訳注です。)

 

194. ロリーパスティ( Petis pastez lorez

小さいロリーパスティを作るにはパスティをBlank 5デニールコイン )又は、それよりも小さいサイズにしてフライする。パスティはそんなに高く(厚く?)しない。レタスと小さい耳(レタス状のあるいは耳の形をしたパスティ)を作るには蓋のパスティを作り、大きいものや小さいものを作り、オーヴンでクックした時と同じ硬さになるまでラードでの中でフライする。お望みであれば金箔又は銀箔、或いはサフランで飾ることができる。


この料理書は評判が高く、1486年から1615年にかけて24版が出版されています。ほんの最近まで使われていたのです。上に掲げた料理書の表紙絵は24版の内の一つです。(フランスの偉大な料理人タイユヴァンの書と大書してあります

レシピの解説は、次回に。




2017年06月26日 | 中世料理書-耳

 

ベルガモット( Monarda didyma )和名:タイマツバナ。シソ科ヤグルマハッカ属、多年草。)の花が咲きそうで咲きません。もう10日間もこの状態が続いています。赤い花が咲きますよと言われていただいたのですが、先端はずーっと白いままです。花が咲いたら、これもしよう、あれもしようと考えているのですが、それまでには少し時間がかかりそうです。

先日、ブログを見ていたら、オレッキエッテの絵が出てきました。耳( オレッキエ:orecchie ) という名のパスタです。さして耳らしい形ではないのですが、昔からこの名が付いているのでしょう。私も何度か作って食べたことがあります。しこっとした歯触りで、単純な形の割にはソースの乗りがよいパスタです。

       

                       http://keywordsuggest.org/gallery/615580.html から

この写真を見ていて、何年か前に訳した中世の料理書の中に「耳」という言葉が出てきたことを思い出しました。もう一度時間をかけて、7, 8 月のお菓子教室の夏休みの間に、調べてみようと思いました。ベルガモットの花期は、6, 7, 8 月ということですから、時間は十分にありそうです。。

・・・・というわけで、次回から ”耳” について少し述べようと思います。極めて、マニアックな内容ですが、知識欲を掻き立てられる作業になりそうです。

 

 

 

 

 

 

 


ハーブ

2017年06月23日 | レモングラス

レモングラス 8 


メロン、レモングラスのパパイヤスープ  

        

            Papaya soup, melon and lemon grass 

 

材料 4人分)
ライスミルク※              1 C

ココナッツミルク※           1 C

甘藷糖                 2TBS

レモングラス (根とその上の部分)    2本

水                   1 C

オレンジパパイヤ            1個

メロン(グリーン)           1個

ミントの葉

レモングラスの茎 

 

方法:
1. ココナッツミルク、ライスミルク、砂糖、レモングラス、水を鍋に入れて20分間弱火でボイルする。火から下して冷蔵庫に2時間以上入れる。レモングラスを取り出す。
2. (1)の中にパパイヤとメロンを半分ずつ入れてフードプロセッサーを回す。冷蔵庫に戻す。
3. その間に残りのパパイヤとメロンからパリジャンスプーン( フルーツクリ抜型 )を使って実を丸くくりぬく。

4. (2)をきれいな容器に入れる。くりぬいた果物と氷を2-3個入れる。ミントとレモングラスの葉を飾ってサーブする。

 

このレシピはビーガン用のものです。

※ ココナッツミルクは、すりおろしたココナッツの胚乳を水と一緒に弱火で煮て裏ごしし、粗いガーゼなどの布で絞って作ります。ココナッツの真ん中の液体:ココナッツジュースとは別のものです。南東アジアの飲み物です。ライスミルクも、ココナッツミルクと同じ様に作った飲み物です。

 

 

                                                                                                                    完

 

 


ハーブ

2017年06月22日 | レモングラス

レモングラス 7

 

東洋と西洋文明の交わっている場所と言えば、“トルコのボスポラス海峡あたり”では、と思われるでしょうが、少し違うのでは? と感じています。イスラエル周辺の、イスラムとキリスト教のせめぎ合いの地、あたりが交差点ではという気が、私にはするのです。ご期待に添える、興味を引く内容があるのでは?という思いを込めてヘブライ語で書かれたサイトを引用してみました。 


実は現在もヘブライ語を話す人たちがいるのです。あの旧約聖書を書き表している?と思われるでしょうが、正確にはおなじではありませんが、まあ、詳細は他書に譲るとして、今も流暢にヘブライ語を操る人たちがいるのです。イスラエル国内のアラブ系イスラエル人と占領地内のパレスチナ人です。 彼らの開いたサイト 

            

http://www.ynet.co.il/articles/0,7340,L-4097055,00.html から ( きわどいバナーの色は私が付けました )

  

 

レモングラスを使ったレシピ

 

アジアの料理ではレモングラスは香りづけに使われていて最も基本的な食材です。

イスラエルでもレモンの香りを付けるときにはレモングラスを使います。レモングラスは水と火の光があればよく育ちます。
フレッシュなレモングラスの茎とタマネギがあれば、レモンの香りがするスープや料理が楽しめます。茎は切る前にローリングピン又はペストルと乳鉢を使って、叩いて潰すのが正しい方法です。

レモンの香りはシトラールによるものでエッセンシャルオイルにもなります。

潰した茎を取り出せば料理の完成です。

レモングラスは料理だけではなく、健康にとってもいいもので、レモングラスの先の葉を湯や冷水に入れて使います。体の、特に消化器官の働きをよくします。 

 


夏向けのレシピをご紹介しましょう。

               

                   Lemon grass
    
ハーブティー

材料:

水                  1 L

レモングラスの茎           5本

セージの葉              2枚

ミントの葉              10枚

レモンバーベナの茎 
 
方法;
1. 水をボイルしてハーブの葉を入れる。

  火から下ろして10分間静置する。

2.葉を取り出してサーブする。

3.冷たくして飲むときは砂糖を加えて氷とレモンスライスを入れる。

       

                 Herbal tea
 


カバブ豆腐( 椎茸、ニンジン、豆腐をレモングラスにくっつけた )

        

                 Kebab Tofu

 


材料(10個分)

ジンジャー                      指大のもの1個

ガーリック                        5片

タマネギ                         1個

塩、ペッパー、砂糖、スイートパプリカ、          チリ

ニンジン( 千切り )                    500g

セロリ( 卸す )                       1本

クックした椎茸                     一握り

豆腐(切った)                      300g

ゴマ油                          2 TBS

ハーブ ( チョップ ) セロリ、コリアンダー、バジル、パセリ  一握り

パンクラム                        1/2 C

串 ( レモングラスの茎 )                                  10本

 

方法;

1. フードプロセッサーでタマネギ、ジンジャー、ガーリックをじん切りにする。 鍋にキャノーラ     油と一緒に入れてきつね色になるまで炒める。

2. スパイスを入れて匂いを移す。ニンジン、セロリを入れて約30分間熱す。

3. 椎茸、豆腐、ゴマ油を入れる。火から下ろしてあら熱を取る。

4. ハーブ、パンクラムを加えて混ぜる。

5. 濡らした手で楕円形にまとめてレモングラスの周りにくっつける。

6. 薄く油を引いたベイキングペーパの上にのせ、オーブンに入れて180℃で約30分間焼く。

 

「これレシピのどこが東西文明の交差点なの?!」と言われると、「これです!」とは言い難いのだけれど。まあ何となく、それっぽいじゃあないですか。シイタケや豆腐,それらを串に刺したところなんか。「単に、アメリカぽっさが、イスラエルに移入されただけ!」と言われると一言もないですが。

 

次のレシピは上のとは、ちょっと違いますよ。次回をお楽しみに!!

 

 

  


ハーブ

2017年06月21日 | レモングラス

レモングラス 6

 

ここで一つドイツのレシピを入れておきましょう。ドイツのレシピが一番信用のおける、妥当な内容だと思っているからです。

レモングラスティーの入れ方

ドイツのサイト http://www.chefkoch.de/rezepte/2106671339780963/Ingwer-Zitronengras-Tee.html から

 

  

ジンジャーとレモングラスのティー

材料:

ボイルしている湯          1カップ

蜂蜜                 1ts
ジンジャー           0.5 x 1.5 x 1.5 mm 1片
レモングラス            3 cm 1片


方法:
ジンジャーの皮を剥いて匂いを出す。ナイフの背又はミートボールナイフでレモングラスを擦る。カップに入れてボイルしている湯を注ぎ、約10分間静置する。蜂蜜を入れる。

寒い日に飲むと体が暖まる。ジンジャーを入れるとはっきりとした味になり、暖かさが持続する。

 

 


ハーブ

2017年06月20日 | レモングラス

レモングラス 5

 

これまでハーブについていくつか述べてきました。これまでのハーブを思い起こしてツラツラ考えてみると、レモングラスだけではなく、ハーブは総じてエッセンスは、特別の場合を除いて、使わない方がいいかもしれません。

フレッシュのハーブも一般的な、よく知られたものを除いては、頻繁に使うことは控えたほうがいいでは、と思っています。

ハーブの、地中海を原産地とするハーブに対して、われわれ日本人は、その取扱いは、極めて歴史が浅いことが問題です。コショウやワサビ、山椒、辛子などを誤った方法で使っている外国の人たちを見れば、ハーブやスパイスを生かし切って使うためには、ある程度の歴史、時間の経過が必要なのは当然のことです。

今のヨーロッパの人達は、古代ローマ滅亡以降にヨーロッパ大陸に棲みついた人たちであるとはいえ、いくばくかのそれまでの知識を引き継いでいます。3,000-4,000年間の知識です。我々日本人が数十年でリカバーできるはずはないと考えるのが自然でしょう。

 

次に取り上げたレモングラスのレシピはごく普通の使い方です。 

健康に良い一杯のレモングラスティー

http://www.lemongrasstea.org/ ( 現在は閉じられています ) から引用させていただきました。

 

南東アジア原産のレモングラスは料理によく使われています。レモンの皮の香りがして、ソースやカレーにタイ、マレーシア料理に使われています。今や料理だけでは無く、医療目的にヨーロッパでも知られる様になりました。

この植物はどこでも手軽に栽培することが出来ます。

                

レモングラスティーの効用

レモングラスはお茶に入れてレモンの香りを日常的の取るにはいい素材です。レモングラスの効用は多く、調べるだけの価値はありそうです。     

                

 

 

 


ハーブ

2017年06月19日 | レモングラス

レモングラス 4


3. 浄化と解毒

レモングラスのお茶を普通に摂っているだけで体を浄化し解毒してくれます。
レモングラスの利尿作用が毒素、尿酸、悪玉コレステロールを体から追い出すのです。
利尿作用は、また腎臓の働きを助けることにもなるのです。お茶の浄化作用は肝臓、
腎臓、膀胱、すい臓を浄化することにもなります。結果、血行を良くしてその結果
健康を保つことになります。

レモングラスティーを飲むと体から有害物質を取り除くことが出来るのです。

 

4. 風邪とインフルエンザを治す。

レモングラスには抗バクテリア、抗黴作用があります。それが体を咳や発熱、風邪、

インフルエンザ症状から守ってくれます。レモングラスの中のビタミンCが免疫作用を

強化します。オイルは筋肉、関節の痛みを緩和します。風邪、インフルエンザによる頭痛を

和らげてくれます。粘液、痰を取り除いてくれるので息をするのが楽になります。

気管支炎や喘息になったときには特に助かります。

 

レモングラスは次のように作ります。 

1.レモングラスを23本、クローブを23個、シナモンスティックを1本、ターメリックを

 1ts、ミルク1カップの中に入れてボイルします。  

2.漉して、冷めたら飲みます。

3.一日に一度、23日続けます。

 

5. 癌に対して

イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学 ( Ben Gurion University;イスラエル南部地区の

ベエルシェバに拠点を置く国立大学。) の研究によれば、レモングラスティーが癌に効果が

あることを証明しました。レモングラスに含まれるシトラールにガン細胞を狙って自然死させる

働きがあると言うものです。

イスラエルでは放射線治療や化学療法の期間中レモングラスティーを飲んで治療に当たっています。

2009年の臨床薬理学の基礎 ( The journal Fundamentals of Clinical Pharmacology ) には、

実験室段階で、レモングラスに含まれるシトラールには肺ガン細胞の成長を抑制する働きがあることを

見つけたと発表がありました

 

 

6. 関節痛を減らす

レモングラスの抗炎症、痛みを取る成分が関節痛、リューマチ、変形性関節症、痛風そのほかの

関節痛を和らげます。抗炎症効果により、シクロオキシゲナーゼ-2COX-2;サイトカインや

増殖因子などの刺激により発現が誘導されることが知られ、炎症時にCOX-2を介したPGE2PGI2等の

産生が亢進する。PGE2は血管透過性の亢進、血管拡張及び発痛に、PGI2は血管拡張及び発痛に関与し、

炎症反応をそれぞれ進行させる。)の活性化を抑制します。

レモングラスオイルにココナツオイルを1:2の割合に混ぜて患部に塗り、12時間そのままにして

おきます。毎日塗って23週間続けます。

レモングラスティーを一日に二回飲むと効果があります。

 

ハーブの効果に関しては未だ疑問点が多く、効果があるとも無いとも判然としません。

無理のない範囲で、程度を考えて、体の様子を見ながら、医師とも相談しながら試みることが大切だと思います。

特にレモングラスのように東洋由来のハーブは注意が必要です。

植物だと思ってなめてはいけません。


 

 

 


ハーブ

2017年06月18日 | レモングラス

レモングラス 3


2. コレステロール値を正常に保つ

抗コレステロール、抗アテローム性動脈硬化症の働きで、腸からのコレステロールの
吸収が抑えられます。しかも、血中内のLDLコレステロールの酸化を助けるので、

アテローム性動脈硬化症プラークが生じにくくなります。

1989年のウイスコンシン大学の研究によれば、毎日140ミリグラムのレモングラスオイルが

入ったカプセルをコレステロール値の高い患者に飲ませたところコレステロール値の低下が

みられたとの研究結果を得ています。又、明らかに血中脂肪の減少があったとも述べています。

レモングラスの高いカリウム含有が血圧値を正常にするのです。

毎日一杯のレモングラウティーを飲むことでコレステロール値を下げ、血圧を下げるのです。

又、医師と相談してサプリメントを摂るのもよいでしょう。

 

ところで、レモングラスのエッセンシャルオイルの値段って随分とひらきがあるのですね。

5mlあたり250円から25、000円位まで。或るレモングラスの成分を調べてみました。

 

次の様な表示のついている製品がありました。

decyl glucoside( 非イオン性の界面活性剤 )、lauryl glucoside( 界面活性剤 ),
water( 水 )、coco-betaine( 界面活性剤 )、glycine soja ( soybean ) protein
( ツルマメタンパク質 )coco-glucoside( ヤシ油アルキルグルコシド )glyceryl oleate
( オレイン酸グリセリル )、sucrose laurate( スクロースラウレート; 乳化剤 )、
honey( 蜂蜜 )、glucose( グルコース )、betaine( クコの葉に多く含まれる強壮薬 )、
glycerin( グリセリン )、citrus aurantium bergamia ( bergamot)fruit oil
( ベルガモット果実油 )、citrus medica limonum ( lemon ) peel oil
( レモンピールの抽出物 )、citrus aurantium dulcis ( orange ) peel oil
( オレンジピールの抽出物 )、pogost( pogostemonの事だと思われます。パチョリ油 )
 
レモングラスはオイルの含有量が極めて少なく、オイルを得るには多量のレモングラスが必要です。
だから、ほとんどのレモングラスオイルはこのような“ 模造品“ です。量の多い順に書かれているとすると、
このレモングラスエッセンシャルオイルはそのほとんどが界面活性剤と水です。レモングラスのエッセンス
なんてどこにもありません。
化粧品ってこんなものかもしれませんが、少しひどいと思いませんか? 
しかもこのように表示のあるものは極めて少ないです。
 

               

Natural By Nature Oils Lemongrass Essential Oil 10ml. Lemongrass grass

 (Cymbopogon citratus).Excellent used as a deodorizer for the feet and 
a good oil to use in a burner to get rid of strong unpleasant smells.
 Use this oil in a lower concentration when used on the skin. (Not recommended
 for the face). It has a lemony sherbet Aroma.

 

上は少し高価なオイル。

 

 

 

 

 

ハーブ

2017年06月18日 | レモングラス

レモングラス 2


http://www.top10homeremedies.com/kitchen-ingredients/top-10-health-benefits-lemongrass.html から

 

  

レモングラスの10の潜在能力。(・・・・と書いているのですが6つしか見あたりません)

レモングラス (Cymbopogon citratus  ) は別名、barbed wire grass, silky heads, citronella grass, cha de Dartigalongue, fever grass, tanglad, hierba Luisa,、gavati chahapati, と言います。

ビタミンC,A,葉酸、マグネシウム、亜鉛、銅、鉄、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウムが豊富です。そうして鎮痛剤、抗炎症剤、抗うつ薬、解熱薬、消毒剤、抗菌、抗真菌剤、収斂、鎮痛剤. 利尿、鎮痛剤、催乳薬、殺虫、鎮静剤、抗癌作用があります。(ちょっと信じられない内容です)

 

レモングラスの10の効用

1. 消化を助ける

レモングラスには消化管に棲む有害細菌、寄生虫を殺し、結腸内の善玉菌を増やす防腐化合物質が含まれるのでその結果、消化を促進します。

このことが消化器系障害によって引き起こされる消化不良などの問題、つまり, 便秘, 胸焼け, 下痢, 鼓腸, 胃の痙攣, 嘔吐やけいれんを順番に解決してくれます. しかも抗微生物特性があるので胃腸炎を防いでくれます。消化管を健康に保つにはレモングラスのお茶を定期的に飲むとこです。しかし小さな子供さんにはお勧めできません。

 

 

 


ハーブ

2017年06月16日 | レモングラス

レモングラス 1

 

これは私が、小さな15cmほどの苗を一本買ってきて十数年前に植えたレモングラス( Cymbopogon citratus , イネ科オガルカヤ属の多年草。)です。毎年冬が開けて暖かくなり出すと、昨秋切った切り株を毎日眺めています。ちゃんと芽を出してくれるのか心配で、栽培しているというよりも飼っているという気持ちが強いです。毎年、初夏には若葉をブラックティーに入れて飲みます。暑い夏なって葉が厚みを増してくると刈り取って鍋に入れてボイルします。茶こしで漉して、お風呂に入れます。さわやかな香りが浴室に溢れます。大きく息を吸ってはき出すと、体中がレモンの香りで染まります。

最初は、ベトナム料理に使おうと思って飼いだしたこのレモングラス、トムヤンクンを作ったか、作らなかったか思い出せません。

一度、フォーの出汁としてシュリンプペイストと一緒に使ったことを、タイプを打っていて今、「ふっと」思い出した程度です。ハーブとしての期待感や、効用は「どうなのかなあ?」と思うばかりで、レモングラスに対しては、其の「香り」には関心があるものの、薬効に対する期待はありませんでした。しかし、次のサイトを開いて驚きました。「こんなサイトもあるのだ」と思いました。「へぇー!?」と言う内容です。

(少しおつきあい下さい。こんなサイトもあると言うサンプルです。この後で、レモングラスに関しては「こんなところじゃないかな」と言う、サイトをご紹介しましょう。インターネットに書かれている内容は、情報の一手段として活用しないととんでもないことになります。)