「えっ? どうかしましたか?」
ウハウハとメロンを受け取った諒はとぼけてごまかそうとした。
「いや、メロンは麻也さんのリクエストだよ」
「兄貴ホントか?」
「う、うん。まあ直人もあがってよ」
決起集会ならせめて、須藤や鈴木くらいは呼んでもよさそうなものだったが、やっぱり4人だけでだべりたかった。
「それでは麻也さんの退院と、東京ドーム決定を祝して乾杯!」
直人の音頭で、ジンジャーエールのグラスを合わせ、飲み干した。
まずは、麻也がふたたびみんなに今回の入院についてみんなに謝ったが、直人が、
「いやぁ、麻也さんを働かせ過ぎたことは俺も反省してるよ。麻也さん、本当にごめんなさい。申し訳ありません」
「いや、そんなことないから。俺が薬の飲み方を間違えただけだから」
本当のことは直人も察していると思ったし、やっぱり麻也もこれ以上は口に出しては言えなかった。
すると諒が、
「直人も真樹も本当にごめんね。俺が麻也さんを大切にするのが足りなかったのが悪いんだ」
「諒…」