カタチあるもの

宇宙、自然の写真をメインに撮っていますが、時々、読書、日常出来事について書きます。

NGC6946とNGC6939のペア

2016-01-26 20:11:02 | 写真_宇宙

 

 

 左上の星の集まりがNGC6939(16,000光年)、右下の銀河がNGC6946(22,500,000光年)で、ケフェウス座に位置しています。

 ケフェウスは、エチオピア(今のイスラエルからエジプトです)の王でカシオペアが王妃、娘の王女がアンドロメダです。カシオペアの高言がもとでアンドロメダを生贄に差し出すこととなり、ペルセウスがアンドロメダを救うという物語がギリシャ神話に描かれています。このような話を聞くと星座はギリシャ時代を起源としているように思いますが、実は今から5,000年ほど前のメソポタミアに住んでいたシュメール人やアッカド人が起源のようです。さらに古くは、10,000~15,000年前の旧石器時代に星座を描いた壁画がフランスに残っているそうですね。

 今のように正確なカレンダーがなかった時代、1年という季節の周期があることがわかっていても、感覚的にしか把握できなかったため、ある程度正確な季節の運行を把握するために星座が必要だった様な気がします。ですが、科学のなかった時代、神話で語れている神は人々の中で現実の存在だったように思います。今とは見ているもの、見えているもの、現象の解釈が違っていて、夜空の星とギリシャ神話があたりまえのことのように関係していたのかもしれません。

 

 

 


NGC6992 はくちょう座 網状星雲

2016-01-22 19:59:28 | 写真_宇宙

 

 

 田舎で夜空を眺めると、本当にたくさんの星を見ることができます。なんとも言えない宇宙の広さを感じるのですが、望遠鏡とカメラを使った天体写真も田舎の夜空とは違った広さを感じます。写真に写っている背景の星を見ていると、なんとなく遠近感が感じられて立体的に見えるような・・・・、宇宙が近くなったような。感覚的なものですが。

 NGC6992は、前回ブログアップしたNGC6946と対になっている網状星雲です。NGC6992の写真を見ていると、宇宙の中で誰かが大きなマッチを擦って、その時の煙が広がっているように見えますね。広がっているガスの色は、元素の違いに起因しているそうで、硫黄と水素と酸素、って、やっぱりマッチの成分も関係しているようです。ちなみに、マッチを擦ってからすでに数万年経過しているようですが・・・。

 生まれてからずっと光が映し出す世界を目で感じてきたわけですが、星の世界の写真に限らず、もっと色々な角度から自然を写してみたいと思っています。

 

 

 


NGC6960 はくちょう座 網状星雲

2016-01-19 20:05:06 | 写真_宇宙

 

 はくちょう座の右翼の先端付近に位置しています。数万年前の超新星爆発の名残と言われていて、今も円弧状に広がっているようです。

 星雲を拡大してみると、全体的に青く糸状の星雲が主体ですが、ところどころ赤い星雲もらせん状に絡まっていて、まるでDNAの二重らせん構造のようです。 細部から画面全体に視点を移すと、宇宙を飛んでいる鳥のようにも見えますね。

 ちょっと宇宙の芸術性を感じます。

  たくさん見えている星も、それぞれに遠い・近いがあって宇宙空間の中では立体的に分布しています。また、星それぞれに色もあります。星色を活かしながら立体感を感じる写真に仕上げたい。それが目標です。

 北アメリカ星雲、ペリカン星雲、サドル付近の散光星雲、そして網状星雲、はくちょう座には魅力的な散光星雲がたくさんあります。今年の夏もはくちょう座の散光星雲を色々と撮りたいですね。

 

 

 


M34 ペルセウス座 散開星団

2016-01-16 21:31:53 | 写真_宇宙

 

 M34は、光害の少ない夜空ならば肉眼でも見ることができる明るい散開星団です。約1,400光年の距離で100個程度の星が集まっています。散開星団の広さは7光年、地球から7光年以内には3個の恒星しかありませんから、かなりの星密度ですね。

 ペルセウス座は奥さんであるアンドロメダ座とともに秋が見頃の星座です。アンドロメダ銀河、ペルセウス座の二重星団など双眼鏡でも十分に楽しむことができます。って、季節の超先取りか3ヶ月遅れの話ですね。ですが、星の世界では夏の星座がすでに夜明け前に登ってきていて、気の早い方は写真に収めているというような季節を先取りする世界でもあります。

 

 星の世界では、毎年、同じ運行が正確に繰り返されていてほとんど変化はありませんが、数千年、数万年単位で見ると星座の形も大きく変わっているそうです。動いていないようで確実に動いている、私たちとは違う時間スケールですが、宇宙にも成長や進化があるのかもしれません。

 

 

 

 


IC1396 星の世界

2016-01-11 17:05:27 | 写真_宇宙

 (再処理画像)

  

 写真に写っている星の数、数えてはいませんが数千個は写っていると思います。その星々の間をぬって散光星雲や暗黒帯が広がっていて、はくちょう座のサドル付近と同様に華やかな領域です。

 この星の光は、数年から数千年もの旅をして私のカメラにたどり着いた光、そう考えるとなんだか神妙な気持ちにもなってきます。

 写真に写っている星、ひとつひとつに私たちの太陽系のような世界があるかも・・・・(妄想満開)。 いつの日か、星の世界まで簡単に、そして安全に行く方法が開発されたならば、すごいことになりますね。

 

 

 


はくちょう座 サドル付近

2016-01-08 20:44:02 | 写真_宇宙

 

 はくちょう座の十字になっている中心星(γ星)を通称サドルと呼ばれています。写真の中で輝いている星がサドルです。サドルの周りには赤く光る散光星雲が多く、とても華やかな領域です。

 目で見た範囲では夜空に星が見えるだけなんですが、望遠鏡を使い、カメラで長時間露光をすると、まったく違う夜空が見えてきます。夜空にはこんな風景が隠されているんだ!!とつくづく驚かされますね。

 普段、見慣れている日常の風景や生活もじっくりと、よくよく見て、感じて、取り組んでいくと、今までとは違うものが見えてくるのかもしれない・・・・・って思いますね。

 

 

 


IC5146 はくちょう座 まゆ星雲

2016-01-04 20:21:23 | 写真_宇宙

 

 写真下の方から暗黒帯が上の方へと続き、赤いまゆ星雲のところで止まっています。まるで暗黒帯のゆりかごの中にまゆ(コクーン)星雲があるようですね。 まゆ星雲の中心にやや明るい星がありますが、周辺の星とともに星団を形成していて、若い星が生まれている現場でもあります。

 赤い星雲は超新星爆発した星の名残、若い星の集まりは、超新星爆発という星の死から始まった新たな星の誕生です。星の世界にもとてつもなく長い時間をかけた星の死と誕生があるんですね。

 

 

 


half moon

2015-12-27 20:19:02 | 写真_宇宙

 

 地球から太陽、地球から月までの距離は太陽が1億5000万キロ、月が38万キロと大きく違うのに、直径と距離の比が不思議にも同じ値、軌道も重なるため日食を見ることができます。太陽、地球、月の絶妙なバランスを感じますね。

 月は太陽の光を受けて輝いていますが、地球からみると三日月であろうと、半月、満月であろうと同じ面しか見えないのも不思議です。月の裏側は地球から見ることができないんです。これは、月が地球の周りを1周回る時間と月が自転で1回転する時間がまったく一致しているからなのですが、偶然・・・・にしては・・・・・? と思うような一致ですね。

 こうして天体写真を通して宇宙に接していると、とてつもない偶然のように見えることも、宇宙にとってはバランスを保つための必然なのかなと思うことがあります。

 

 

 

 


M33さんかく座銀河

2015-12-25 21:25:36 | 写真_宇宙

 

  アンドロメダ大星雲があるアンドロメダ座の隣にさんかく座という小さな星座があり、この領域にM33さんかく座銀河が位置しています。M33さんかく座銀河は先日紹介したM31アンドロメダ銀河と同じような距離にあるのですが、アンドロメダ銀河に比べるとかなり淡い銀河で、その姿を浮かび上がらせるのに苦労する対象です。

 銀河は渦状の雲のように見えますが、数千億の太陽と同じような星で構成されていて、多くが太陽系と同じように惑星系を持っているというのですから、地球と同じように生命が誕生した惑星も数多くあるのでしょう。 230万年の時と距離を隔てて今という同じ時刻にお互いの銀河を見ている存在があるかもしれませんね。

 

 

 

 

 


M42 Orion's Belt

2015-12-14 22:10:15 | 写真_宇宙

 

 冬の星座として多くの人が知っているいるオリオン座ですが、華やかな星座です。このオリオン大星雲、中央の明るい部分には散開星団が隠れて(写真には写っていませんが)いるそうです。そこでは、新たな星々が誕生していて、活動的な領域のようです。

 それにしても迫力ありますね、この大星雲。

 

 

 

 


M52とNGC7635 Bubble Nebula

2015-12-11 20:19:36 | 写真_宇宙

<再処理画像>

 

 この対象は、10月にもブログアップしているのですが、なんとなくイメージと一致していない感があり、周辺の輝星もいれて再処理しました。

 真ん中付近の星の集まりがM52、右側の赤い星雲がNGC7635、通称 Bubble Nebula(泡星雲)です。その名のとおりシャボン玉がフワフワ浮かんでいるように見えます。

 いつの時代かはわかりませんが、太陽のような恒星が超新星爆発し、その時放出したガスが恒星の光に照らされて輝いているそうです。大きな望遠鏡で写すと、この泡の中にも複雑な模様があり、泡だけでもすばらしい写真が撮れるのですが、今のところ、そこまでは達していません。がっ・・!、もう少しいけそうな気もしています。

 この領域は様々な色の星や星団、星雲があり、宇宙の中の宝石箱のようです。星の色はできる限りカラフルにという執着があり、ちょっと画像処理の力を借りて華やかに仕上げています。

 

 

 


M3 風格、気品、球状星団の一級品

2015-12-09 21:14:58 | 写真_宇宙

 

  この写真をみていると、球状星団の名の如く、本当に球になって星が集まっていることがよくわかります。某Wikによると、180光年の中に50万個の星が密集しているそうです。地球から1000光年以内で肉眼で確認できる星の数がおおよそ8,600個くらいと言われていますから、この球状星団、とんでもない密集度です。星の数、球のような形、そして立体的な迫力、球状星団の一級品だと思います。

 球状星団の左斜め上に遠い銀河がかすかに写っています。かすかにしか見えない銀河ですが、この中にも太陽のような星が数千億個存在しています。数字の桁数の単位は、最後には「不可思議=10の64乗」「無量大数=10の68乗」になるそうですが、この桁数単位は、宇宙に存在する星の数ですね。

 

 最近、「骨が語る日本人の歴史」という本を読んでいます。まだ読んでいる途中なのですが、現代日本人の身体的特徴は、長い歴史の中の日本人の身体的特徴からすると異質なんだそうです。特に身長は明治に入ってから大きく変わったようですね。様々な環境や生活様式が身体的特徴を変えていくようです。これって、よくよく考えるとすごいことです。必要に応じて身体的特徴が変わっていくわけですから・・・・。

 


M56 球状星団を(夏に・・・)撮ってみました

2015-12-08 21:12:52 | 写真_宇宙

 

 昨日に引き続き夏の星座「こと座」のM56という球状星団です。季節感のないブログで申し訳ありませんが、新たな対象を撮影する機会に中々恵まれない状況のためご容赦ください。

 写真の中央部付近に星が集まっています部分がありますが、これがM56球状星団です。小さく見えている星も含めるとかなりの数の星です。一見、周りの星と同じような距離にあるように見えますが31,000光年も離れています。

 それにしてもかなりの密集度です。これだけ太陽のような恒星が密集していると、球状星団の中の惑星では夜などないのでしょうね。

 球状星団や周りの星が黄色く写っていますが、もともと黄色く写っていました。おかしいなぁ?なにかカメラの設定を間違えたんだろうか??

 

  【撮影データを小さく載せておきます】
  H27.8.2撮影 R200SS+コマコレクターPH HEUIBフィルター
  iOptron 45Pro Nikon D610
  ISO2000  80sec×8 PHDガイディング
  PhotoShopでフラット補正、コンポジット、レベル補正

 

 

 

 


M57 数千年前に超新星爆発しました

2015-12-07 20:28:07 | 写真_宇宙

 

 夏の大三角形もすでに夕刻には西の空に沈む季節となってきたときに、夏の大三角形を構成すること座のM57をブログアップするとは、季節感がないこと甚だしいですね。

 このドーナッツのような星雲、数千年前に超新星爆発した時に放出されたガスがリング状に広がっているそうです。これからガスがどんどん広がっていき、数万年たつとはくちょう座の網状星雲のようになるのでしょうか。

 これから数万年・・・・・、数万年たったら地球はどうなっているのでしょう。その間も、このリング状星雲のガスは一定の速度で広がっていくのですから・・・・、時間感覚が想像できませんね。

 

 そんな遠い未来のことは考えないでこの写真をみると、宇宙に咲いたきれいな花のようですね。   ハハ・・・・単純・・・・。

 

 

 


M34 地味ですがカラフルな散開星団です

2015-12-06 16:45:54 | 写真_宇宙

 

 1654年以前にジョバンニ・バッティスタ・ボディエルナによって発見されたそうです。日本では江戸時代初期、まだ武士の時代でしたが、ヨーロッパではガリレオ・ガリレイが地動説を唱え、アイザック・ニュートンがすでに生まれていますから、すでに宇宙に対する科学的な探究心が深まっていた時代、日本とはかなりギャップがありますね。

 その時代、明るい街灯などはなかったでしょうから満天の星空が当たり前、望遠鏡とカメラを使って撮る星空も良いですが、眼視で楽しむ満天の星空も魅力がありますね。大口径の双眼鏡で夜空のパトロール・・・、何をパトロールするのか・・・・、だけど何か惹かれるものがありますねぇ。

 写真でM34を撮ると青い星、黄色い星、赤い星があり、地味ですがカラフルな星団です。特に興味がない人には単なる星の集まりですが、興味ある人には・・・・、双眼鏡でパトロールしてみたいです。