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隠し砦の三悪人

2015-10-17 01:13:28 | エンタメ
黒澤明監督の映画「隠し砦の三悪人」のDVDを観ました。白黒の映画です。2時間以上もある大長編です。

予備知識はほとんどありませんでしたが、TSUTAYAに置かれたDVDのケースにスターウォーズの元ネタだとかそんなことが書いてあったのでちょっとだけ興味はありました。

たぶん、最初に出てくる太平と又七の二人の男がスターウォーズの C-3PO や R2-D2 の二体のロボットのモチーフになってるとか、そういことなんでしょうね。まさか雪姫がレイア姫だとかそこまで元ネタだとか言わないよね。

スターウォーズとか全然イメージできませんでした。それより、これぞ日本の時代劇といった感じで、ものすごく完成度の高い作品だと感じました。

そもそも時代劇はそんなに好きではないのであまり観たことはありません。そのため他の映画作品との比較もできないのですが、テレビで観ていたような時代劇なんかとは比較にならないほどのスケールの大きさを感じました。

圧倒的な迫力あるシーンがあちこちに出てきて、2時間もの時間を感じさせないほど引き込まれました。

60年近く昔の作品であるとは思えないものすごい迫力です。今じゃこんな映画は絶対に作れないでしょうね。

加えて黒澤監督の丁寧な作りというか、映像へのこだわりの執念みたいなものが伝わってきて、全てのシーンを安心して観ていられました。

最近の映画はどのシーンを観ても「そうじゃないだろ」って突っ込みを入れたくなるのですが、黒澤監督の映画はすべてのシーンで納得させられます。というか、何も考えずにただただ引き込まれてゆくだけなのです。まさに陶酔です。映画ってこうあるべきですよね。

どのシーンもすごすぎるのですが、初見で最も引き込まれたのが、主人公の侍が敵の陣地に単身で乗り込んでしまい大将と槍で対決する場面です。このシーンはとにかくすごいですね。

特殊な撮影技術とかではなく、俳優の演技とか気迫がビリビリと伝わってくる映像でした。早回しするとか、カットでごまかすとか、ワイヤーで吊るとかそういうことではありません。とにかく「リアル」なのです。カメラはその二人の戦いをそのまま映し出しているだけといった感じです。

本物の槍の試合を見ているような錯覚に陥りましたね。まさに真剣勝負でした。こんなシーンは今までどんな映画でも観たことはありません。

ヒロインの雪姫もきれいだし演技も素晴らしかったですね。まるでオードリー・ヘプバーンでも観ているかのようでした。

黒澤明監督というと、もうただの「巨匠」という肩書にふんぞり返っているだけのつまらない監督だと思い込んでいましたが、作品を観てみればそれが世間の評判にたがわぬ本物の映画監督だったということを思い知らされました。

これ以上ないほどの素晴らしい映画でした。これが映画なんだと思い知らされるくらい衝撃的でした。昔はこんな素晴らしい作品がたくさんあったのかもしれませんね。スターウォーズなんか観ている場合じゃないですよ!


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