17音の記録 やぶにらみ

気が向いた時の記録

 俳句・無季の句 川柳と 関連記事

案山子

2023-09-20 07:17:18 | 日記
見覚えの服のお下がり案山子立つ

季語 案山子 案山子は農神でもあった。竹や藁を材料に人の形をつくり、蓑笠を着せ弓矢を持たせて田畑の中に立てて鳥獣を脅かし、その害を防いだ。一本足とへのへのもへじに麦わら帽子という形はユーモラスでもある。最近ではいろいろなキャラクターが案山子として登場し、時に案山子コンクールが行われる。穫入れが終わると捨案山子が畔に寝かされたりしている。鳥獣の毛や肉を焼いて、その悪臭を嗅がして追い払ったことに語源があることからカガシと濁るのが正しいとされる。歳時記抜粋。

例句 かつがれて不意に案山子の女めく  浅沼真機規子

糸瓜の忌

2023-09-19 19:48:25 | 日記
球審の声軽ろやかに糸瓜の忌

季語 糸瓜忌 子規忌の傍題 九月十九日。正岡子規の忌日。慶応三年に現在の愛媛県松山市に生まれた子規は、明治十六年東京に遊学、以後東京に住んだ。日本新聞社に勤務しながら俳句、短歌、文章の革新運動を展開した。運動の基本的な方法は写生であった。明治二十九年からはカリエスが悪化して仰臥の状態になった。明治三十五年没。三十五歳 糸瓜咲て痰のつまりし仏かなは絶筆の句。
歳時記抜粋。子規は野球の普及にも熱心であった。

例句 糸瓜忌の紅茶に消ゆる角砂糖  秋元不死男


 

走り蕎麦

2023-09-18 06:02:59 | 日記
飽食の時代に生きてはしり蕎麦

季語 走り蕎麦 新蕎麦の傍題 蕎麦は信州が蕎麦の名産地であるように、寒暖の差が大きい山間など、比較的に痩せた土地で栽培され、春撒きと夏撒きがある。どれもおよそ三か月で成熟するが、夏撒きの収穫の一部に限って一か月早めの㈩月ころ、やや未熟な蕎麦を刈り、青みを帯びた蕎麦粉て新蕎麦を打つ。鮮度が良く、コシも風味も格別である。歳時記抜粋。

例句 新蕎麦の食べ放題てふ村起こし  大室 貢

稲雀

2023-09-17 07:21:32 | 日記
持つ杖の置く先々を稲雀

季語 稲雀  稲が熟して穂を垂れる。この穂を啄むのが稲雀である。まず、数羽が下見をし、続いて多くの雀が群る。最も食べやすい畔際の稲穂は丸坊主になるほどの被害にあう。嚇銃や案山子をはじめ煌めくテープや目玉の模様の風船などで防衛するが、雀の生命力が強く悩みの種である。歳時記抜粋。

例句 稲雀投網のごとく降りたちぬ  太田寛師

コスモス

2023-09-15 08:44:29 | 日記
コスモスの中からぞろり縄電車

季語 コスモス キク科の一年草。メキシコ原産で、コロンフスのアメリカ発見後ヨーロッパに入り、品種改良された。日本には明治時代渡来した。日本人の好みによく合い、短期間で全国的に普及した。栽培も容易で路傍‣川原・空地などにも群れて咲く。細い茎の先端に紅・白・深紅色などのかろやかな花を付け風に揺れる。あまり湿った情緒はなく可憐で、明治末期には多くの文学誌中に登場するなど、代表的な秋の草花となって広く親しまれている。歳時記抜粋。

例句 コスモスの花の海へと身投げせる。鹿野よし絵