オリンピックで思い出す事・・２

最近では昔と違って、選手たちの口から「オリンピックを楽しみたい」とか、「自分を褒めてあげたい」とかいうような、随分とリラックスしているような言葉が聞かれるようになって来ました。
心の中ではどうなのか知りませんが・・・。

かつては日本の選手たちも、何処かの共産国の人たちのように、「お国の為に・・」という重圧感に、かなり苦しんでいた時期もあったと思います。

思い出すのは、東京オリンピックの時のマラソンで、銅メダルを取った円谷選手の事です。
彼はオリンピックの数年後に、「自分はもう走れない！」という内容の遺書を残して自殺してしまいました。

その遺書は公開されて、一般の人たちの目にも触れる事になりましたが、一見「詩」のように書かれていて、それを読んだ小説家の川端康成が、「美しい!」と褒め称えているのを雑誌で読んだ事があります。

円谷選手に「作詞」の才能があったのか、それともなかったのかは分かりませんが、その当時の印象では、普段詩などを書かないスポーツ選手が、死の間際に自分の本心を素直に正直にさらけ出した事に対して、読む者に何かしらの感動を与えたのではないかという気がしました。

私が常に自分に言い聞かせている事があります。

人が「感動」するというのは、「技術的な上手さ」に感動するのではない。
「文は人なり」・・・
「技術」に感動するのではなく、その人の持っている美しい「心」と「行動」に感動するのだと・・・。

例え技術的には未熟であっても、オリジナリティーのある、自分の善さを素直にさらけ出したものであれば、人は感動するのではないかと・・・。

今日はこんな話になってしまいました。
お退屈さま・・・。