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野坂昭如は1931(昭和6)年に誕生、2015(平成27)年に85歳で逝去した。
生誕から2001年までの彼の略年譜、代表作品などが以下のサイトにある。
ただ、略年譜は2001年までで終わり、その後はメンテナンスされていない。
彼の体調が悪くなり、表舞台に出なくなったからだろう。
彼は、2003(平成15)年に脳梗塞で倒れ、その後リハビリ生活を続ける。
そして2015(平成27)年、85歳の生涯を閉じた。
時を遡って1962(昭和37)年。
野坂は、32歳の時、タカラジェンヌの藍葉子(本名・野村暘子)と結婚した。
その女性が「二人の女性」のうちの一人である。
彼女、野坂陽子は、私が知る限り本を2冊書いている。
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2018年発行(連載初出は1963年) 2012年発行
野坂陽子は文章が上手い。戯作精神も夫から引継いでるのか・・・笑える!
陽子は、昭如が自分の素顔を曝け出せる唯一の女性だったとも思える。
私が要約しても、その佳さは伝わらない。是非、自分の眼で読んで欲しい。
Amzon primeだとKindle版で読める。(ただし、有料:2冊で2千円弱)
この本から私が初めて知ったことも多い。
野坂は、杉並文化村の初代村長だったそうだ。(実在する村ではない)
その文化村の記念行事に野坂夫妻が揃って出席している。
杉並文化村イベントちらし(拡大可能)
ここで二人目の女性が登場する。その君の名は「檀ふみ」。
御存知の方も多いだろうが、作家「檀一雄」の娘である。
陽子の「うそつき」には、イベントとの話と共に、
檀ふみが「野坂昭如を守る会」の会長(自称)であることも描かれている。
蛙の娘は蛙? 檀ふみも何冊か本を書いているので、そのうち読んで見たい。
さて、このシリーズの主役は坂口安吾である。
その安吾と野坂は直接の面識があったのだろうか?
野坂陽子の作品には、三島由紀夫は出て来るが、安吾は登場しない。
檀ふみが出て来るのに、檀一雄は出て来ない。「火宅の人」の影響か?
野坂が安吾と面識があったかどうかはこれからも調べてゆくつもり。
ただ、大きな影響を受けていることは間違いない。
野坂は、坂口安吾選集全12巻の編集を担当、全巻に「解説」を書いている。
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檀や野坂の作品の著作権がフリーになるのは未だだいぶ先になる。
安吾は一時期、上石神井の檀の家に三千代夫人共々居候をしていた。
その頃、檀と編集者の三人で埼玉県の高麗神社を訪ねている。
安吾の古代史などへの知識が生半可でないことがよくわかる。
また、生粋の日本人(独人でも仏人その他も)がいるわけではない・・・。
堕落論と同じ世界がここでも息づいているように思われる。
さて、野坂の事、今日で一区切りとする。
明日またお会いしましょう。
[Rosey]