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第8回焼成会は夢宇窯の里がイチョウの葉で黄色に染まる11月末に行いました。
築炉から10回目の焼成を迎えます。今回の焼成は備前焼を主目的に、しかも、初めての48時間に挑戦しました。
折角、薪焼成のイッテコイ窯があるのですから、そろそろこの窯で満足な成果を得たいところです。
回を重ねるごとに、少しずつ窯の性質がつかめかけてきました。今回は、どれほどの力を発揮してくれるのか、期待一杯の焼成会です。
一日目は、緋だすきやぼたもち、灰釉の吹付、釉薬掛けなど、窯入れの準備で夕方までかかりました。
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夕方、火入れを行い焼成開始です。
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翌日、10時間後の朝には1000℃になりました。12時間1000℃をキープし、それから12時間かけゆっくりと1215℃まで昇温しました。
それから9時間キープして、予定より4時間早めの火入れから44時間後に窯を閉めました。
今回の焼成は、これまでの薪くべのリズムと異なり、余裕をもって窯の状態と会話しながら進められたと感じます。
必死で薪をくべ、それでもなかなか思うように温度が上がらず格闘したこれまでとは、明らかに違った感覚の焼成でした。
参加者の皆が同様に感じた窯焚きでした。
二日目の夕方、明るい内の終了を迎え、ゆっくり夕食を楽しむことができました。窯開きに期待が高まります。、
三日目は休息日、ちょっと遠出のドライブ、生憎の寒さと小雨でしたが松江の出西窯まで出かけました。
翌日最終日は、朝から窯出しです。寒さもあってか窯も100℃以下に下がっています。
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さてさて作品はどうでしょう。
焼は、やはり悪くありません。備前土の焼きは、自然釉もかかり良いようです。信楽土の焼き直し作品は、深みのある焼に仕上がっています。
残念なのは、いくつかの作品にぶくが出たことです。今回と同様の昇温でぶくの経験はなかったので不可解です。
解決の方法は、ただ一つゆっくり温度を上げることなのですが、やっぱり不可解です。
何故なら、事前に電気窯で同様な昇温速度で高温素焼きの作品はぶくが出ていないのです。通常の素焼き作品にぶくが発生したのです。
この違いは、何を意味するのでしょう。
やはり、温度計の変化には表れない、高温の炎がその作品に影響したのでしょうか。
窯焚きは、本当に何が起こるかわかりません。