Blogアトリエ陶夢 <夢宇窯>

アトリエ陶夢の作品や活動紹介、各種陶芸活動、陶の郷づくりを掲載します。

制作シリーズ④ ― 手ろくろで水引き

2020年05月31日 | アトリエ陶夢
  茶碗をつくろう 
  
 陶芸を始めるとまず、ひもづくりを教わります。でも、轆轤で水引きを教わることはまずありません。
誰しもが轆轤をやってみたいと思うのになかなかその道に進めません。
私が、陶芸を学び始めた教室では、初歩の段階から手ろくろで水引きの仕方を教わりました。
何も特別なものではありません。
電動ろくろ水引きの技術習得の一歩となるものであり、手ろくろづくりである故のブレが味わいともなる制作方法の一つでもあるように思います。
電動回しでなく手回しでおこなうことの違いだけですが、支持手の不安定さが生み出す面白さが味わえます。

 今回は、手ろくろ水引きで茶碗を作ってみました。
まず、粘土をろくろの中心に置き、水をつけ粘土に手を添えて回転をさせ、中心をとる。
 

 
 親指を中心に押し込みながら同時に、親指と人差し指の隙間を狭めながら引き上げていく。



 人差し指を支えに固定しながら、親指の内腹を使って少しずつ力を加え、粘土を引き上げていく。



 口を糸切して整える。牛革でなめす。


 底の水分をスポンジで取り去る。  底を糸切して終了。


 少し乾いてから高台を削り出します。
 
 

 完成!

制作シリーズ ③  抹茶碗をつくる

2020年05月16日 | アトリエ陶夢
 今回は制作シリーズ第3弾 、「抹茶碗を手びねりでつくる」です。
焼き締め用にいくつかを作ってみました。その制作過程を写真で紹介します。
誰もが作る方法ですから、特別なものでもありません。

  

2cm厚で直径10cmの粘土の塊を作る。

  

抹茶碗のたまりの部分から茶碗の底面の形状を掘り出す。今回は、初めに内部の底の部分を成形することにした。

 

親指大の太さの粘土ひもを一周ごと積み上げていく。厚さを整えながら丁寧に積み上げていく。
 
  

予定の高さまで積み上げたら、口を切り揃えて整える。

 

高台部分の余分な土を取り除き、糸切りして削りのできる硬さまで乾燥する。

  

高台を竹べらで削り出す。厚さを整えながら全体を削り整える。
完成! 



素焼した作品。焼き締めの予定。

陶芸用具づくり その2(茶こしポンス)

2020年05月08日 | アトリエ陶夢
急須用の茶こしポンスづくり



 急須作りで必要なものは、茶葉の排出を止める茶こしの穴あけ。
ここで必要なものは、穴あけ道具、ポンスです。
この原型は、北海道の陶芸家、橋本忍さんの制作です。
ユーチューブで紹介していたものを、参考に少し改良?
このポンスの特徴は、ポンスに詰まった粘土を押し出す仕組みです。
ボールペンを押し出す仕組みの応用です。
 では、順を追って紹介します。

 

 左から、材料、二本の太さの違う3mm(ポンス役)と2mmの(ピストン役)のパイプ(ステンレスor 真鍮など)
 使用したものは、外径3.1×内径2.5  と外径2.1×内径1.5  
 出来上がりまでの4過程です。
 
まずは、所定の長さにパイプカット。



パイプカッターでポンスの長さ、60mmとピストン側90mmにカット。バイス(万力)があれば固定されて作業しやすい。



不要ボールペンの中に使用しているスプリングを取り出し、ポンス側とスプリングのハンダ付け
同様に、ピストン側とスプリングをハンダ付けする。
注意点は、ピストン側とポンス側の押し出しのバランスと位置止めです。

 

3過程目が終了です。
後は、にぎり部分の補修と押し出し部分の補強です。
ボールペンのにぎり材などを利用、パテを詰めて固定。



完成です。

 


陶芸便利用具づくり その1  

2020年05月07日 | アトリエ陶夢
 等分割シートを作る
  不可解な出来事との遭遇!  
 
ゴムシートを使って等分割器を作りました。
このゴムシートは、「シッタイラーズ」という商品の代用として自作したものです。
シッタがなくても作品の削りがこのゴムシートの上で滑らず可能であることからつけられた名前のようです。
でも、その商品はネットで探しても見つかりません。
 そこでホームセンターに出かけゴム板を購入3mm厚、轆轤の大きさに合わせてカットして出来上がり。

  

これでは芸がないので裏面を等分割シートにしました。
 全円分度器を使って3,5,6,9,18分割を白マジックペンで引きました。

  

 実は、この作業をしていてある不可解な出来事に遭遇しました。
20数年前に購入した25cm直径の手ろくろの三等分線を調べてみると、ナントその一本の線が基線から120℃ではなく少しずれています。
何度計りなおしてみても結果は変わりません。

  

 陶芸を始めたころ初めてネットで購入した手ろくろは、実は製品不良のまがい物だったことになります。
鋳型で大量制作のはず、同様の製品が出回っているはず。
それより、何度も三等分割をして制作したものが実は、正確な等分では無かったということ、
何も気づかなかった事実に驚き!