Blogアトリエ陶夢 <夢宇窯>

アトリエ陶夢の作品や活動紹介、各種陶芸活動、陶の郷づくりを掲載します。

トレインキルンを造るーその構造と特徴

2024年09月01日 | 夢宇窯と焼成

         トレインキルン Train kiln を造る     アトリエ陶夢 2024,02,02

 アメリカの平地窯、トレインキルンとの出会いは県立信楽陶芸の森で行われたトレインキルン築窯講座に参加したことによるものだった。この講座は、信楽陶芸作家 篠原希氏がアメリカの窯「トレインキルン」を日本にも紹介したいとの思いから設定されたものだ。

 篠原氏は以前、陶芸の森の交流事業でカリフォルニア州スタンフォード大学に行く機会を得、現地の窯の視察と焼成を体験してこられたようだ。この時知り合ったHideo Mabuchi氏やトレインキルンの設計者のジャン二―リー氏の協力によって、講座のための窯が用意された。                                                                        

   Train kilnの構造と特徴

<アメリカのトレインキルンと焼成の仕組み> 

   

 日本の穴窯とTrain kilnの違いは、薪を焚く場所(ファイヤーボックス)という燃焼室を独立させているところにある。其の構造によって燃焼室から完全燃焼された強い炎が押し出される。穴窯の場合は、場所による炎の違いが大きいこともあり、窯焚きの技術が求められる面が大きい。薪の種類や太さ、薪投入の仕方などなど窯の性質に合わせた焼成の技術が必要となっている。その点Train kilnは、燃焼室で作られた強い炎がターボの様に送り出される為、誰が焚いても何を焚いても一定の焼き上がりが可能で合理的な窯だと篠原氏は話す。

 焼成は工夫により変化を付けられそうである。窯の構造から基本、酸化炎の強い焼き締め焼成が考えられる。そして横穴から薪投入することや空気穴の調整で中性炎から還元炎への変化を楽しめそうだ。更に炭の投入による炭化焼成や冷却還元焼成など幾つかの焼成方法が楽しめると想像する。

 夢宇窯 Train kiln の築窯過程写真

 夢宇窯Train kilnは、篠原氏の築窯講座で使用された設計を基に焼成室の長さを短く修正したものだ。

    

     

 

 

 


トレインキルンー初窯焼成に向けて

2024年04月27日 | 夢宇窯と焼成

<トレインキルン窯完成からその後>

1月末 窯完成‼ アングルもガッチリです。

 

その後2月に入り御祈祷をお願いし、火入れをしました。

  

 とりあえず準備はできたように思うのですが、焼成に向けてはまだまだ不安な点が残っています。そこで、まずは焼成に向けての準備をしました。本格始動までには、何回かの試し焼成が必要です。

 窯にはそれぞれ癖があります。この窯の構造からくる焼成の状態を早く掴まなければなりません。その為には何度かの焼成でその性格を知ることが課題です。

 昇温の状態や空気の取り入れ方、排煙量の調整など分からないことが多々あります。それらのデータを得ることからの出発です。

 第一回焼成を実施

 3月21日~24日に第一回目の焼成会を行いました。2月の作陶会を経て河童の会焼成です。

   

   

 これまでのイッテコイ窯での経験では、良好な焼き締めを得る為には30~40時間の焼成が必要として計画をしたのですが、いくつかの問題発生で変更を余儀なくされました。

 試焼成で表面化した問題❕

➀イッテコイ窯と違って、焼成室が縦長構造の為前後の温度を確認しながら焼成を進める必要があり当然熱電対は二か所必要となるのだが、一本しか用意ができていなかった為前後の温度変化を記録できず特に、後部の昇温調整の為の横差しの量やタイミングが取れなくて効果的な温度上昇が図れなかった。

②スライドドアの不具合の出現、二か所。高温に伴いアングルの鉄及びタイルが膨張しスライドができなくなったこと。

③焼成室の蓋部分の耐熱の課題はあったものの、耐火断熱レンガとファイバーシートで可能と考え対処したのだが、十分な断熱が得られなかったので改善が必要となった。

 焼成方法の課題❕

 これらの問題発生と共に、焼成方法の課題が浮き彫りとなった。

 その1、横差し用の薪の量をもっと増やす必要や投入薪量の調整も課題となった。残念ながら、今回の焼成からは得られたものが少ないが、焼成室前部の温度上昇は予想を超えて速く、15時間で1300度を上回る昇温が得られること、3時間後には後部においても1250度の温度が確保できたことから昇温のみにおいては課題はクリアーできそうだが前後の温度調整や薪投入のタイミングや量などどのようにするのが一番効果的かを見極めることが必要だ。

 その2、今回は昇温の状態を確認することが主であったが、今後は昇温と合わせて酸化傾向の強い雰囲気をどう還元雰囲気の傾向に向けられるか、その焼成方法を見つけることだと思われる。まずは、通常の中性炎傾向の焼成を引き出せる操作を見つけることに集中したい。沢山の空気穴やダンパーの開閉の働きを体得することが急務である。

 


トレインキルン 窯作りの道⑦ 完成編

2023年11月19日 | 夢宇窯と焼成

窯づくり再開から完成へ

 窯追加レンガ購入のために中断していた窯づくりを再開しました。追加レンガ700個が配送されたのが先月末31日、草刈り作業が一段落してから窯作業に入りました。

   

前回までの進捗は、本体(焼成室)の高さでの積み上げで終わっていました。

 

5月から半年ぶりの作業です。レンガ不足が作業遅れの原因でもあるのですが、それに加え今年の暑さが意欲減退を引き起こしました。

レンガ到着から二日目、いよいよ作業に入ります。

前回の仮積みのレンガから、モルタルで接着し積み上げていきます。

 

焼成室中央部分は最上段迄積み上がりました。レンガ12段です。次は前方部分の薪燃焼室の制作です。更に10段積み上げます。

 

薪投入口や六個の空気穴を確保しながら、積み上げていきます。予定の高さまで積み上がりました。後は、煙突の積み上げです。

 

本体の積み上げでは、水平は水準器で確認しながらレンガを積めますが、垂直は気を付けないと歪みが出やすいので注意が要ります。その為、補助材で目安を作っておくのが通常ですが、本体部分では、水準器のみで垂直を確認しながら積み上げました。

しかし、煙突は高さがあり誤差が積み上がり歪みが大きくなることを考慮して補助板で垂直を確認しながら積み上げました。ある程度の高さが取れた後は旧窯のアングルを再利用して組み立てアングルに沿って積み上げました。

追加分のレンガも使い果たして一応の完成としました。煙突の高さが少し足りないかもしれません。後5段程積み上げたいところですが使い切りました。其の上に、時間切れとなりました。二週間の集中作業で何とか完成に近づけました。後は、アングルと雨よけ屋根づくりです。

とりあえず、トレインキルンの制作終了とします。

 


トレインキルン 窯づくりの道⑥

2023年05月19日 | 夢宇窯と焼成

 2月から本格的な築窯が始まってから4か月が経過しました。

今回は、5月5日からの夢宇窯作業となります。

メインは草刈ですが、雨の合間に3日ほど窯づくり作業もできました。

 窯場周辺や母屋周辺の草刈や草抜きから始めました。

 窯づくりは、前回の続きで本体部分のレンガ積みを進めました。

今回は9段目からの横差し穴と色見穴を含むレンガ積みが主な作業となりました。

レンガ幅の調整のためのレンガのカット作業に時間を要します。

残りのレンガを使い果たし、11段目本体最上段のレンガ積みまで ほぼ到達しました。

   

左写真 後方の排煙部です。この上に高さ3.5メートルほどの煙突が乗ります。

右写真 前方の焚口を含む箱形の燃焼室がレンガ10段積みで作られます。

追加煉瓦は、700個ほど必要となりそうです。

イッテコイ窯に比べると、意外と大きな窯になりそうです。

効率的なイッテコイ窯と比べて熱効率はどうでしょうか?

焼成室部分の広さは、棚板の広さに換算してほぼ同じ位です。

まだまだ完成には程遠いのに、焼成が益々楽しみになります。

 

 


トレインキルン 窯づくりの道⑤

2023年04月16日 | 夢宇窯と焼成

窯レンガの積み上げ進む

 桜満開の4月1日から12日間、夢宇窯の里に築窯作業に行って来ました。

前回、三段ほどレンガ積みして終了でした。

今回はその続きで八段ほど積み上げました。

   

今回は、燃焼部分の空気取り入れ口 四段の階段状になった変わった形状のレンガ組が仕上がりました。

同時に、焚口の支えとなるアーチの制作がメインの作業になります。

この窯は、焼成部屋の長方形の胴体の前後に薪燃焼室と穴窯の捨て間にあたる排煙室と煙突がくっついている形状です。

トレインキルンと名のごとく機関車の形です。

作業の山場は、それぞれの部屋の仕切りにあたる部分の制作となりました。

     

燃焼室の下部十段と焼成室は八段が積み上がりました。

焼成室はあと四段で積み上げは終わります。 

しかし、レンガが後百個余りとなり追加が必要となりました。調達のめどが立てば次の作業が出来ます。

中古レンガでも手に入ればいいのだけれど……。

暫く休憩となりそうです。

窯場の上には、満開の桜が陽の光をうけて輝いています。

 

今頃は、葉桜になっていることでしょう。

 

 

 

 

 


トレインキルン 窯づくりの道④ 

2023年03月01日 | 夢宇窯と焼成

 ブロック積み上げ作業開始

2月前期作業でコンクリート基礎が完成しました。

後期18日から26日の間は、レンガの積み上げをしました。

コンクリートの基礎の上には、まず、12センチ厚のブロックレンガを55個並べます。

 

其の上に、いよいよ耐火煉瓦を並べていきます。

旧窯の基礎レンガ部分には、8丁レンガを敷き詰めていました。

そのレンガや他に6丁レンガ、不足部分には普通レンガを代用して窯底に並べました。

  

 

窯底部分のレンガ敷きが終わると次は本格的な窯レンガ積み作業の開始です。

 

1段目2段目と仮積みをしては様子をみて、目地止めをしていきます。

水平を取りながらの作業でゆっくりですが少しずつ作業は進みます。

今回は、2段目の途中で作業中断となりました。次回の作業の仮積みをして終了です。

<トレインキルンの全体設計図>

 信楽「陶芸の森」でのトレインキルン築窯講座で篠原希さんから提供された基本設計図を基に、焼成室の長さを2/3縮小を含め多少の変更を加えています。

 窯レンガ積みの作業で使用する主な道具です。

 


トレインキルン 窯づくりの道③ー基礎づくり

2023年02月13日 | 夢宇窯と焼成

 昨年末、旧窯の解体を終え新窯づくりがやっとできます。🐰年の最初の仕事は、窯の基礎作りです。

旧窯より倍近い長さのため、サイズを前後に拡張する必要があります。

窯設置部の整地から、コンクリート基礎の枠づくり、コンクリート資材の調達から始めます。

今回のコンクリート基礎作りでは、ポルトランドセメント4袋、砂、砂利を使用しました。

コンクリートづくり作業は資材の運搬から練りを全て自前でやったため、すべての作業に4日間を要しました。

 写真は拡張部分の底半分にコンクリートを詰めたところです。その後、上部半分にもコンクリート詰め完成となりました。

予定では、基礎の上にブロックを55個を並べて敷き詰めるところでした。しかし、ブロックが週末になっても届きません。ブロックの設置は次回に繰越です。

 

 ブロックの入荷遅れのため、夢宇窯の里での作業に余裕の時間ができました。

その為、梅の剪定、切り干し大根づくり、それに久しぶりの作陶ができました。

畑には、この寒さにも耐えてた残りの大根が数本残っています。

さすがに地上に出た青首の部分は痛みかけているものの地下部分はまだ健在です。

なので、半月の薄切りで干し大根にしました。

 作陶は、珈琲マグカップと皿づくりです。

次回からいよい築窯作業に入ります。

 


トレインキルン窯づくりの道ー解体作業その2

2022年12月13日 | 夢宇窯と焼成

イッテコイ窯の解体作業も終盤を迎えます。

11月の作業から2週間ぶりです。今回は、解体完了を目指します。

 

 煙突部分が残っていた前回からは大きく姿を変えて、その面影はもうありません。今回一日目の作業状況です。解体といってもレンガは再利用ですから、一つ一つのレンガをはがし、硬化した目地やバリを取り除く作業に時間を要します。燃焼室の内部は、薪の燃焼によって灰が釉になりガラス化しています。

 

道具を持つ手も、年と共に関節に負担を掛けすぎ炎症をおこしています。握力も減少!レンガの重さが関節に響きます。

それでも新しい窯への期待と楽しみが原動力となります。あと十年の活動の武器となるであろう新窯づくりに前進!

   

三日目で敷き詰めた八丁レンガを取り除くことが出来ました。

終了です!思ったよりスムーズにあまり時間を使わずに作業が終了しました。小屋の中はレンガでいっぱいです。

 

これからは、新窯づくりの作業に入ります。次回につづく

 


トレインキルン窯づくりの道!ーその1解体作業

2022年11月27日 | 夢宇窯と焼成

イッテコイ窯解体作業開始!

1回目の窯の解体作業を始めたのが8月末でした。

解体前の全貌です。つぶすのはもったいないなーの思いですが……

アーチ部分から解体を始めます。

 

 

 レンガの積み上げは時間もかかり大変だったのに、つぶすのは早いものです。でも、焼成内部のレンガは灰の釉化によって表面がガラス化し固まっています。再利用のための掃除が大変です。ここまでで前回は終了です。

 9月、10月と二度アトリエに滞在できたのですが、田畑の除草作業に日を取られ窯作業はできませんでした。

今月は12日から二週間の滞在中にじっくり作業が出来ると期待するも作業日数はたったの二日間でした。築窯作業まではなかなか道のり遠しです。でもこれからは冬場で除草の心配はありせん。

 今回は、煙突の解体から始めました。

 

小屋天井に突き出ていた煙突を取り除きました。

今回はここまでで終了です。次回は12月に入ってからです。

年明け1月からは、トレインキルン窯の基礎作りに入れそうです。

 

 


備前緋襷焼成の試み

2022年05月05日 | 夢宇窯と焼成

はじめに

備前土の焼締陶では、ご存じの通り穴窯、のぼり窯による薪焼成と電気窯による緋襷焼成があります。今回は、電気窯により還元を掛けての緋襷焼成に挑戦します。穴窯薪焼成でも、さやを使用することで還元雰囲気の中で緋襷を作り出す裏技もあります。また、電気窯でも還元焼成をを掛けることで表情に変化や深みを加えることもできます。酸化もしくは還元による緋襷焼成を行うことが可能な焼成です。

電気窯による備前緋襷の焼成方法

➀ 焼成の問題点

 焼成は、ゆっくり時間をかけて昇温するのが理想なのですが、短時間でどれほどの焼きが可能かを求めます。できれば最低48時間が求められると所説言われますが、私は、24時間焼成の経験しかありません。薪窯焼成では、44時間焼成を行いましたが、やはり、自然釉のかかり具合の違いや炎の変化で表情の違いがでて、深みがあり良い感じに焼き上がりました。

 焼成に時間をかける理由には、備前土はきめが細かく耐火が弱いため亀裂も起こり安いことが挙げられます。また、ゆっくり昇温しないと、素地の焼け締まりに伴って発生するガスを外に排出できないまま内部で溜まり「ぶく」となる可能性が大きいことです。特に350℃までの湿気の発生時の換気と260℃から300℃ぐらいまでに起こり安い亀裂を避けるためには、ゆっくり昇温することが必要とされています。電気窯の場合は、安定した昇温ですからさほど心配する必要はないようです。ただ焼くということならば実際に自動設定の素焼きや本焼きパターンで焼成も無謀ですが可能です。やはり、焼きの深みや鮮明な緋だすきを追求するとなると、時間をかけた焼成は必須なのかもしれません。

 備前作家 山本雄一 「備前焼の技法」によると電気窯での焼成時間は最低で48時間、最高は72時間、緋だすきの最高温度は1215℃にしているとのことです。また、《色を鮮やかにするためガスバーナーを下の口から入れ、300℃までと1000℃から再びガスを併用し焼きあがる30分前にガスを止める》とあります。

今回はこの実例を参考に36時間焼成に挑戦してみました。

昇温は450℃までを17時間で、それから11時間で1175℃、そして、5時間で1215℃まで、3時間キープで終了の流れです。ガス投入は、初めから300℃までは、割愛しました。何故なら、バーナーの温度がどう考えても26,5℃/hを超える高い熱量になりそうで不安を感じたからです。

バーナー投入以外は、自動設定ですから問題はありません。1000℃から弱還元で焼成を進めました。

 

 

 写真の様に、土の違いでやや肌色具合が違いますが、緋襷はまずまずかかっています。掛け方をもっと工夫する必要があります。

 また、表面に艶が感じられません。これは土の関係か、還元の関係か、それとも時間の掛け具合なのか藁の関係か定かでありません。

次回は、焼成時間を上げることや還元の掛け具合の変化で調子の違いを探ってみたいと思います。


「夢宇窯焼成」 第9回 河童の会

2020年12月10日 | 夢宇窯と焼成
  夢宇窯の限界に挑戦! 
 <窯焚き>

 先月11月26日から夢宇窯焼成を行った。
今回は、コロナ禍の中の焼成であり、最少人数の二人窯焚きとなった。
 
 前回までの焼成は、会員5人のローテーションで焼成作業をしてきた。
今回は、二人窯焚きとなったため、作業負担が大きくなることが予想された。
 また、前回は備前土の作品を中心としたため温度の上げ方が緩やかであったが、
今回は、信楽土の焼き締め陶である事から昇温の苦労も予測される。

 今回の焼成のねらいは、40時間の焼成時間で信楽穴窯作品に近づけるかである。
イッテコイ窯で焼成時間1/2というハンディーで 信楽焼に挑戦することで窯の限界と可能性を見つけられればと思う。

 昼からとなった窯入れ作業は、やはり、予定時間より3時間の遅れとなった。
火入れをした後、本格焼成に向け夕食で乾杯!
 6時間交代のローテーションで一人窯焚きの開始です。

 22時からの開始となり300℃までは6時間 50℃/h平均の昇温で相方のⅯさんが担当。
朝方4時、3時間余りの仮眠にて交代する。
 交代時300℃、窯はまだ外まで温かさが伝わってこない。外気も下がり寒さも身に染みてくる。

 一人窯焚きは今回で2度目
窯温度の上り下がりの変化を読みながら、1時間後の目標温度に狙いをつけて薪を投入します。

 薪投入と共に気持ち良い燃焼。

 

 300℃から900℃までは100℃/h以内で徐々に上げていき、11時間で900℃に到達となりました。

 

その後900℃より攻めに入り、60℃/h以下の緩やかな昇温にして 16時間後1200℃まで到達!

 


以後、1250℃前後の温度をを時間をかけて引っ張ることで灰のかかりを意識した。
以下のグラフが焼成結果です。

 
40時間焼成は、二日後28日の午後2時にて終了!
勿論、打ち上げはおいしいビールとお刺身、鳥料理でした。

 <窯出し作品>

一日開けた30日の朝には、150度に温度は下がり窯出しが可能となった。











 
 

第8回 河童の会

2019年12月15日 | 夢宇窯と焼成


 第8回焼成会は夢宇窯の里がイチョウの葉で黄色に染まる11月末に行いました。
築炉から10回目の焼成を迎えます。今回の焼成は備前焼を主目的に、しかも、初めての48時間に挑戦しました。
折角、薪焼成のイッテコイ窯があるのですから、そろそろこの窯で満足な成果を得たいところです。
回を重ねるごとに、少しずつ窯の性質がつかめかけてきました。今回は、どれほどの力を発揮してくれるのか、期待一杯の焼成会です。

一日目は、緋だすきやぼたもち、灰釉の吹付、釉薬掛けなど、窯入れの準備で夕方までかかりました。

 


夕方、火入れを行い焼成開始です。

   

翌日、10時間後の朝には1000℃になりました。12時間1000℃をキープし、それから12時間かけゆっくりと1215℃まで昇温しました。
それから9時間キープして、予定より4時間早めの火入れから44時間後に窯を閉めました。

今回の焼成は、これまでの薪くべのリズムと異なり、余裕をもって窯の状態と会話しながら進められたと感じます。
必死で薪をくべ、それでもなかなか思うように温度が上がらず格闘したこれまでとは、明らかに違った感覚の焼成でした。
参加者の皆が同様に感じた窯焚きでした。
二日目の夕方、明るい内の終了を迎え、ゆっくり夕食を楽しむことができました。窯開きに期待が高まります。、

三日目は休息日、ちょっと遠出のドライブ、生憎の寒さと小雨でしたが松江の出西窯まで出かけました。

翌日最終日は、朝から窯出しです。寒さもあってか窯も100℃以下に下がっています。

            

さてさて作品はどうでしょう。
焼は、やはり悪くありません。備前土の焼きは、自然釉もかかり良いようです。信楽土の焼き直し作品は、深みのある焼に仕上がっています。
残念なのは、いくつかの作品にぶくが出たことです。今回と同様の昇温でぶくの経験はなかったので不可解です。
解決の方法は、ただ一つゆっくり温度を上げることなのですが、やっぱり不可解です。
何故なら、事前に電気窯で同様な昇温速度で高温素焼きの作品はぶくが出ていないのです。通常の素焼き作品にぶくが発生したのです。
この違いは、何を意味するのでしょう。
やはり、温度計の変化には表れない、高温の炎がその作品に影響したのでしょうか。

窯焚きは、本当に何が起こるかわかりません。

第7回 河童の会

2019年06月14日 | 夢宇窯と焼成
 第7回、薪焼成会を開く! 
 
  先月末、夢宇窯の里で薪焼成を行った。
 河童の会による夢宇窯(イッテコイ薪窯)の焼成も7回目を数える。
 今回の焼成結果は、これまでの焼成状態に比べて大変良い結果が得られたのではないかと思う。
 焼成担当の変わり目の温度低下もなく、順調な昇温となった。
 1150℃~1250℃の自然釉の定着域の時間確保もこれまでの焼成より良好だった。
 今回は、26時間焼成、13時間で1200℃ 以後13時間を1250℃前後の温度域で確保できた。
 松の割木確保が難しくなり今回はヒノキの割り木を併用した。
 ヒノキの燃焼は悪くはないが、松に比べ持ちがよくない。
 燠が溜まりすぎない点では焼成室の狭いイッテコイの窯には都合がよい。
 窯焚きの状態に合わせて使用を工夫することで活用できることが分かった。
   
        
   

2019年初窯開き

2019年01月06日 | 夢宇窯と焼成
 おめでとうございます。本年もよろしくお願いします

 今年は、年男です。12年前退職後に造形芸大での本格的な学びから始まった陶芸を通じた多くの人との出会いは、思いがけない展開と共に本当に充実した12年間となりました。節目を迎えた今年、改めてこのことに感謝の気持ちを強くしています。
 さてさて、これからの12年間が陶芸活動の最終期となるのではと想像します。陶芸仲間と共に楽しくそして、新たな活動の展開となることを望んでいます。皆様よろしくお願いします。
 
 夢宇窯の里での正月三が日に、昨年暮れまでに造りためていた緋襷作品を焼成しました。
主に、しのはら土と備前土の作品です。
 
    

 枯渇し始めた感覚を叩きたたき乍らに、作品づくりに励みたいと思います。今年もよろしくお願いいたします。

夢宇窯を焚く ― 第6回                

2018年12月10日 | 夢宇窯と焼成
  イッテコイ窯(夢宇窯)、再びの焼成!
 
 河童の会での第5回目の焼成に失敗したのが4月でした。
 大失敗の末のリベンジ焼成の会です。
今回は、失敗ができないのは勿論、前回1200℃を確保できなかった原因を突き詰める必要があります。
 朝、10時メンバーがいつものように集合しました。早速に作品を荷解きし窯入れの準備です。
昼は、購入持参いただいた恒例の岡山のまつり寿司弁当を頂きながら、焼成の話題に花が咲く。

 あっという間に時間が過ぎ、急ぎ窯入れ作業を開始する。
前回の焼き直し作品をはじめ、釉掛けものや焼き締めを順次棚置きしていく。

    

 18時半に火入れ 5時間 400℃の炙り 15時間後 1300℃という理想的な昇温を目指して焼成開始です。

  

 よく朝7時、12時間後1000℃で二度目の停滞期がやってきました。一度目は800℃で2時間、合わせて4時間の遅れが発生しました。その後は順調に昇温でき、18時間で1307℃に到達しました。まずまずの昇温と1250℃域の時間確保ができたと考えられます。
 
  

窯締めの前には、少し多めの薪を投入し完全燃焼させました。30分ほどでほぼ燃焼が完了し急冷で1000℃まで下がり窯を閉めました。

 疲れはピークでしたが快い疲れで、夕食では美味しいワインで乾杯! 焼成談議は遅くまで続きました。

 翌日は、鳥取の民芸「牛の戸焼」を訪問し、二日後の窯出しを待ちます。
 
 四日目の早朝には、200℃を割り朝食後には窯出しが可能です。

 いよいよ窯出し、口を開けるとその成果が見えてきます。少し焼け過ぎの気配。

         
 今回も少し欲張りな焼成をしたことが反省に上がります。
信楽、備前、釉掛けものと多種の焼成を同時には所詮無理が生じます。次回からは、狙いを定め目的に合った焼成時間や温度を設定することで窯の特性を生かしたいと考えます。

 それにしても、薪焼成窯だきはますます魅力が深まります。夢宇窯の作品発表を目標にみんなと作品づくりを頑張りたいものです。