またたび

どこかに住んでいる太っちょのオジサンが見るためのブログ

耳と目を閉じ口をつぐんだ人間

2009-08-07 07:58:31 | 
「良いことも良くないこともあった。
 でもどんなことだって、すべては未来への糧になるんだと俺は思っています。」
                   中田英寿(サッカー選手)




本は一度読んだらそれっきりですが、読み返したくなる本であげるとしたら
J・Dサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」だ。



純粋無垢な少年が大人の魑魅魍魎なる世界に対して、
自分がどう向き合っていくか、否定しながらもやがて自分もそこに染まっていく。
世の中への不満や間違いを見つけたとき、
見ず聞かず不平も言わずただ暮らすのか、或いはそれを自分から正そうとするか。

この本を読むと何かがへばりついたような錯覚に陥る。
「インチキ」
主人公が発するこの言葉の感覚はもう自分にはないかもしれません。


「僕が何になりたいか言ってやろうかな?
 なんでも好きなものになれる権利を神様の野郎がくれたとしてだよ」