【ドル円週間見通し】米大統領選、バイデン勝利ならドル押し上げの見方も
2020年11月1日 8:00

投資情報会社・フィスコが11月2日~11月6日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントが目白押しで、結果に振らされる展開となりそうだ。また、英国と欧州連合(EU)との通商交渉など米国以外の材料もかく乱要因となり、動向が注視される。11月3日投開票の米大統領選は、直前の世論調査で共和党候補のトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領を追う展開。ただ、選挙戦の最終盤になって激戦州ではトランプ氏が追い上げており、大接戦が予想される。日本時間の4日午後には大勢が判明する見込みだが、選挙結果の確定が遅れる可能性はあろう。
市場参加者の間では、両候補のどちらが勝っても株高となるが、ドル相場についてはやや見方が分かれており、バイデン候補の勝利なら大型投資の思惑から財政赤字拡大により長期金利が上昇し、ドルを押し上げるとの見方が多いようだ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は11月4-5日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算で、緩和的な政策スタンスを堅持するとみられる。
一方、欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化するなか、主要都市での制限措置で経済の早期回復期待は後退し、ユーロ圏諸国の株安や金利先安観の台頭が予想される。その際には安全通貨のドルや円が買われ、ドル円はレンジ相場となる可能性がある。
【米大統領選】(11月3日投票)
開票作業が順調に進めば日本時間11月4日午後にも大勢が判明するとみられるものの、大接戦で投票結果は遅れる可能性もある。開票作業が混乱に陥れば株安が予想されるが、結果判明の時点でリスク回避的な取引はひとまず縮小するとみられる。
【FOMC】(11月4-5日開催予定)
FRBは11月4-5日にFOMCを開催し、日本時間同6日4時からパウエルFRB議長が記者会見する。現行の金融政策維持が見込まれており、ハト派姿勢が強調された場合、ドル買い意欲を弱める要因となりうる。
【米・10月雇用統計】(11月6日発表予定)
11月6日発表の10月雇用統計は、失業率7.7%(前回7.9%)、非農業部門雇用者数は前月比+65.0万人(同+66.1万人)、平均時給は前年比+4.5%(同+4.7%)と予想されている。非農業部門雇用者数が予想以上に増加した場合、景気回復への期待でドル買いが強まる可能性がある。
・11月2-6日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(米)10月ISM製造業景況指数 2日(月)日本時間3日午前0時発表予定
・予想は、55.6
参考となる9月実績は55.4。8月実績の56.0を下回ったものの、経済活動の拡大によって製造業の景況感はまずまず良好だった。10月については、顧客在庫の縮小に対応するため、生産増加の可能性があることから、9月実績をやや上回る可能性がある。
○(米)大統領選挙 3日(火)大勢判明時刻は未定
・世論調査に基づく予想は、民主党バイデン候補が優勢
最新の世論調査に基づく分析によると獲得選挙人予想(270人が過半数)で民主党のバイデン候補はトランプ大統領を大きく上回っているもよう。ただし、7-9月期国内総生産(GDP)は予想を上回る高い伸びを記録、失業率は低下傾向にあることから、大統領選挙の結果については予断を許さない状況が直前まで続くとみられる。
○(米)FOMC会合 5日(木)日本時間6日午前4時結果判明
・予想は、金融政策の現状維持
前回のFOMC後に公表された声明では、インフレが一定期間2%を適度に上回ることを目標とし、それによって期間平均が2%となることを目指すとの見解が表明された。雇用の最大化も目標としている。今回は政策金利の現状維持が予想されているが、この2大目標を達成するために、必要に応じて追加緩和策が検討される見込み。
○(米)10月雇用統計 6日(金)午後10時30分発表予定
・予想は、非農業部門雇用者数は前月比+65万人、失業率は7.7%
参考となる9月実績は、非農業部門雇用者数は前月比+66.1万人、失業率は7.9%。10月については、9月18日週時点の新規失業保険申請件数が87.3万件と高い水準だったことやウイルスの感染流行が続いていることから、大幅な雇用増は期待できない。失業率はやや低下する見込みだが、当面は7%台にとどまる見込み。
○その他の主な経済指標の発表予定
・2日(月):(中)10月財新製造業購買担当者景気指数
・3日(火):(豪)豪準備銀行政策金利発表
・4日(水):(中)10月財新サービス業購買担当者景気指数、(米)9月貿易収支、(米)10月ADP雇用統計
・5日(木):(欧)9月ユーロ圏小売売上高、(英)英中央銀行MPC金融政策発表
・6日(金):(独)9月鉱工業生産、(加)10月失業率
【予想レンジ】
・103円00銭-107円00銭