Miyuki Museumブログ

主に絵画創作の発表や販売、作品展のお知らせについて綴っています
Miyuki Museumのひとりごと

荻原碌山 2

2010-10-28 | 美術番組
(Thu)
先日のブログの続き。
「碌山」の他の彫刻作品のコトも書き留めておきたいナって思ってanimal1

彫刻「労働者」。文展で入賞。
展覧会が終わると彫刻「労働者」の左腕、両足を切り落とす。
現在、切り落とされたまま展示されている。



画像を見るとその部分が「無」だけれど
その部分が存在しているかのように見えて
違和感のないバランス感覚の不思議さに圧倒されましたsymbol3


碌山は文覚上人の話を聞き、鎌倉へ「文覚上人荒行像」を見に行く。
後、彫刻「文覚」が誕生。



この彫刻の形相や筋肉の表現など、もう圧巻ですsymbol3

司会者の方々がこの作品を前にして
威圧感・貫禄・今にも噴火しそう、と感想を述べてました。

※文覚上人=人妻に恋した文覚は、思い余ってその夫を殺害しようとした。
      ところが誤って愛する人妻を殺してしまった。 
      それを悔い出家、僧になる。(wikipediaより)


「俺は頭が病んでいる。あるいは永久に治らぬかもしれない」と
友人に明かしてたそうな。
当時のスケッチブックには「絶望」の文字が。
彫刻「デスペア」の誕生。




そして、彫刻「女」について碌山美術館の仁科館長さんの解説で
「絶望と希望の融合」とお話されてた他に
グッとくるものがあったので書き留め。



「この作品はどこから見ても鋭角な直角三角形。
 下から螺旋状に上がっていき天井に突き抜ける感じ。
 膨らみ・窄み・膨らみ・窄み、光・陰・光・陰、とリズムを感じさせる」

絵に関しても大切な事だって思ってsymbol3

彫刻「女」の完成1ヶ月後にこの世を去りました。
碌山の死後、碌山の日記帳を燃やした黒光に非難の声もあったそう。

小説家の原田マハさんが
「黒光は碌山にとってファム・タール」と言ってたのも印象的。

「労働者」「文覚」「デスペア」「女」
これらの秀逸な作品が、わずか30歳までに制作されていることに
感嘆しましたyellow15
敬意を払いたいですkirakira

自分が小学生の時、将来の夢で彫刻家に憧れてた時期があったナって
思い出し…恐れ多ぃ!!ase2
彫刻の鑑賞、とってもスキclover

※ブログ内画像は安曇野市・碌山美術館・日曜美術館サイト様より
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