今回は、Pécs (ペーチ)の市街より南下し、クロアチア国境沿いに向かいます。
<百十六番札所; Pécs-Málom Szt. József (聖ヨージェフ)教会>
教会は、12世紀にロマネスク様式でまず、内陣の建屋が創設された。
(1) その時の物(ロマネスク)が残っているのは、南門、とその上の細長いスリット窓と
半円形の祭壇部分である。 (茶色壁の建物部分)
16世紀以降に改築または増築されたもの(白色壁の建物部分)
(2) ゴシック様式の内陣を西側に延長。 新しいゴシックの門を(上部がアーチ形)追加。
(3) バロック様式の平べったい塔を作った
19世紀(1840年)には、北側の建物部分を改築した。
中世の三つの建築様式(1)、(2)、(3)を巧みに組み合わせた、かわいい教会である。
北側は後に改築した(1840年) 南門、窓の建築様式比較も面白い。
祭壇側外観 内陣(祭壇側)
祭壇のフレスコ画は13世紀に、使者達をテーマに天井一面と祭壇の壁に描いた。
残念ながら、かなりの部分が判明できない保存状態である。
使者の絵(これが最も良い保存状態) 説教台
<百十七番札所; Túrony (トゥーロニ) カルビン派教会>
教会は、アールパード王朝時代のもので、今日では改革派(カルビン)の教会として使われている。
内陣(祭壇含む)は、14世紀にゴシック様式で建てられ、18世紀にバロック様式で再建された。
塔は1827年。 教会を改革派が使う時に 祭壇、壁画は何処かに処分したので、現在は祭壇内は
みすぼらしい限りである。 財政的に厳しく、現在、世界モニュメント復興事業団にサポートを申請中。
内陣(祭壇側)
内陣(入口側) 祭壇に調度品、壁画はなし。
<百十八番札所; Siklós vér Kapolna (シクローシュ城内礼拝堂>
13世紀に建てられた中世の古城の中に、興味深いフレスコ画が保存されている礼拝堂がある。
Garay (ガライ)城 礼拝堂の入口
祭壇(典型的なゴシック建築の天井である) 内陣内のアーチ形の支柱もゴシックの典型
かなり保存度の良いフレスコ画が内部に残っている。
<百十九番札所; Siklós Ference (シクローシュ・フェレンツェ)教会>
教会は、14世紀の初めに、アウグスティノ会の為に建てられたものを、のちにGaray家(城の所有者)
によって、1410年に改装された。 その際、ゴシック様式の祭壇にフレスコ画を飾った。
このフレスコ画が、なんと云っても一番の特徴であり、非常に保存度が良く、鮮明で、おそらく、国内随一
の美しいフレスコ画であろう。 祭壇以外の建屋は1700年代の初めにバロック様式で改築された。
北西からの眺め 北からの眺め
内陣(祭壇側) 祭壇の天井(ゴシック様式)
祭壇の窓を飾るフレスコ画 祭壇の右横のブースの中に描かれた使者達の絵
(真ん中が聖アウグスティヌス)
内陣(入口側)....バロック様式 説教台(ロココ様式)18世紀後半に改修
これで、「Pécs (ペーチ)郊外の教会(2)」はお終いです。
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