撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

ブダペストのカフェ文化(2)

2019-08-21 00:08:08 | 海外生活

前回の続きとして.....

3.カフェ復活時代(1956年頃~)

   1956年の「ハンガリー革命」の勃発を皮切りに東欧諸国も巻き込んだカフェ文化が復活し、

 1989年の東側の共産体制の崩壊に繋がった。 あの11月10日のベルリンの壁崩壊と東欧各国

 の民主化、いわゆる「東欧革命」が燃え広がったのであった。

 時期を同じくして、今まで躊躇っていたカフェもドンドン復活して来た。

   (..... このタイプは老舗のクラシックカフェというもので今回はここに焦点を当てている)

 その他に世界的なフランチャイズチェーン(コスタ、スターバックス等)の進出、又、こだわり

 を追求した個性路線のカフェと3つのタイプがあり、近年ではその数は数えきれない程の多さに

 なっている。

 <今回取り上げたカフェのロケーション>

  

 

 3-1. アストリア・カフェ (Astoria cafe)

  創業は定かではないが100年の歴史ということなので1900年前後で、取りあえず復活

 時代の方の入れた。 戦時下並びに共産社会の時代を通じて大きな破壊、損害もなく来た

 が財務上の問題を抱え、今日では Danabius Hotel Astoria に経営権が移った。

                                         Aug. 08 2019

 

 向こう奥がホテルのレストランでこちら側が大通りを眺めるカフェ。

 

 3-2. オウグスト・カフェ (Auguszt kávéház/cukrászda)

  上述のオストリア・カフェの通り斜め向かいに在り、店の入口には創業1870年と書いてある

 が、ブダ側のモールMammut 裏に在る本店と製造所の方が古い。 どちらかと云えば、お菓子

 やケーキの方が専門である。               Aug. 08 2019

 

 

  ここにも「ザッハートルテ」はメニューにあり、東欧のケーキ屋さんには定番のようだ。 

 それだけウィーンのカフェ文化の影響力は大きかったのだろう。

 

 

 3-3. カフェ・ムーヴェース (Művész kávéház/cukrászda)

  1898年の創業でネオ・ルネッサンス様式の建物とウィーンスタイルの内装は世界遺産

 のアンドラーシ通りにお似合いのケーキ屋さん、味もミニ・ジェルボーと呼ばれるほど

 の対抗店。 オペラ観劇前後の待ち合わせ場所にも最適であろう。    Aug. 17 2019

  

 

 3-4. アレクサンドラ・ブックカフェ (Alexandra book cafe)

  オリジナルは、1882年に建てられた貴族クラブ(テレスバロスカジノ)の舞踏会用のホール

 であったが、1911年にアールヌーボー様式の7階建ての「パリ大デパート」に建て替えられ、

 舞踏会用ホールの豪華なシャンデリアと天井のチャールズロッツのフレスコ画はそのまま移築

 された。 1,2階はアレクサンドラ書店で、カフェの名前も「A. ブックカフェ」となった。

 しかし、書店は2016年に廃業、カフェも2017~2018年まで2年間閉鎖していたが、昨年末に

 既に新しい店舗名になっていた「カフェ・パリ」で復活した。

 但し、生憎この日は又も改装中(次は何処へ行くのやら、消えて欲しくないカフェの一つ)

 改装備品の運搬用車両がビッシリ                 Aug. 17 2019

  

 

 3-5. ハディク・カフェ (Hadik kávéház)

  1911年に創業し、1920年代が全盛期であったが、常連だった若者は戦場に駆り出され、

 1940年に閉鎖。 ツェントラールやニューヨーク・カフェのような高級な店ではないが

 ローカルな文学と芸術にはピッタリな場所であった。

 常連客として、フリギス・カリンシー、モーリツ・ジグモンド、コストラーニ・ディジー

 (トラムの駅名になっている)が屯していた。 カフェは2009年にオールドファッション

 で復活した。                            Aug. 17 2019

 

 当時のポートレートを貼った壁が歴史を偲ばせる。

 

 石を敷き詰めた屋外テラスには、多くの若者達が集まったことであろう。

 

 当時の常連客フリギス・カリンシーに因んだ Karinthy torta を所望。

 

 3-6. アンジェリカ・カフェ (Angelika cafe & Resturant)

  1973年の創業であるので、カフェ復活期の初期であろう。 国会議事堂とは川向かいの

 バッチャーニ広場の聖アンナ教会の1階という場所も民主化運動→東欧革命に火をつけるの

 に好都合であったのかも知れない。                  Aug. 07 2019

 ドナウ川と国会議事堂を目の前に眺めるテラス。

 

 

 室内

 

 3-7. アンナ・カフェ (Anna café)

    創業が1954年であるので、クラシックカフェというよりブダペストを訪れた人なら、

 誰でも見たことのあるカフェ。  最も観光客の集まるヴァーチ通りの先端にカフェは在る。

   Aug. 08 2019

  

 3-8. ゲルローツィ・カフェ (Gerlóczy cafe)

  前述したように、ここも恰好の角地で、階上がブティックホテルになっており、パリ風

 カフェ&レストランとして人気上昇中のようだ。 建物は1892年築で、歴史的中心地に

 在るがカフェのオープンはそれほど古くはないと思う。           Aug. 17 2019

 

    これにて「ブダペストのカフェ文化(2)」は、お終いです。

    本ブログへのご参加、ありがとうございました。

 

「ハンガリーでのんびり」    http://motsukahu.web.fc2.com

 


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