…その女は執拗に私に肩だか、腕だかをなすり付けてくる
ぐりぐり、ぐりぐり、ぐりぐり、
ぐりぐり、ぐりぐり、ぐりぐり、
…とぉ、あんまりしつこいもんで
徐々になんだか腹が立ってきましてねぇ
ただ、一方的にやられてるってのも
癪に障ってきたもんでしてね
一発ぶん殴って、懲らしめてやろうと思ったんですよ…
幽霊に拳骨が効くなんて話は聞いたことがありませんがね?
でぇ…意を決してね、
タオルケットをバッと履いで
拳骨をガッと振りかざしたら…
……………………居ない…
…消えてたんですよ、それまで肩をなすり付けていた女が…
私はじとぉ…と何とも嫌な汗をかいていて、握り拳をかざしたまんま
ぽかーんとしている…
…テラスの方を見れば、
夜風でもってカーテンがパタパタと揺れている…
どうせ夢だろと言われれば、
もしかしたら夢だったのかもしれない…
………それは私にもわからない
…でもね、あの時の肩の感触は
…まだはっきりとぉ
…覚えてるんですよねぇ………
…………この事があってからですよ
私はね、誰も泊まりに来てない日の夜は
網戸だけで寝ることはあまりしなくなりましたよ……ええ…
っていう昔の体験をふと思い出した今夜(笑
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