「鬼滅の刃」では、物語中のリアルタイム場面では一度も出て来ないのに、全ての様々な登場キャラの中でもとびぬけて存在感のあるキャラがいる。
それこそ、 継国縁壱(つぎくによりいち)。
この物語は大正時代が舞台だが、継国の生きた時代は戦国時代ということになっており、当然主人公の炭治郎たちが生きる大正時代にはとうの昔に死んでいる人物だ。
なのに、時には物語中でまだ生きているかのような存在感がある。
それはこの作品の中の世界の中で、最強・・・それも突き抜けて最強の人物であるからだ。
この作品の舞台の大正時代の世界では、最強キャラは敵のボス「鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)」だ。
主人公やその仲間たちがどんなに強くても、1対1では話にならないくらい強く、主人公と仲間たちが束になってかかっても、中々勝てない相手・・・それが無惨だ。
だが、その最強・無敵の無惨であっても、継国が生きてる時代に継国と戦った時は、まるで歯が立たなく、一瞬で恐怖した相手であり、命からがら逃げるのが精いっぱいだった相手・・・それが継国だ。
継国の強さを考えるに、いったいどれぐらい強かったんだ?という気になる。
ほとんど、人間とは思えない強さであり、単に「天才」という表現でも物足りないぐらいのレベルであり、それこそ神に等しい強さだったとしか思えない。
その強さを考えると、それこそ宇宙人か超能力者か、ミュータントだったのではないかとしか思えない強さだ。人間離れしてる強さ。
戦国時代であることを考えると、サイボーグというのは考えられないし、ロボット‥‥というより、せいぜいからくり人形などであったとしても、それでどこまで人間の素早い動きや繊細な動きを再現できたかという問題は残る。
まあ、劇中では継国を模したからくり人形は出てきたけど、戦国時代のテクノロジーで、彼の動きをどれだけ再現できたかは実態のところ微妙だと個人的には思う。
彼が鬼より強いその強さを考えると、ミュータントだったというのは考えられる。
いや、むしろ・・ミュータントだったと考えたほうが自然な気さえする。
主人公の炭治郎をはじめとする「鬼殺隊」も普通の人間に比べたら段違いに強い。
しかも鬼殺隊の最強メンバーである「柱」と呼ばれる剣士が束になっても中々勝てない相手・・それが無惨だ。
だが、その最強の無惨がまったく歯が立たない継国というのは、一体何者?
そんな伝説的な強さを持った継国の名前は、作中でもよく出てくる。
ある意味「もしも継国が今もいてくれたら」という思いを抱かせるほど、絶えず「究極の最強人物」として出てくるから、死んで数百年たっていたにもかかわらず、存在感がまるで生きてる人物のようにあるのだろう。
継国の強さや生涯を思うと、いっそ継国が主人公のスピンオフ作品も読んでみたくなるが、実際にそういう作品が出てきたら、描き手は敵の設定に苦労するんだろうな。
なにしろ桁違いに強すぎるから。
鬼殺隊も、鬼たちも、鬼たちのボスでさえも、誰も勝てない相手、それが継国なのだから。
しかも、その強さには圧倒的な差があり、神に等しい。無惨でさえも。
どんな敵が出てきても、苦労せずにあっさり勝ってしまうだろう。
ただ、それだと・・・物語にはなりにくいかもね。
ある程度主人公たちが苦戦したりしないと、読者はハラハラしないのかもしれない。
そう物語的には。
でも・・これほど存在感のある人物だからこそ、この人物を主人公にした作品も読んでみたい気にはさせられる。
もっとも継国の生涯は作中でそれなりに描かれているのだが・・。
継国は一体何者?その正体は?とても人間とは思えない異次元の強さ。
というか、人間を遥かに逸脱した能力。
そんなことを考えると、前述の通り、継国は実はミュータントだったのではないか・・・というのが個人的にはスッキリできるかな。
そう考えると、痣が発動したら普通の人間なら25歳で死ぬはずなのに、継国だけは長寿を全うしたことにも説明がつくのではないか。普通の人間ではないのだから。
考えてみれば、無惨自身にしても、また無惨によって鬼にされた者も、ミュータントと言えるだろう。作品中でミュータントという言葉や設定を使ってないだけで。彼らは突然変異で普通の人間が人間以上の生物になってしまったわけだから。
継国は鬼ではなかった。なのに鬼以上に強かった。ということは、鬼たちとは別の変異をとげていたミュータントだったのかもしれない。
日本ではサイボーグや宇宙人やロボットやエスパーという種族はヒーローものの設定にはつきものだが、ミュータントというのはさほど一般的ではない(アメコミでは一般的だが)。
だからその設定があまりおおっぴらにならないだけで。
ミュータント。細胞や遺伝子の突然変異によって誕生する「新しい人類」「異種の人間」という種族であり、普通の人間を大きく越える場合がある。
アメリカではスパイダーマン、ハルク、キャプテンアメリカ、ファンタスティックフォーなどが、それに該当し、普通の人間にはない特殊能力や体質を持っている。
なので継国が普通の人間の能力を大きく逸脱していても、ミュータントなら設定的にはおかしくはない。
突然変異によるものなら、あの時代にあってもおかしくないだろうし。少なくてもサイボーグやロボットよりは。
ただし、ミュータントは突然変異体なので、容姿が普通の人間とは大きく変わってしまう場合もあり、時には醜い姿になることもある。
現に、無惨によって鬼にされたキャラの中には、見た目が決して美しくない異形の鬼もいたではないか。
だが、継国は幸いそれはなかった。鬼になったわけでもなかったし。
鬼とは別種のミュータントだったと考えると、説明がつく。
・・・・という仮説でいかがでしょう(笑)。
ただ、継国がもし鬼とは別の変異を遂げたミュータントなのだとしたら、彼がなぜミュータントになったのか?どういうきっかけや経緯で、どんな体質を持つミュータントになったのか?という疑問は残るわけだが‥‥。
イフついでにもうひとつ書くとすれば、継国がもしも宮本武蔵や柳生十兵衛あたりと対決してたら、どうなったんだろうね。継国がもしも本当にミュータントなら、武蔵も柳生もかなわなくても不思議じゃないことになるが、はてさて。
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