不思議と溢れた涙の理由は、あの時間の自分にはよくわからなかった。
今日は彼女らの前で涙を見せてしまった。
堪えようとしても抑えられなかった。
反省で言葉を選んで、考えているうちに、自然と溢れていた。
こうして今考えると、複雑な感情が入り混じったあの時間は、彼女らを勝たせられなかったことよりも、もっと深い理由があった。
仲間が欠け、体調不良で欠席もあり…
チームとしては、圧倒的に弱体化した状態で挑んだゲームが今日だった。
これまでスラッシャー(エース)と呼ばれるような選手は誰一人もおらず、故に厳しい戦いであって、1.2年前の彼女らであればすぐに心はズタボロにされていたことだろう。
それどころか、戦う意志を見せなかったと思う。
その過去は言葉で表せるものではない。
「やる」か「やらないか」で、やらないを選び続けてしまうような子が多かった過去を持つ子がいて、または圧倒的なレベル差に打ち砕かれても尚、戦い続けてきた事実がある子もいて…
それを知っていたから、今日の内容には心がうたれた。
「〇〇がいなくても自分たちは勝つ」
その意志を何よりも感じたから。
彼女らがこの人間性を獲得したことを、心より誇りに思う。
「〇〇がいれば勝てた」というタラレバよりも、「自分たちに力がなかった」を何より知る姿を見て、我慢ができなかった。
果てしない努力を積み上げてきた者の涙があり、「別に勝っても負けても何とも思わない」と口にしていたような者がはじめて涙を流し、そして彼女らが見せた涙こそが、きっと青春というやつなのかもしれない。
やり切った先に存在した結果は敗北。
今日の涙は、彼女らがこれからも戦い続ける理由になると、俺は信じている。
終わらせる勇気があるなら、続きを選ぶ恐怖にも勝てるはずだ。
そして俺の涙は、悔しさでもなく、不甲斐なさでもなく、尊敬から来るものだった。
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