ブロークン・バリケーズ Broken Barricades
【歌・演奏】
プロコル・ハルム/Procol Harum
【リリース】
1971年6月11日(UK)
1971年4月3日(US)
【録音】
1971年2月~3月
AIRスタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
クリス・トーマス/Chris Thomas
【エンジニア】
ジョン・パンター/John Punter
【レーベル】
クリサリス・レコード/Chrysalis Records(UK)
A&Mレコード/A&M Records(US)
【収録曲】(☆シングル=①②)
side:A
☆① シンプル・シスター 5:51
Simple Sister(words:Keith Reid music:Gary Brooker)
*1971年9月リリース(US, Japan, Portugal and Spain only release)
☆② ブロークン・バリケーズ 3:13
Broken Barricades(words:Keith Reid music:Gary Brooker)
*1971年7月リリース(US and Australia only release)
③ メモリアル・ドライヴ 3:47
Memorial Drive(words:Keith Reid music:Robin Trower)
④ ラスカス・デルフ 3:47
Luskus Delph(words:Keith Reid music:Gary Brooker)
side:B
⑤ パワー・フェイリュアー 4:33
Power Failure(words:Keith Reid music:Gary Brooker)
⑥ ソング・フォー・ア・ドリーマー 5:39
Song for a Dreamer(words:Keith Reid music:Robin Trower)
⑦ プレイメイト・オブ・ザ・マウス 5:06
Playmate of the Mouth(words:Keith Reid music:Gary Brooker)
⑧ プアー・モハメッド 3:06
Poor Mohammed(words:Keith Reid music:Robin Trower)
【録音メンバー】
☆プロコル・ハルム
ゲイリー・ブルッカー/Gary Brooker(piano, vocals①~⑤,⑦)
ロビン・トロワー/Robin Trower(guitar, vocals⑥⑧)
クリス・コッピング/Chris Copping(bass, organ)
B.J. ウィルソン/B.J. Wilson(drums)
キース・リード/Keith Reid(lyrics)
【チャート】
1970年週間アルバム・チャート イギリス42位 アメリカ(ビルボード)32位
デンマーク5位 スウェーデン14位 カナダ27位 ドイツ46位
【メ モ】
プロコル・ハルム5枚目のアルバム。
アメリカではビルボードで最高32位を記録し、4作連続して全米トップ40入りを果たした。イギリスでは1971年7月3日付で最高42位を記録。
⑥「ソング・フォー・ア・ドリーマー」は、ロビン・トロワーが1970年9月に27歳で急死したジミ・ヘンドリックスに捧げた作品である。
このアルバムを最後に、ロビン・トロワー(guitar)が脱退する。後任はデイヴ・ボール。
ジョー・シャーミー Joe Schermie
【本名】
ジョー・シャーメッツラー/Joseph Edward Schermetzler
【パート】
ベース
【生没年月日】
1946年2月12日~2002年3月25日(56歳没)
【出生地】
アメリカ合衆国ウィスコンシン州マディソン
【経歴】
コリー・ウェルズ・ブルース・バンド/Cory Wells Blues Band(1967)
スリー・ドッグ・ナイト/Three Dog Night(1968~1973)
S. S. フールズ/S. S. Fools(1975~1976)
K. A. T. T. (1998~2002)
ジョー・シャーミーは、アメリカのベーシストである。「スリー・ドッグ・ナイト」のオリジナル・メンバーとして知られている。
シャーミーは、1967年にコリー・ウェルズが結成した「コリー・ウェルズ・ブルース・バンド」に参加。
しかしウェルズは1968年にハリウッドに戻り、ダニー・ハットン、チャック・ネグロンとともに「レッドウッド」の名前でデモ・テープの制作を始めた。レッドウッドの3人はギター、ベース、キーボード、ドラムからなるバック・バンドの結成を考え、シャーミーはこのバンドにベーシストとして参加することになった。この時集められたのはジム・グリーンスプーン(keyboard)、フロイド・スニード(drums)、ロン・モーガン(guitar)である。(モーガンはファースト・アルバムの録音前に脱退し、代わりにマイケル・オールサップが加入)
このバンドが「スリー・ドッグ・ナイト」である。
スリー・ドッグ・ナイトは、ダンヒル・レコードから1968年10月にアルバム「ワン」でデビュー。翌11月にはデビュー・シングル『ノーバディ』をリリースした。
『ノーバディ』はビルボード116位に終わったが、セカンド・シングル『トライ・ア・リトル・テンダーネス』がビルボード最高29位を記録、続く『ワン』がビルボード最高5位のヒットを記録して、バンドは一躍スターダムにのし上がった。
シャーミーのベースは、R&Bなど黒人音楽をリスペクトするバンドの音楽性にマッチし、フロイド・スニードとともにバンドのボトムをしっかりと支えた。
スリー・ドッグ・ナイトは1970年「ママ・トールド・ミー」、1971年『喜びの世界』、1972年『ブラック・アンド・ホワイト』と、3年連続してビルボード1位に曲を送り込み、アメリカを代表する人気バンドのひとつに成長したが、シャーミーはバンドの中における自分の役割に失望し、「明らかに解決不可能な問題が生じた」ことを理由に、1973年初頭にバンドを脱退した。後任にはジャック・ライランドが選ばれた。
スリー・ドッグ・ナイト脱退後のシャーミーは、1975年にスリー・ドッグ・ナイトのバンド・メイトだったフロイド・スニード(drums)、マイク・オールサップ(guitar)、そしてのち「TOTO」に加わることになるボビー・キンボール(vocal)、スタン・セイモア(guitar)、ウィン・デヴィリアー(keyboard)の6人で「S. S. フールズ」というグループを結成し、1976年にデビューアルバム『S. S. フールズ』を発表。
バンドは短命に終わったが、その後のシャーミーはスリー・ドッグ・ナイトでバンド・メイトだったチャック・ネグロン(vocal)のバンドのベーシストとしていくつかのライヴで演奏したほか、スティーブン・スティルス(guitar)やイヴォンヌ・エリマン(vocal)などとも仕事をした。
1998年、シャーミーはフロイド・スニード(drums)らとともに「K.A.T.T.」を結成。このバンドのメンバーはシャーミー、スニードのほか、カット・クライバー(vocal)、ロン・ディエゴ・ジョンストン(guitar)である。彼らは2002年にはツアーとレコーディングを行っている。
またシャーミーは、2000年にトム・リール主演の料理番組「フード・ルール」(Food Rules starring Tom Riehl)にフロイド・スニードとともに出演したが、これが彼の最後のテレビ出演となった。
シャーミーは2002年に心臓発作のためカリフォルニア州ロサンゼルスで亡くなった。56歳であった。
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーションアルバム)
<スリー・ドッグ・ナイト>
1968年 ワン/Three Dog Night(US11位)
1969年 融合/Suitable for Framing(US16位)
☆1969年 白熱のライヴ/Captured Live at the Forum(US6位)
1970年 イット・エイント・イージー/It Ain't Easy(US8位)
1970年 ナチュラリー/Naturally(US14位)
★1971年 ゴールデン・ビスケッツ~スリー・ドッグ・ナイト・アーリー・ヒッツ/Golden Biscuits(US5位)
1971年 ハーモニー/Harmony(US8位)
1972年 セヴン・セパレート・フールズ/Seven Separate Fools(US6位)
☆1973年 アラウンド・ザ・ワールド/Around the World with Three Dog Night(US18位)
★1974年 喜びの世界/Joy to the World(US15位)
★1999年 20th Century Masters - The Millennium Collection:The Best of Three Dog Night(US109位)
★2004年 The Complete Hit Singles(US178位)
<参加アルバム>
*キム・フォウリー/Kim Fowley
1968年 Outrageous
獄彩色 Chaos & Colour
【歌・演奏】
ユーライア・ヒープ/Uriah Heep
【リリース】
2023年1月27日
【録音】
チャペル・スタジオ/Chapel Studios(UK)
【プロデューサー】
ジェイ・ラストン/Jay Ruston
【エンジニア】
ジェイ・ラストン/Jay Ruston
【レーベル】
シルヴァー・ライニング・ミュージック/Silver Lining Music
アヴァロン/Avalon(日本)
【収録曲】
① セイヴ・ミー・トゥナイト 3:30
Save Me Tonight(Dave Rimmer, Jeff Scott Soto)
② 銀色の陽光 4:31
Silver Sunlight(Mick Box, Phil Lanzon)
③ 暁光讃歌 4:23
Hail the Sunrise(Russell Gilbrook, Simon J. Pinto)
④ 変遷の時 5:49
Age of Changes(Mick Box, Phil Lanzon)
⑤ 颱風 4:49
Hurricane(Russell Gilbrook, Simon J. Pinto)
⑥ 一つの国家、一つの太陽 7:35
One Nation, One Sun(Mick Box, Phil Lanzon)
⑦ 金色の導き 5:08
Golden Light(Mick Box, Phil Lanzon)
⑧ ネヴァー・ビー・アローン 7:57
You'll Never Be Alone(Russell Gilbrook, Simon J. Pinto)
⑨ 鷲の如く翔けろ 3:48
Fly Like an Eagle(Russell Gilbrook, Simon J. Pinto)
⑩ 解放志願 8:11
Freedom to Be Free(Mick Box, Phil Lanzon)
⑪ 理想への活路 3:37
Closer to Your Dreams(Mick Box, Phil Lanzon)
【録音メンバー】
☆ユーライア・ヒープ
バーニー・ショウ/Bernie Shaw(lead-vocals)
ミック・ボックス/Mick Box (guitars, backing-vocals)
フィル・ランゾン/Phil Lanzon(keyboards, backing-vocals)
デイヴ・リマー/Dave Rimmer(bass, backing-vocals)
ラッセル・ギルブルック/Russell Gilbrook(drums, percussions)
【チャート】
2023年週間アルバム・チャート アメリカ69位 イギリス73位 ドイツ4位 スイス5位 オーストリア10位 フィンランド16位
ノルウェイ40位 スウェーデン60位 スペイン98位 フランス190位 UKロック&メタル1位
【メ モ】
ユーライア・ヒープ25作目のスタジオ・アルバム。2018年の『桃源郷』以来、4年半ぶりのリリースである。
アレックス・ネピアー Alex Napier
【パート】
ドラムス、パーカッション、ベース、ギター
【生没年月日】
1947年10月18日~2023年1月19日(75歳没)
【出生地】
スコットランド グラスゴー
【経歴】
スパイス/Spice(1969.2~1969.12)
ユーライア・ヒープ/Uriah Heep(1969.12~1970.2)
プリズム/Prism
アレックス・ネピアー・バンド/Alex Napier Band(1980~1981)
アレックス・ネピアーは、イギリスのドラマー。ユーライア・ヒープのオリジナル・メンバーである。
地元の様々なバンドで演奏していたネピアーは、音楽紙の広告によって「スパイス」というバンドがドラマーを募集していることを知る。
当時のスパイスは、1968年11月にデビュー・シングル『What About The Music』をリリースしたばかりだったが、1969年初頭にドラマーのナイジェル・ペグラムが脱退したため、後任を探していた。
広告に応募したネピアーはスパイスへ加入。このバンドにはデヴィッド・バイロン(vocal)、ミック・ボックス(guitar)、ポール・ニュートン(bass)らが在籍していた。ちなみにスパイスはこの頃一時的に「The Play」と名乗って活動したが、まもなく元のバンド名「スパイス」に戻している。
1969年春、スパイスがイングランドのハイウィカムのブルース・ロフト・クラブで演奏していたところ、そこにプロデューサーのジェリー・ブロンが居合わせた。当時、スパイスのマネージャーはポール・ニュートンの父が務めていたが、彼はブロンと知り合いだった。この繋がりからブロンはスパイスに契約を持ちかけ、レコーディングの機会を提供した。
デビュー・アルバムのレコーディングは、1969年の7月にロンドンのランズダウン・スタジオで始まった。この時収録された曲のうち、リリースされなかった未発表音源やデモ音源は、1993年になってアルバム『The Lansdowne Tapes』としてCD化されている。
ネピアーが「カム・アウェイ・メリンダ」「ウェイク・アップ」の2曲を録音したのち、1969年末になってキーボード奏者として元「トー・ファット」のケン・ヘンズレーがスパイスに加わった。当時のスパイスのキーボード奏者コリン・ウッドはサポート・メンバーであり、バンドは正式なキーボード奏者を必要としていたからである。そしてブロンの提案でバンド名は「ユーライア・ヒープ」と改められた。(ただし1970年2月までは「スパイス」の名で活動している)
ヘンズレーの加入後、ネピアーはさらに「ジプシー」「ウォーキング・イン・ユア・シャドウ」「リアル・ターンド・オン」「アイル・キープ・オン・トライング」の4曲でドラムを叩いたが、レコーディングの終了を待たず1970年2月に解雇された。後任のドラマーは、エルトン・ジョンから推薦されたナイジェル・オルソンであった。
当時のベーシスト、ポール・ニュートンはのちに「ネピアーは、当時の私にとっては良い友人だった。彼はいいドラマーだったが、彼の仕事とヒープの成功への貢献は認められていなかった。」と語っている。
なおネピアーが録音に参加した曲は、1970年6月に発表されたユーライア・ヒープのデビュー・アルバム『ユーライア・ヒープ・ファースト』(原題:…Very 'Eavy…Very 'Umble)に収録された。
その後のネピアーの音楽活動は、ライヴを主体として続けられた。
ユーライア・ヒープを離れた後のネピアーは、2枚のソロアルバム『ウィル・アンド・ザ・キル』とクリスマス・アルバム『オースティン・リズム・アンド・ブルース・クリスマス』の2枚のソロ・アルバムを発表。この2枚のアルバムで彼はドラムとベースを演奏している。しかしアルバムのセールスははかばかしいものではなかった。
また古い友人のピーター・ハリスンとともに「プリズム」というバンドに加わったりしたが、経済的な理由により引退することを決め、その後ロンドンのホテルで働いた。
ネピアーは、1980年から1981年にかけては「アレックス・ネピアー・バンド」で活動した。このバンドはトニー・メイソン(vocal)をフィーチャーし、2 曲のデモ音源を残している。
その後のネピアーは、最終的には音楽業界から引退し、家具職人として働いたという。旧友のピーター・ハリスンは、「最後にネピアーに会ったとき、彼は演奏をやめており、息子にドラムを教えていた。ネピアーの息子は父親のキットを使ってドラムを演奏していた。」と述懐している。
ユーライア・ヒープの歴代のドラマーの中では、ネピアーは短期間しか在籍しなかった初期のドラマーのひとりに過ぎないと見なされている。しかし『ユーライア・ヒープ・ファースト』におけるネピアーのドラミングを評価する人が多いのも事実である。
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーションアルバム)
<スパイス>
★1993年 The Lansdowne Tapes ※1969年録音
<ユーライア・ヒープ>
1970年 ユーライア・ヒープ・ファースト/…Very 'Eavy…Very 'Umble US186位 日本41位 イタリア11位 フィンランド14位
★1976年 ザ・ベスト・オブ・ユーライア・ヒープ/The Best of Uriah Heep US145位 オーストリア8位 ノルウェイ13位
<ソロ>
1988年 Will and the Kill
1989年 Austin Rhythm and Blues
桃源郷 Living the Dream
【歌・演奏】
ユーライア・ヒープ/Uriah Heep
【リリース】
2018年8月29日(日本)
2018年9月14日(ヨーロッパ)
【録音】
チャペル・スタジオ/Chapel Studios(UK)
【プロデューサー】
ジェイ・ラストン/Jay Ruston
【エンジニア】
ジェイ・ラストン/Jay Ruston
【レーベル】
フロンティアーズ/Frontiers Music(イタリア)
アヴァロン/Avalon(日本)
【収録曲】(☆シングル=①)
① 禁断の果実 4:31
Grazed by Heaven(Dave Rimmer, Jeff Scott Soto)
*2018年リリース
② 桃源郷 5:34
Living the Dream(Mick Box, Phil Lanzon)
③ 不安な日々 6:13
Take Away My Soul(Mick Box, Phil Lanzon)
④ 迫りくる恐怖 4:58
Knocking at My Door(Mick Box, Phil Lanzon & P.C. Phil Lanzon)
⑤ 前を向いて歩こう 8:18
Rocks in the Road(Mick Box, Phil Lanzon)
⑥ 流れに身を任せ 4:27
Waters Flowin'(Mick Box, Phil Lanzon)
⑦ 悲観主義 6:01
It's All Been Said(Mick Box, Phil Lanzon)
⑧ グッバイ・トゥ・イノセンス 3:33
Goodbye to Innocence(Mick Box, Phil Lanzon, Bernie Shaw)
⑨ あなたを求めて 3:24
Falling Under Your Spell(Mick Box, Phil Lanzon)
⑩ 追憶 5:25
Dream of Yesteryear(Mick Box, Phil Lanzon)
【録音メンバー】
☆ユーライア・ヒープ
バーニー・ショウ/Bernie Shaw(lead-vocals)
ミック・ボックス/Mick Box (guitars, backing-vocals)
フィル・ランゾン/Phil Lanzon(keyboards, backing-vocals)
デイヴ・リマー/Dave Rimmer(bass, backing-vocals)
ラッセル・ギルブルック/Russell Gilbrook(drums, percussions)
【チャート】
2018年週間アルバム・チャート イギリス57位 スイス5位 ドイツ10位 オーストリア18位 フィンランド28位 ノルウェイ28位
オランダ109位 日本181位 UKロック&メタル3位
【メ モ】
ユーライア・ヒープの、4年ぶりに発表し24作目のスタジオ・アルバム。
全英アルバム・チャートでは最高57位を記録したが、これは1985年のアルバム『イクウェイター』以来33年ぶりの全英アルバム・チャートでのトップ100入りである。