ウェルカム・トゥ・ザ・キャンティーン Welcome to the Canteen
【歌・演奏】
トラフィック/Traffic
【リリース】
1971年9月10日
【録音】
1971年6月6日 フェアフィールズ・ホール(クロイドン)
1971年7月 ジ・オズ・ベネフィット・コンサート(ロンドン)
【プロデューサー】
クリス・ブラックウェル/Chris Blackwell
スティーヴ・ウィンウッド/Steve Winwood
【レーベル】
ユナイテッド・アーティスツ/United Artists
アイランド/Island
【収録曲】 ☆シングル=⑥
side:A
① メディケイテッド・グー 3:34
Medicated Goo(Jimmy Miller, Steve Winwood)
② サッド・アンド・ディープ・アズ・ユー 3:48
Sad and Deep as You(Dave Mason)
③ 40,000ヘッドメン 6:21
Forty Thousand Headmen(Steve Winwood, Jim Capaldi)
④ 欲ばりすぎたネ 5:39
Shouldn't Have Took More Than You Gave(Dave Mason)
side:B
⑤ ディア・ミスター・ファンタジー 10:57
Dear Mr. Fantasy(Jim Capaldi, Steve Winwood, Chris Wood)
☆⑥ ギミ・サム・ラヴィン 9:02
Gimme Some Lovin'(Steve Winwood, Muff Winwood, Spencer Davis)
※1971年週間シングル・チャート US68位、カナダ55位
【録音メンバー】
☆トラフィック
スティーヴ・ウインウッド/Steve Winwood(organ, electric-piano, electric-guitars⑤, acoustic-guitars③, lead-vocals①③⑤⑥)
クリス・ウッド/Chris Wood(sax, flute, electric-piano, organ)
デイヴ・メイスン/Dave Mason(electric-guitars①④⑤⑥, acoustic-guitars②, lead-vocals②④)
リック・グレッチ/Ric Grech(bass)
ジム・ゴードン/Jim Gordon(drums)
ジム・キャパルディ/Jim Capaldi(percussions, backing-vocals)
リーバップ・クワク・バー/Rebop Kwaku Baah(congas, timbales, bongos)
【チャート】
1971年週間アルバム・チャート
UKチャート圏外、US(ビルボード)26位、カナダ23位、オーストラリア49位
【メ モ】
トラフィックの初のライヴ・アルバム。通算では6枚目のアルバム。(本作以外にスタジオ・アルバム3、コンピレーショ・アルバム2がある)
1971年6~7月に行われた新生トラフィックの、イギリスはクロイドンとロンドンの2会場でのライヴを収録。これはデイヴ・メイスンの2度目の復帰(3度目の参加)期間中に録音されたもので、メイスンのソロ作品からも2曲選曲されている。メイスンは今回の在籍中、わずか6公演に参加したのみで脱退した。
このアルバムからベースにリック・グレッチが起用されている。グレッチは「ブラインド・フェイス」と「ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース」でウィンウッドとバンドメイトであった。
アバウト・タイム About Time
【歌・演奏】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【リリース】
1989年8月22日
【録音】
アーデント・スタジオ/Ardent Studios
【プロデューサー】
テリー・マニング/Terry Manning
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【エンジニア】
テリー・マニング/Terry Manning
【レーベル】
クリサリス/Chrysalis
【録音メンバー】
☆テン・イヤーズ・アフター
アルヴィン・リー/Alvin Lee(guitars, vocals)
チック・チャーチル/Chick Churchill(keyboards)
レオ・ライオンズ/Leo Lyons(bass)
リック・リー/Ric Lee(drums)
★ゲスト・ミュージシャン
ニック・カールス/Nick Carls(backing-vocals)
ジミ・ジェイミソン/Jimi Jamison(backing-vocals)
【収録曲】☆シングル=①②
side:A
☆① ハイウェイ・オブ・ラヴ 5:13
Highway of Love(Steve Gould, Alvin Lee)
※1989年シングル・リリース(オーストラリアのみ)
☆② シェイク・イット・アップ 5:14
Let's Shake It Up(Steve Gould, Alvin Lee)
※1989年シングル・リリース
③ アイ・ゲット・オール・シュック・アップ 4:38
I Get All Shook Up(Alvin Lee)
④ ヴィクティム・オブ・サーカムスタンス 4:29
Victim of Circumstance(Alvin Lee)
⑤ ゴーイング・トゥ・シカゴ 4:22
Going to Chicago(Tim Hinkley, Alvin Lee)
⑥ ワイルド・イズ・ザ・リヴァー 3:53
Wild Is the River(Steve Gould, Alvin Lee)
side:B
⑦ サタデイ・ナイト 4:06
Saturday Night(Steve Gould, Alvin Lee)
⑧ バッド・ブラッド 7:09
Bad Blood(Tony Crooks, Leo Lyons)
⑨ 欲望のパーキング・ロット 4:52
Working in a Parking Lot(Tony Crooks, Leo Lyons, Andy Nye)
⑩ アウトサイド・マイ・ウインドウ 5:47
Outside My Window(Steve Gould, Alvin Lee)
⑪ 裁きの日 4:30
Waiting for the Judgement Day(Steve Gould, Alvin Lee)
【チャート】
1989年週間アルバム・チャート
イギリス チャート圏外 アメリカ(ビルボード)120位 ドイツ87位
【メ モ】
1988年からオリジナル・メンバーで活動を再開したテン・イヤーズ・アフターの再結成第1作目、通算では9作目のスタジオ・アルバム。1974年の『ヴァイブレーションズ』以来15年ぶりのオリジナル・アルバムである。
このアルバムは、アルヴィン・リー在籍中にテン・イヤーズ・アフターが発表した最後のアルバムである。
ザ・ロウ・スパーク・オブ・ハイヒールド・ボーイズ The Low Spark of High Heeled Boys
【歌・演奏】
トラフィック/Traffic
【リリース】
1971年11月26日
【録音】
1971年9月 アイランド・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
スティーヴ・ウィンウッド/Steve Winwood
【エンジニア】
ブライアン・ハンフリーズ/Brian Humphries
【レーベル】
アイランド/Island
ポリドール/Polydor(カナダ)
【収録曲】 ★シングル=④
side:A
① ヒドゥン・トレジャー 4:11
Hidden Treasure(Steve Winwood)
② ザ・ロウ・スパーク・オブ・ハイヒールド・ボーイズ 11:41
The Low Spark of High Heeled Boys(Steve Winwood, Jim Capaldi)
③ ライト・アップ・オア・リーヴ・ミー・アローン 4:48
Light Up or Leave Me Alone(Jim Capaldi)
side:B
★④ ロックンロール・シチュー 4:23
Rock & Roll Stew(Ric Grech, JIm Gordon)
※1972年週間シングル・チャート US93位、カナダ72位 1971年12月リリース(USのみ)
⑤ メニー・ア・マイル・トゥ・フリーダム 7:16
Many a Mile to Freedom(Steve Winwood, Anna Capaldi)
⑥ レインメーカー 7:52
Rainmaker(Steve Winwood, Jim Capaldi)
【録音メンバー】
☆トラフィック
スティーヴ・ウインウッド/Steve Winwood(acoustic-piano, organ, guitars, lead-vocals①②⑤⑥, backing-vocals)
クリス・ウッド/Chris Wood(sax, flute)
リック・グレッチ/Ric Grech(bass, violin)
ジム・ゴードン/Jim Gordon(drums①②③④⑤)
ジム・キャパルディ/Jim Capaldi(percussions, lead-vocals③④, backing-vocals⑥)
リーバップ・クワク・バー/Rebop Kwaku Baah(percussions)
☆ゲスト・ミュージシャン
マイク・ケリー/Mike Kellie(drums⑥)※uncredited
【チャート】
1971年週間アルバム・チャート
US(ビルボード)7位、カナダ17位、オーストラリア38位、ドイツ48位
【メ モ】
トラフィックの通算7枚目のアルバム。スタジオ・アルバムとしては4枚目(そのほかライヴ・アルバム1枚、コンピレーショ・アルバム2枚をリリースしている)である。
アルバムのタイトル曲は、俳優のマイケル・J・ポラードが出した案によるもの。
アメリカではビルボードのアルバム・チャートで7位まで上昇しミリオン・セラーを記録、RIAA公認プラチナ・アルバムに認定された。これはトラフィックのバンド史上最もアメリカで成功したアルバムだと言える。しかし本国イギリスではチャート・インしなかった。
シングル「エンプティ・ページズ」ビルボードHot100に8週間チャート・インしており、最高74位を記録している。
オリジナル・アルバム・ジャケットは右上と左下の角が切り取られているが、これは見る者にアルバムが立方体であるかのような錯覚を起こさせる仕様である。
イギリスおよび一部のヨーロッパのオリジナル・プレスでは、レコード・レーベル上のアルバム・タイトルと曲のタイトルが「The Low Spark of High-Heeled Boys」とハイフン(-)付きで表示されている。
青い影 Procol Harum
【歌・演奏】
プロコル・ハルム/Procol Harum
【リリース】
1967年9月(US)
1967年12月(UK)
【録音】
1967年4月~6月
オリンピック・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
デニー・コーデル/Denny Cordell
【エンジニア】
エディー・オフォード/Eddy Offord
フランク・オーウェン/Frank Owen
ジェラルド・シェヴィン/Gerald Chevin
キース・グラント/Keith Grant
ローレンス・バーリッジ/Laurence Burridge
【レーベル】
リーガル・ゾノフォン/Regal Zonophone(UK)
デラム/Deram(US)
◆UK盤
【収録曲】(☆シングル=①⑩)
side:A
☆① 征服者 2:42
Conquistador(Keith Reid, Gary Brooker)
*1967年週間シングル・チャート オーストラリア31位 ※オーストラリアのみリリース
② シー・ワンダード 3:29
She Wandered Through the Garden Fence(Keith Reid, Gary Brooker)
③ フォローイング・ミー 3:40
Something Following Me(Keith Reid, Gary Brooker)
④ メイベル 1:55
Mabel(Keith Reid, Gary Brooker)
⑤ セルデス 5:07
Cerdes(Outside the Gates of)(Keith Reid, Gary Brooker)
side:B
⑥ クリスマス・キャメル 4:54
A Christmas Camel(Keith Reid, Gary Brooker)
⑦ カレイドスコープ(万華鏡) 2:57
Kaleidoscope(Keith Reid, Gary Brooker)
⑧ サラダ・デイズ 3:44
Salad Days(Are Here Again)(Keith Reid, Gary Brooker)
*1978年週間シングル・チャート ドイツ36位
⑨ グッド・キャプテン・クラック 1:32
Good Captain Clack(Keith Reid, Gary Brooker)
☆⑩ ヴァルプルギスの後悔 5:05
Repent Walpurgis(Matthew Fisher)
※1968年 フランスのみリリース
【録音メンバー】
☆プロコル・ハルム
ゲイリー・ブルッカー/Gary Brooker(vocals, piano)
マシュー・フィッシャー/Matthew Fisher(organ)
ロビン・トロワー/Robin Trower(guitar)
デヴィッド・ナイツ/David Knights(bass)
B.J. ウィルソン/B.J. Wilson(drums)
キース・リード/Keith Reid(lyrics)
◆US盤
【収録曲】(☆シングル=①⑦⑨)
side:A
☆① 青い影 4:04
A Whiter Shade of Pale(Keith Reid, Gary Brooker, Matthew Fisher)
*1967年週間シングル・チャート UK1位, US5位
② シー・ワンダード 3:18
She Wandered Through the Garden Fence(Keith Reid, Gary Brooker)
③ フォローイング・ミー 3:37
Something Following Me(Keith Reid, Gary Brooker)
④ メイベル 1:50
Mabel(Keith Reid, Gary Brooker)
⑤ セルデス 5:04
Cerdes(Outside the Gates of)(Keith Reid, Gary Brooker)
side:B
⑥ クリスマス・キャメル 4:48
A Christmas Camel
☆⑦ 征服者 2:38
Conquistador(Keith Reid, Gary Brooker)
*1967年週間シングル・チャート オーストラリア31位 ※オーストラリアのみリリース
⑧ カレイドスコープ(万華鏡)/サラダ・デイズ 6:31
Kaleidoscope/Salad Days(Are Here Again)(Keith Reid, Gary Brooker)
☆⑨ ヴァルプルギスの後悔 5:05
Repent Walpurgis(Matthew Fisher)
※1968年 フランスのみリリース
【録音メンバー】
☆プロコル・ハルム
ゲイリー・ブルッカー/Gary Brooker(vocals, piano)
マシュー・フィッシャー/Matthew Fisher(organ)
レイ・ロイヤー/Ray Royer(guitar①)
ロビン・トロワー/Robin Trower(guitar②~⑨)
デヴィッド・ナイツ/David Knights(bass)
B.J. ウィルソン/B.J. Wilson(drums②~⑨)
キース・リード/Keith Reid(lyrics)
☆ゲスト・ミュージシャン
ジョン・エイデン/John Eyden(drums①)
【チャート】
1967年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)47位、ノルウェイ20位、ドイツ30位
US盤『青い影』
【メ モ】
プロコル・ハルムのデビュー・アルバム。
1967年5月12日にデラムよりリリースしたデビュー・シングル「青い影」が世界的な大ヒットを記録。1967年9月にはUS盤デビュー・アルバムを発表した。その後レーベルをデラムからリーガル・ゾノフォンに移籍。このためUK盤デビュー・アルバムは1967年12月にゾノフォンからリリースされているが、「青い影」は収録されていない。
なおアルバム・タイトルは現在『A Whiter Shade of Pale』となっているが、1967年リリース当時のタイトルは『Procol Harum』である。
プロコル・ハルムのオリジナル・メンバーはゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)、マシュー・フィッシャー(organ)、レイ・ロイヤー(guitar)、デヴィッド・ナイツ(bass)、ボビー・ハリスン(drums)、キース・リード(作詞)の6人であるが、このメンバーで録音したのはデビュー・シングルB面の「ライム・ストリート・ブルース」のみで、シングルA面の「青い影」のドラム・パートはイギリスのジャズ・ドラマー、ビル・エイデンによるものである。
ハリスンはレコーディング後間もなく解雇され、同時に脱退したロイヤーとともに「フリーダム」というサイケデリック・ロック・バンドを結成した。
Procol Harum 1975
プロコル・ハルム Procol Harum
【活動期間】
1967年~1977年
1991年~2022年
【メンバー】
<ピアノ>
ゲイリー・ブルッカー/Gary Brooker(piano, vocal)在籍1967~1977, 1991~2022
<オルガン>
マシュー・フィッシャー/Matthew Fisher(organ, vocal)在籍1967~1969, 1991~1992, 1993~2003
クリス・コッピング/Chris Copping(bass, organ)在籍1969~1977, 1997
ピート・ソリー/Pete Solley(organ, piano, synthesizer, violin)在籍1976~1977, 1997
ドン・スノー/Don Snow(organ)在籍1992
ジョシュ・フィリップス/Josh Phillips(organ)在籍1993, 2004~2022
<ギター>
レイ・ロイヤー/Ray Royer(guitar)在籍1967
ロビン・トロワー/Robin Trower(guitar, vocal)在籍1967~1971
デイヴ・ボール/Dave Ball(guitar)在籍1971~1972
ミック・グラバム/Mick Grabham(guitar)在籍1972~1977,1997~2000
ティム・レンウィック/Tim Renwick(guitar)在籍1977, 1991
ロビン・トロワー/Robin Trower(guitar)在籍1991
ジェリー・スティーヴンソン/Jerry Stevenson(guitar)1991
ジェフ・ホワイトホーン/Geoff Whitehorn(guitar)在籍1991~1996, 2000~2022
<ベース>
デヴィッド・ナイツ/David Knights(bass)在籍1967~1969
アラン・カートライト /Alan Cartwright(bass)在籍1971~1976, 1977, 1997
ディー・マレー/Dee Murray(bass)在籍1977
デイヴ・ブロンズ/Dave Bronze(bass)在籍1991~1992, 1993, 1997
ローレンス・コットル/Laurence Cottle(bass)在籍1992
マット・ペグ/Matt Pegg(bass)在籍1993~2022
<ドラムス>
ボビー・ハリソン/Bobby Harrison(drums)在籍1967
B.J. ウィルソン/B.J. Wilson(drums)在籍1967~1977
マーク・ブレゼジッキー/Mark Brzezicki(drums)在籍1991~1992, 2000~2006
イアン・ウォーレス/Ian Wallace(drums)在籍1993
グラハム・ブロード/Graham Broad(drums)在籍1995, 1997
ヘンリー・スピネッティ/Henry Spinetti(drums)在籍1996
ジェフ・ダン/Geoff Dunn(drums)在籍2006~2022
<作詞>
キース・リード/Keith Reid(lyrics)在籍1967~1977, 1991~2016
ピート・ブラウン/Pete Brown(lyrics)在籍2016~2022
Procol Harum 1969
プロコル・ハルムはイングランド出身のロックバンド。デビュー曲「青い影」の世界的な大ヒットで知られている。
クラシックやブルースから大きな影響を受けた独自の作風を持っている。とくにクラシックとロックの融合を実現したその音楽性は、プログレッシヴ・ロックの源流のひとつとも言われている。
プロコル・ハルムの前身は、イングランド出身のR&Bバンド「パラマウンツ」である。
パラマウンツは、当時ミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)に「最高のR&Bバンド」と称賛されたほどのバンドだったが、ヒット曲に恵まれず1966年9月に解散する。
パラマウンツのピアニスト兼ヴォーカリストだったゲイリー・ブルッカーは、バンドの解散後にプロデューサーのガイ・スティーヴンスの紹介で詩人のキース・リードと出会い、リードが作詞、ブルッカーが作曲を担当してデモ・テープを共同制作するようになる。
1967年1月、ブルッカーとリードはメロディ・メーカー紙に新バンドのメンバー募集の広告を出した。これに応じて採用されたのがレイ・ロイヤー(guitar)とデヴィッド・ナイツ(bass)だった。そして同じ時期に、ブルッカーとリードの制作したデモ音源が認められ、デラム・レコードと契約を交わした。
この頃マシュー・フィッシャー(organ)は、メロディ・メイカー紙に自身の採用を売り込む広告を出していたが、これを見たブルッカーが連絡を取り、1967年2月にフィッシャーの採用が決まった。こうして「プロコル・ハルム」が結成されたのである。メンバーにふたりの鍵盤奏者と作詞担当者が名を連ねているが、これは非常にユニークな編成だと言えよう。
なおバンド名は「Beyond these things」(こうしたものを越えて)を意味する不正確なラテン語で、プロデューサーであるガイ・スティーヴンスの飼い猫の名をもじったものと言われている。
バンドは3月29日にロンドンのオリンピック・スタジオで「青い影」を録音。当時のプロコル・ハルムにはレギュラー・ドラマーがいなかったため、ジャズ・ドラマーのビル・エイデンが収録に参加した。この直後、ボビー・ハリスン(drums)がバンドに加わり、再び「青い影」が録音されたが、この時のテイクは採用されなかった。この時同時に録音された「ライム・ストリート・ブルース」は、「青い影」のB面に収録されている。
「青い影」は、1967年5月12日にデラムよりデビュー・シングルとして発表された。
ブルッカーのソウルフルな歌声とピアノ、フィッシャーのオルガン、哲学的な歌詞が非常に印象深いこの曲は、リリースされると同時に火がつき、イギリスでは発売後わずか2週間で38万枚を売り上げた。そして全英シングル・チャートを凄まじい勢いで駆け上がり、6月14日には1位となり、以後計6週連続1位を記録したのである。
アメリカでもビルボード誌で5位まで上昇。そのほか西ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、カナダでも軒並みチャート1位となり、全世界で1,000万枚以上のセールスを記録する大ヒットとなった。
この曲はバッハから多大な影響を受けており、「クラシックとR&Bの結婚」と絶賛された。なかでもジョン・レノン(ビートルズ)は、「今の音楽業界で、この曲以外は聴く価値がない」と、最大級の賛辞を贈った。また日本では荒井由実がこの曲を自身のルーツとし、これを聴いたのをきっかけに曲を自作するようになったと述べているほか、山下達郎は「レコードを買ったその日に100回は聴いた」と語っている。
「青い影」は大ヒットしたものの、1967年7月には早くもメンバー・チェンジが行われた。レーベル側の意向でハリスンとロイヤーが解雇されたのである。ハリソンの後任にはB.J. ウィルソンが、ロイヤーの後任にはロビン・トロワーが迎えられたが、新メンバーのふたりはブルッカーのパラマウンツ時代のバンド・メイトであった。またバンドから離れたハリスンとロイヤーのふたりは、「フリーダム」というサイケデリック・ロック・バンドを結成した。
1967年9月、アメリカでデビュー・アルバム『Procol Harum』が発表された。この後デラムからリーガル・ゾノフォンに移籍したが、1968年1月にゾノフォンからリリースされた母国イギリスでのデビュー・アルバムには、移籍に伴う契約上の問題から「青い影」は収録されなかった。
1969年9月にはフィッシャーとナイツが脱退。その後任としてベースとキーボードの両方を演奏できるクリス・コッピングが加入する。コッピングもパラマウンツに在籍したことがあり、この時点でのプロコル・ハルムは、作詞のリードを除く全員がパラマウンツの元メンバーであった。
この年発表したアルバム『ソルティ・ドッグ』は、初期の名作として評価されている。
プロコル・ハルムはピアノとオルガンのツイン・キーボードという特異性を持っていたが、当時同じような編成のバンドとしてはザ・バンドやスプーキー・トゥースがあり、それぞれの類似点や相違点がしばしば話題となっていた。
またこの頃はトロワーがジミ・ヘンドリックスに次第に傾倒するようになり、それに従ってバンド内でのトロワーのハードなギターの存在感も大きなっていった。
Procol Harum 1977
1971年に自分の音楽を追求するためにロビン・トロワーが脱退すると、バンドはブルッカーの持つクラシカルで重厚な音楽性に回帰するようになり、1972年にはカナダのエドモントン交響楽団との共演によるライブ・アルバム『プロコル・ハルム・ライヴ~イン・コンサート・ウィズ・ザ・エドモントン・シンフォニー・オーケストラ』を、翌73年には傑作『グランド・ホテル』を発表した。『グランド・ホテル』におけるラインナップは、ゲイリー・ブルッカー(vocal, piano)、クリス・コッピング(organ)、ミック・グラバム(guitar)、アラン・カートライト(bass)、B.J. ウィルソン(drums)、キース・リード(作詞)の6人であるが、以後約4年はこのメンバーで安定した活動を続けた。
なお、1972年にはテン・イヤーズ・アフターとともに来日し、ジョイント・ライヴを行っている。
1975年、当時ポップス・シーンに勃興していたAORの要素を取り入れたアルバム『プロコルズ・ナインス』を発表。
1976年、『輪廻』の制作が始まったが、ゲイリー・ブルッカーはベーシストにクリス・コッピングを指名、オルガンにピート・ソリーを迎えた。このメンバー・チェンジにより、カートライトは1976年6月に脱退した。
1977年2月に『輪廻』が発表された後、今度はコッピングが脱退したため、同年5月のアメリカでのプロモーション・ツアーのベーシストにはエルトン・ジョン・バンドのディー・マレーが起用された。しかしツアー終了後、ブルッカーを除く全メンバーが脱退を表明し、これを受けたブルッカーは「すべてをやりつくした」として、プロコル・ハルムの解散を決断した。
1977年10月、プロコル・ハルムは最後の公演を行った。
1990年にB.J.ウィルソンが死去したが、これがきっかけとなって元メンバーのブルッカー、フィッシャー、トロワー、リードが集結し、哀悼の念をこめて1991年にプロコル・ハルムを再結成。ジェリー・スティーヴンソン(guitar, mandolin)、デイヴ・ブロンズ(bass)、マーク・ブレゼジッキー(drums)を加えて、14年ぶりの新作アルバム『放蕩者達の絆』を発表した。
トロワー1991年秋には脱退したが、バンドはその後もライヴやアルバム制作など活動を続ける。2003年には再来日して四人囃子との共演を実現させた。
2005年、フィッシャーが著作権を巡ってブルッカーとリードを相手に訴訟を起こし、印税を要求する。「『青い影』では、オルガン・ソロを書いただけでなく、ブルッカーの書いたオリジナルのコードに重要な改変を加え、2分36秒に渡ってオルガンで貢献している」というのがその理由である。しかしブルッカーは、「『青い影』はフィッシャーがプロコル・ハルムのメンバーになる前に書いたもので、フィッシャーはアレンジしたに過ぎない」と主張。
2006年12月20日、高等法院はフィッシャーの訴えを原則として認め、40パーセントの著作権を認める判決を下した。ブルッカーは、この判決を受け入れられないとしてただちに控訴。
2008年4月3日、控訴院は「青い影」におけるフィッシャーの貢献を認めながらも「フィッシャーにはそれに伴う印税は一切入らない」とした。
2009年7月30日、貴族院は2008年の控訴審を覆し、フィッシャーの主張を認める最終判決をくだした。これによって法廷での争いは終わり、現在ではブルッカー、フィッシャー、リードの3人が「青い影」の作詞作曲者としてクレジットされている。
なおこの2009年にはイギリスのBBCラジオ2で、「青い影」が「過去75年間最もオンエアされた曲」に選ばれた。
2012年来日。この時は松任谷由実とのジョイント・ライヴを数か所で行って、話題になった。
2017年4月、14年ぶりの新作アルバム『乙女は新たな夢に』を発表したが、このアルバムではクリームの作品に歌詞を提供していたことで知られるピート・ブラウンが作詞を担当している。
2019年に行なったスイスでのライヴを最後に、コロナ感染症拡大の影響でツアーを休止していたが、その期間に3曲入りEP『Missing Persons(Alive Forever)』を録音(2021年5月リリース)。
2022年2月19日、プロコル・ハルムの支柱であるゲイリー・ブルッカーが76歳で病没。ブルッカーの死去ともない、プロコル・ハルムはその活動を終えた。
2023年3月23日、創設メンバーで作詞担当のキース・リードがガンのため76歳で死去。
プロコル・ハルムは、「青い影」は歴史的なヒットを記録したものの、その類似作品を作ることをよしとせず、つねに革新的で独自性のある音楽を制作し続けたといえる。ロックとクラシックを見事に融合・昇華させた個性的な作風は異彩を放っており、いまなお彼らの音楽を評価する声は高い。
1994年9月9日、イタリアのソルマーノ天文台でピエロ・シーコリとピエランジェロ・ゲッツィによって小惑星が発見されたが、この星は「プロコル・ハルム」と命名されている。もちろんバンド「プロコル・ハルム」にちなんだものである。
Procol Harum 2007
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★コンピレーション・アルバム)
<アルバム>
1967年 青い影/Procol Harum
1968年 月の光/Shine on Brightly
1969年 ソルティ・ドッグ/A Salty Dog
1970年 ホーム/Home
1971年 ブロークン・バリケーズ/Broken Barricades
☆1972年 プロコル・ハルム・ライヴ~イン・コンサート・ウィズ・ザ・エドモントン・シンフォニー・オーケストラ/
Procol Harum Live with the Edmonton Symphony Orchestra
1973年 グランド・ホテル/Grand Hotel
1974年 異国の鳥と果実/Exotic Birds And Fruits
1975年 プロコルズ・ナインス/Procol's Ninth
1977年 輪廻/Something Magic
1991年 放蕩者達の絆/The Prodigal Stranger
1996年 The Long Goodbye
1997年 Ain't Nothin' to Get Excited About(as Liquorice John Death)
☆1999年 BBC Live In Concert ※1974年録音
☆2000年 One More Time:Live in Utrecht, Netherlands, 13, February 1992
2003年 ウェルズ・オン・ファイアー/The Well's on Fire
2007年 Secrets of the Hive
☆2008年 One Eye to the Future -Live in Italy 2007
☆2009年 Procol Harum-In Concert With the Danish National Concert Orchestra and Choir
2017年 乙女は新たな夢に/Novum
<EP盤>
2021年 Missing Persons(Alive Forever)※2019年録音
<シングル>
1967年 青い影/A Whiter Shade of Pale UK1位 US5位
1967年 ホンバーグ/Homburg UK6位 US34位
1968年 クワイト・ライトリー・ソー/Quite Rightly So UK50位
1969年 ソルティ・ドッグ/A Salty Dog UK44位
1969年 The Devil Came From Kansas
1971年 ブロークン・バリケーズ/Broken Barricades
1971年 シンプル・シスター/Simple Sister
1972年 征服者/Conquistador UK22位 US16位
1973年 2Robert’s Box
1973年 Grand Hotel
1973年 A Souvenir Of London
1974年 狂夢/Nothing But the Truth
1975年 パンドラの箱/Pandora's Box UK16位
1975年 ファイナル・スラスト/The Final Thrust
1976年 As Strong As Sansom
1977年 Wizard Man
【メンバー変遷】
#1 1967
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)※ex. The Paramounts
マシュー・フィッシャー(organ)※ex. The Roman Empire
レイ・ロイヤー(guitar)→ Freedom
デヴィッド・ナイツ(bass)
ボビー・ハリソン(drums)※ex. The Powerpack → Freedom
キース・リード(lyrics)
#2 1967~1969
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)→ solo
ロビン・トロワー(guitar)※ex. The Paramounts, Jam
デヴィッド・ナイツ(bass)→ Ruby
B.J.ウィルソン(drums)※ex. The Paramounts, George Bean & The Runners
キース・リード(lyrics)
#3 1969~1971
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ロビン・トロワー(guitar)→ Jude
クリス・コッピング(bass, organ)※ex. The Paramounts
B.J.ウィルソン(drums)
キース・リード(lyrics)
#4 1971~1972
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
クリス・コッピング(organ)
デイヴ・ボール(guitar)※ex.Big Bertha → Long John Baldry Band
アラン・カートライト(bass)※ex. Every Which Way
B.J.ウィルソン(drums)
キース・リード(lyrics)
#5 1972~1976
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
クリス・コッピング(organ)
ミック・グラバム(guitar)※ex. Cochise
アラン・カートライト(bass)→ Procol Harum #8
B.J.ウィルソン(drums)
キース・リード(lyrics)
#6 1976~1977
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ピート・ソリー(organ)※ex. Snafu
ミック・グラバム(guitar)
クリス・コッピング(bass)→ Frankie Miller’s Full House
B.J.ウィルソン(drums)
キース・リード(lyrics)
#7 1977.4~1977.5
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ピート・ソリー(organ)
ミック・グラバム(guitar)→ Bandit
ディー・マレー(bass)※ex. Elton John Band
B.J.ウィルソン(drums)
キース・リード(lyrics)
#8 1977.10
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)→ solo
ピート・ソリー(organ)→ Whitesnake
ティム・レンウィック(guitar)
アラン・カートライト(bass)
B.J.ウィルソン(drums)→ Frankie Miller’s Full House
キース・リード(lyrics)
#9 1991
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ロビン・トロワー(guitar)
ジェリー・スティーヴンソン(guitar, mandolin)
デイヴ・ブロンズ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#10 1991.8~1991.10
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ティム・レンウィック(guitar)
デイヴ・ブロンズ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#11 1991.12~1992.4
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
デイヴ・ブロンズ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#12 1992.5~1992.6
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ドン・スノー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
デイヴ・ブロンズ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#13 1992.8
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
ローレンス・コットル(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#14 1993.6
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ジョシュ・フィリップス(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
デイヴ・ブロンズ(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
キース・リード(lyrics)
#15 1993.7~1993.8
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
デイヴ・ブロンズ(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
キース・リード(lyrics)
#16 1993.8~1993.9
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
キース・リード(lyrics)
#17 1995.7~1995.8
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
グラハム・ブロード(drums)
キース・リード(lyrics)
#18 1996.2~1996.4
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
ヘンリー・スピネッティ(drums)
キース・リード(lyrics)
#19 1997.7
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ピート・ソリー(organ)
ミック・グラバム(guitar)
マット・ペグ(bass)
デイヴ・ブロンズ(bass)
クリス・コッピング(bass, organ, guitar)
アラン・カートライト(bass)
グラハム・ブロード(drums)
キース・リード(lyrics)
#20 2000.9
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
ミック・グラバム(guitar)
マット・ペグ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#21 2001.5~2003
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
マシュー・フィッシャー(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#22 2004~2006.8
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ジョシュ・フィリップス(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
マーク・ブレゼジッキー(drums)
キース・リード(lyrics)
#23 2006.10~2016
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ジョシュ・フィリップス(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
ジェフ・ダン(drums)
キース・リード(lyrics)
#24 2016~2022
ゲイリー・ブルッカー(piano, vocal)
ジョシュ・フィリップス(organ)
ジェフ・ホワイトホーン(guitar)
マット・ペグ(bass)
ジェフ・ダン(drums)
ピート・ブラウン(lyrics)
ザ・ミラー The Mirror
【歌・演奏】
スプーキー・トゥース/Spooky Tooth
【リリース】
1974年10月
【プロデューサー】
エディ・クレーマー/Eddie Kramer
ゲイリー・ライト/Gary Wright
ミック・ジョーンズ/Mick Jones
【エンジニア】
エディ・クレーマー/Eddie Kramer
【レーベル】
アイランド・レコード
【録音メンバー】
☆スプーキー・トゥース
ゲイリー・ライト/Gary Wright(piano, clavinet, organ, synthesizer, lead-vocals, backing-vocals)
マイク・パトゥ/Mike Patto(electric-piano, clavinet, organ, drums, percussions, lead-vocals, backing-vocals)
ミック・ジョーンズ/Mick Jones(guitars, percussions, backing-vocals)
ヴァル・バーク/Val Burke(bass, lead-vocals, backing-vocals)
ブライソン・グラハム/Bryson Graham(drums, percussions)
【収録曲】
side:A
① ファンタジー・サティスフィアー 4:37
Fantasy Satisfier(Mick Jones, Gary Wright)
② トゥー・タイム・ラヴ 3:30
Two Time Love(Mick Jones, Mike Patto, Gary Wright)
③ カイル 3:36
Kyle(Gary Wright, Bill Elliott, Bob Purvis)
④ ウーマン・アンド・ゴールド 3:36
Women and Gold(Gary Wright)
⑤ ハイアー・サークルズ 5:23
Higher Circles(Gary Wright)
side:B
⑥ ヘル・オア・ハイ・ウォーター 5:07
Hell or High Water(Mike Patto, Gary Wright)
⑦ アイム・アライヴ 4:12
I'm Alive(Gary Wright)
⑧ ザ・ミラー 5:21
The Mirror(Mick Jones, Mike Patto, Gary Wright)
⑨ ザ・フーファー 3:57
The Hoofer(Mike Patto, Gray Wright)
【チャート】
1974年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)130位、カナダ88位
【メ モ】
スプーキー・トゥース通算7作目、再結成3作目のアルバム。
ゲイリー・ライトとの確執からマイク・ハリソン(vocal, keyboard)が脱退し、後任としてマイク・パトゥ(vocal, keyboard)が加入した。
またこのバンド内の不和を理由としてマイク・ケリー(drums)、クリス・スチュワート(bass)も再脱退。ケリーの後任としてブライソン・グラハムが復帰している。
このアルバムを最後にスプーキー・トゥースは解散。(1998年再結成)
ウィットネス Witness
【歌・演奏】
スプーキー・トゥース/Spooky Tooth
【リリース】
1973年11月
【録音】
オリンピック・スタジオ(ロンドン)
アイランド・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
スプーキー・トゥース/Spooky Tooth
【エンジニア】
ブライアン・ハンフリーズ/Brian Humphries
【レーベル】
アイランド・レコード(UK)
【録音メンバー】
☆スプーキー・トゥース
ゲイリー・ライト/Gary Wright(keyboards, synthesizer, lead-vocals, backing-vocals)
マイク・ハリスン/Mike Harrison(lead-vocals, backing-vocals, percussions)
ミック・ジョーンズ/Mick Jones(electric-guitars, acoustic-guitars, backing-vocals)
クリス・スチュワート/Chris Stewart(bass)
マイク・ケリー/Mike Kellie(drums, percussions)
【収録曲】
side:A
① オーシャン・オブ・パワー 4:40
Ocean of Power(Gary Wright)
② ウィングス・オン・マイ・ハート 3:32
Wings on My Heart(Gary Wright)
③ アズ・ロング・アズ・ザ・ワールド・キープス・ターニング 3:40
As Long as the World Keeps Turning(Gary Wright)
④ ドント・エヴァー・ストレイ・アウェイ 3:14
Don't Ever Stray Away(Chris Stewart, Gary Wright)
⑤ シングス・チェンジ 4:19
Things Change(Gary Wright)
side:B
⑥ オール・ソウン・アップ 3:44
All Sewn Up(Mick Jones, Gary Wright)
⑦ ドリーム・ミー・ア・マウンテン 3:31
Dream Me a Mountain(Gary Wright)
⑧ サンライト・オブ・マイ・マインド 4:56
Sunlight of My Mind(Gary Wright)
⑨ ピラミッド 4:28
Pyramids(Mike Kellie, Gray Wright)
【チャート】
1973年週間アルバム・チャート アメリカ(ビルボード)99位
【メ モ】
スプーキー・トゥース通算6作目、再結成第2作目のアルバム。2作目の「スプーキー・トゥー」以降5作連続して全米トップ100入りした。
オリジナル・メンバーのマイク・ケリー(drums)がこのアルバムから復帰している。
またこのアルバムを最後にマイク・ハリソン(vocal, keyboard)がバンドを脱退した。
Spooky Tooth『Witness』(US)
ホワッツ・ファンク? What's Funk
【歌・演奏】
グランド・ファンク・レイルロード/Grand Funk Railroad
【リリース】
1983年1月
【プロデューサー】
クリフ・デイヴィーズ/Cliff Davies②③⑤⑦
ゲイリー・ライオンズ/Gary Lyons①④⑥⑧⑨⑩
【レーベル】
フル・ムーン・レコード/Full Moon Records
【録音メンバー】
☆グランド・ファンク・レイルロード
マーク・ファーナー/Mark Farner(guitars, keyboards, lead-vocals, backing-vocals)
デニス・ベリンガー/Dennis Bellinger(bass, backing-vocals)
ドン・ブリューワー/Don Brewer(drums, percussions, lead-vocals, backing-vocals)
【収録曲】
side:A
① ロックンロール・アメリカン・スタイル 4:29
Rock & Roll American Style(Mark Farner)
② ノーホエア・トゥ・ラン 2:39
Nowhere to Run(Lamont Dozier, Brian Dozier, Edward Holland Jr.)
③ イノセント 3:05
Innocent(Mark Farner)
④ スティル・ウェイティン 4:05
Still Waitin(Don Brewer)
⑤ ボーダーライン 2:56
Borderline(Mark Farner)
side:B
⑥ エル・サルヴァドール 4:11
El Salvador(Mark Farner)
⑦ マンズ・マンズ・ワールド 4:54
It's a Man's World(James Brown, Betty Jean Newsome)
⑧ アイム・ソー・トゥルー 4:10
I'm So True(Mark Farner)
⑨ ドント・ライ 4:18
Don't Lie to Me(Mark Farner)
⑩ アウター・スペース 4:20
Life in Outer Space(Mark Farner)
【チャート】
1981年週間アルバム・チャート US圏外
【メ モ】
グランド・ファンク・レイルロードの再結成後の2作目。スタジオ・アルバムとしては通算13作目である。
キーボードのランス・ダンカンが脱退し、バンドの編成はギター・トリオになっている。
②「ノーホエア・トゥ・ラン」は1965年のマーサ・アンド・ザ・ヴァンデラスの曲をカヴァーしたもの。
⑦「マンズ・マンズ・ワールド」は1966年のジェイムス・ブラウンのヒット曲(全米8位)のカヴァーである。
グランド・ファンク復活 Grand Funk Lives
【歌・演奏】
グランド・ファンク・レイルロード/Grand Funk Railroad
【リリース】
1981年
【プロデューサー】
アンドリュー・キャヴァリエ/Andrew Cavaliere
ボブ・デストッキ/Bob Destocki
トム・パナンジオ/Thom Panunzio
【レーベル】
フル・ムーン/Full Moon
【録音メンバー】
☆グランド・ファンク
マーク・ファーナー/Mark Farner(guitars, piano, vocals)
デニス・ベリンガー/Dennis Bellinger(bass, backing-vocals)
ドン・ブリューワー/Don Brewer(drums, vocals)
ランス・ダンカン/Lance Duncan Ong(keyboards, synthesizer)
【収録曲】(★シングル=⑦⑧)
side:A
① グッド・タイムス 2:05
Good Times(Mark Farner)
② クイーン・ビー 3:13
Queen Bee(Mark Farner)
③ テスティファイ 2:58
Testify(Mark Farner)
④ キャント・ビー・ウィズ・ユー・トゥナイト 3:29
Can't Be with You Tonight(Mark Farner)
⑤ ノー・リーズン・ホワイ 4:47
No Reason Why(Mark Farner)
side:B
⑥ 朝日のない街 3:55
We Gotta Get out of This Place(Barry Mann, Cynthia Weil)
★⑦ Y.O.U. 2:53
Y.O.U.(Mark Farner)
※1981年週間シングル・チャート US(レコード・ワールド)125位
★⑧ スタック・イン・ザ・ミドル 3:09
Stuck in the Middle(Mark Farner)
※1982年週間シングル・チャート US(ビルボード)108位
⑨ グリード・オブ・マン 5:00
Greed of Man(Mark Farner)
⑩ ウェイト・フォー・ミー 4:52
Wait for Me(Mark Farner)
【チャート】
1981年週間アルバム・チャート US(ビルボード)149位
【メ モ】
グランド・ファンク・レイルロードの再結成後の1作目。スタジオ・アルバムとしては通算12枚目である。
1976年の『熱い激突』以来5年ぶりのアルバム・リリース。
オリジナル・メンバーのマーク・ファーナー、ドン・ブリューワーに、新メンバーのデニス・ベリンガー(bass)とランス・ダンカン(keyboard)が加わった。
②「クイーン・ビー」は、1981年のアニメーション映画「ヘヴィー・メタル」のサウンド・トラックに収録された。
⑥はアニマルズの1965年のヒット曲(全英2位、全米13位)のカヴァーである。
ポール・レイモンド Paul Martin Raymond
【パート】
キーボード、ギター、ヴォーカル
【生没年月日】
1945年11月16日~2019年4月13日(73歳没)
【出生地】
イングランド ハートフォードシャー州セントオールバンズ
【経歴】
クリス・ラム&ザ・ユニヴァーサルズ/Chris Lamb & The Universals(1965~1967)
ロード・サッチ&ザ・サヴェイジズ/Lord Sutch & The Saveges(1966)
プラスティック・ペニー/Plastic Penny(1967~1969)
チキン・シャック/Chicken Shack(1969~1970)
サヴォイ・ブラウン/Savoy Brown(1971~1974)
ハングリー・ファイター/Hungry Fighter(1974)
サヴォイ・ブラウン/Savoy Brown(1974~1976)
UFO/UFO(1976~1980)
マイケル・シェンカー・グループ/Michael Schenker Group(1980~1981)
ウェイステッド/Waysted(1982~1984)
UFO/UFO(1984~1986)
ポール・レイモンド・プロジェクト/Paul Raymond Project(1989~ )
トニー・ジャクソン・グループ/Tony Jackson Group
UFO/UFO(1993~1998)
UFO/UFO(2003~2019)
ポール・レイモンドは、UFOやマイケル・シェンカー・グループのキーボーディスト兼ギタリストである。
UFOへは1976年をはじめとして都合4度参加、1970年代半ば以降の主要メンバーのひとりとして活躍した。
レイモンドは、1964年11月にジャズ・ミュージシャンとしてキャリアをスタートさせた。
1965年11月にはキーボード奏者として「クリス・ラム&ザ・ユニヴァーサルズ」に加入。このバンドはスクリーミング・ロード・サッチのバック・バンド「ザ・サヴェイジズ」としても活動していたが、リーダーのクリス・ラムがバンドから離れたのを機に、1967年12月に「プラスティック・ペニー」とバンド名を改めた。当時このバンドにはミック・グラバム(guitar のちプロコル・ハルム)やナイジェル・オルソン(drums のちユーライア・ヒープ、エルトン・ジョン・バンド)が在籍していた。
プラスティック・ペニーは1967年12月にボックス・トップスのカヴァー「Everything I Am」でシングル・デビューし、この曲を全英6位に送り込んだ。
プラスティック・ペニーが1969年に解散すると、レイモンドはクリスティン・パーフェクト(keyboard のちクリスティン・マクヴィー)が脱退したあとの後任キーボード奏者として「チキン・シャック」に加入する。
チキン・シャックでは2枚のアルバムを残し、1970年いっぱいで脱退。その後、1971年初頭にキーボーディスト兼ギタリストとして「サヴォイ・ブラウン」のメンバーとなる。
ちなみに、チキン・シャック、サヴォイ・ブラウンはいずれも「イギリスの三大ブルース・バンド」のひとつであり、同じマネージメントでもあった。
サヴォイ・ブラウンではリーダーのキム・シモンズ(guitar, vocal)とともにバンドの中心的存在として活躍していたが、1974年にデイヴ・ウォーカー(vocal)とともにバンドから離れる。
レイモンドとウォーカーは、ダニー・カーワン(guitar 元フリートウッド・マック)、アンディ・シルヴェスター(bass 元サヴォイ・ブラウン)、マック・プール(drums 元ウォーホース)と合流して「ハングリー・ファイター」を結成したが、このバンドはわずか数度のライヴを行っただけですぐに解散したため、レイモンドは1974年冬にはサヴォイ・ブラウンに復帰した。
サヴォイ・ブラウンでは、1971年の加入時から1976年夏に脱退するまでに通算6年在籍し、6枚のアルバム制作に参加した。
1975年にはダニー・カーワンのソロ・アルバム『セカンド・チャプター』のレコーディングに参加している。
1976年、キーボードとギターの両方を演奏できる人材を探していたUFOにスカウトされ、ダニー・ペイロネル(keyboard)の後任として加入。レイモンドはUFOのために曲も書いたが、かつて交わした出版契約のため、近年までクレジットされていなかった。
UFOはマイケル・シェンカー(guitar)を迎えた1973年頃から上昇気流に乗っていたが、レイモンド加入後はさらに勢いを増し、1977年にリリースしたアルバム『新たなる殺意』は、ビルボード誌における最高位が前作の『ノー・ヘヴィー・ペッティング』の167位から23位(UFOの全アルバム中の最高位)に急上昇。続く1978年の『宇宙征服』もビルボード最高41位を記録した。
UFOではキーボーディストとしてはもちろん、セカンド・ギターとしても活躍。左利きだった彼はレフティ専用のギターを肩にかけてキーボードを弾き、シェンカーのソロではすぐさまリズム・ギターにスウィッチして見事にサポートする姿は、UFOのステージには欠かすことのできないものであった。レイモンドの存在は、シェンカーの、そしてバンドにとっての非常に重要な存在だったと言えるだろう。
レイモンドの加入によって全盛期を迎えたUFOだったが、精神的に追い込まれたマイケル・シェンカーが1978年秋に脱退する。
看板ギタリストの脱退と言う非常事態にあたり、バンドはかつてのメンバーだったポール・チャップマン(guitar)を再度迎え入れて危機を乗り切り、1979年にライヴ・アルバム『UFOライブ』、1980年にはスタジオ・アルバム『ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス』を発表。しかしトリを務める予定だったその年のレディング・フェスティヴァルの開催前にレイモンドはUFOを脱退(後任は元ワイルド・ホーシズのニール・カーター)し、マイケル・シェンカー・グループに参加する。
ポール・レイモンド & マイケル・シェンカー(右)
1980年にマイケル・シェンカー・グループの一員となったレイモンドは、アルバム『神話』『飛翔伝説 MSG武道館ライヴ』の2枚に参加したのち、1983年にUFOのベーシストであるピート・ウェイのバンド「ウェイステッド」に加入。
ウェイステッドではアルバム『Vices』(1983年)を制作したのみで脱退し、1984年に再結成したUFOに参加、1986年まで在籍した。
1980年代末頃には日本に住んでいたことがあり、当時自身がリーダーの「ポール・レイモンド・プロジェクト」名義でアルバムをリリースしている。このバンドは以後も断続的に活動を続けた。
1993年、再々結成後のUFOに復帰したが、バンドは1998年に解散する。
UFOは2000年に活動を再開。レイモンドは2003年に3度目の復帰を果たした。
2019年4月13日、レイモンドは心臓発作により73歳で死去。
UFOは2019年3月から「UFO Last Orders 50th Anniversary」(ラスト・オーダーズ 50周年記念)というタイトルのツアーを行っていた。このツアーを最後にフィル・モグ(vocal)はバンドから離れることを公表しており、レイモンドもバンドの一員としてそのツアーに加わっていた。
バンドは4月5日のロンドンのO2フォーラムでの公演を最後に、最初の行程であるイギリスとアイルランドのツアーを終えた。レイモンドの死去はそのわずか8日後であった。バンドは、1980年から1983年までレイモンドの後任としてUFOに在籍していたニール・カーターを急遽起用し、ツアーを続行した。
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★コンピレーション・アルバム)
<プラスティック・ペニー>
1968年 Two Sides Of A Penny
1969年 Currency
★1970年 Heads I Win, Tails You Lose
<チキン・シャック>
1969年 100トン・チキン/100 Ton Chicken
1970年 アクセプト・チキン・シャック/Accept Chicken Shack
<サヴォイ・ブラウン>
1971年 Street Corner Talking US75位
1972年 Hellbound Train US34位
1972年 Lion’s Share US151位
1973年 Jack The Toad US84位
1975年 Wire Fire US153位
1976年 Skin ‘N’ Bone US206位
<UFO>
1977年 新たなる殺意/Lights Out UK51位, US23位
1978年 宇宙征服/Obsession UK26位, US41位
☆1979年 UFOライブ/Strangers In The Night UK7位, US42位
1980年 ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス/No Place To Run UK11位, US51位
1985年 ミスディミーナー/Misdemeanor UK74位, US106位
☆1992年 BBC Radio 1 Live In Concert ※録音=1974, 1980
1995年 ウォーク・オン・ウォーター/Walk on Water
2000年 聖約/Covenant
2004年 ユー・アー・ヒア/You Are Here
2006年 モンキー・パズル/The Monkey Puzzle
2009年 ザ・ヴィジター/The Visitor UK99位
2012年 セヴン・デッドリー/Seven Deadly UK63位
<マイケル・シェンカー・グループ>
1981年 神話/MSG UK14位, US81位
☆1981年 飛翔伝説 MSG武道館ライヴ/One Night At Budokan UK5位
<ウェイステッド>
1983年 Vices UK78位
<ポール・レイモンド・プロジェクト>
1989年 ライジング・サン/Under The Rising Sun
1999年 Man On A Mission
2013年 Terms & Conditions Apply
<ゲスト参加>
◆ダニー・カーワン
1975年 Second Chapter