ジョン・ウェットン John Kenneth Wetton
【パート】
ベース、ヴォーカル、ギター、キーボード
【生没年月日】
1949年6月12日~2017年1月31日(67歳没)
【出生地】
イングランド ダービーシャー州ウィリントン
【経歴】
ブラザーフッド/Brotherhood(1969~1970)
モーグル・スラッシュ/Mogul Thrash(1970~1971)
ルネッサンス/Renaissance(1971)
シルヴァー・ジェイド(1971)
ファミリー(1971~1972)
キング・クリムゾン(1972~1974)
ロキシー・ミュージック(1974~1975)
ユーライア・ヒープ(1975~1976)
ブライアン・フェリー・バンド(1976~1977)
U.K.(1977~1980)
ウィッシュボーン・アッシュ(1980~1981)
エイジア(1981~1983、1984~1986、1989~1991、2006~2017)
U.K.(2011~2015)
ブリティッシュ・ロック史上に残るベーシストのひとり。
キング・クリムゾン、ユーライア・ヒープ、ロキシー・ミュージック、エイジア、U.K.、ウィッシュボーン・アッシュなど、数多くの名だたるバンドで活躍した。
テクニカルかつ重厚なベースが持ち味である。かつ幅広い音楽性を備えており、コンポーザーとしても定評がある。
哀愁を帯びた深みのある声を持ち、ヴォーカリストとしても評価が高い。
ダービーシャー州ウィリントンに生まれ、10代前半の頃に一家でイギリス南西部のドーセット州ボーンマスに転居する。
教会のオルガン奏者だった兄ロバートの影響で、幼い頃からクラシック音楽に馴れ親しみ、足鍵盤のないオルガンやピアノで練習する兄のために連弾のようにして低音部のパートを受け持ったりしていた。
やがて当時の人気バンドであるエヴァリー・ブラザーズやシャドウズなどのロックンロール、あるいはR&Bバンドに夢中になり、エレキギターを弾き始める。
学生時代に音楽活動を始めたが、この頃、のちにソング・ライティングでチームを組むリチャード・パーマー=ジェイムスと知り合い、1964年にはパーマー=ジェイムスのバンド「The Corvetts」(のち「The Palmer-James Group」に発展)に加入している。
学校を卒業すると、地元ボーンマスやロンドンなどでプロ・ミュージシャンとして本格的に活動を始める。
パーマー=ジェイムスと新たなバンド「Tetrad」組んだのを皮切りに、「スプリンター」というバンドに加わったり、ヘレン・シャピロのバックを務めたりするなど、徐々に活躍の場を広げていった。
スプリンター解散後の1969年秋、ウェットンとエド・ビックネル(drums)は、「ダンディ・ホーンズ」の名で活動していたマルコム・ダンカン(sax)とロジャー・ボール(sax)と出会い、新たなバンドの構想を練るようになる。そしてこのバンドに興味を持った元コロシアムのジェームズ・リザーランド(guitar)が合流し、「ブラザーフッド」が結成された。
その後すぐに「ジェームス・リザーランズ・ブラザーフッド」と名を改めたバンドは、ドラマーをビル・ハリスンに替え、マイケル・ローゼン(guitar, trumpet)を加えて、RCAと契約を交わすことになった。この時に同名のバンドが存在することが分かったため、1970年5月に名前を「モーグル・スラッシュ」と改めて契約した。
1971年2月にデビュー・アルバム『モーグル・スラッシュ』をリリース。
しかし間もなくバンドは解散したため、セッション・ミュージシャンとして働くようになった。この頃、短期間「ルネッサンス」や「ジェイド」に加入している。
1971年9月、ジョン・ワイダーの後任として「ファミリー」に参加し、アルバム『フィアレス』の録音に参加。
しかし、次作『バンドスタンド』が発表された1972年9月、ポーツマス時代からの友人ロバート・フリップからの要請でファミリーを脱退し、同年4月に新生「キング・クリムゾン」に参加した。この当時のメンバーはフリップ、ウェットン、ビル・ブルーフォード(drums)、デヴィッド・クロス(violin)、ジェイミー・ミューア(percussions)の5人である。ちなみに、ウェットンがファミリーに参加した1971年9月には、すでにロバート・フリップからクリムゾン入りを要請する最初のアプローチを受けている。
クリムゾンではベース、ヴォーカルはもちろん、旧友で作詞担当のパーマー=ジェイムスを含めた他のメンバーとともに多くの曲作りに携わり、『太陽と戦慄』(1973年)、『暗黒の世界』(1974年)、『レッド』(1974年)の3枚のアルバム制作に加わった。これらはキング・クリムゾンのみならずロック史上に残る傑作との呼び声が高いアルバムである。
ウェットンとブルーフォードの複雑な変拍子をものともしないリズム陣はまさに鉄壁で、ウェットン自身もベーシスト、そしてヴォーカリストとしてさらなる高い評価を得た。
しかし1974年の『レッド』発表直後に、フリップが突然解散を宣言。
クリムゾン解散後の1974年にロキシー・ミュージックに加入。そして1975年にはユーライア・ヒープに加入したが、ウェットンはプログレッシヴ・ロック畑のミュージシャンと見られていたため、この動きはロック界をあっと言わせた。
ユーライア・ヒープでも曲作りに参加するなどバンドの中枢として活躍、『幻想への回帰』(1975年)、『ハイ・アンド・マイティ』(1976年)の2枚のアルバムを残して脱退した。
1976年、ビル・ブルーフォードとインプロヴィゼイションを主体とする新グループの構想を練り、キング・クリムゾンの再結成を視野に入れてロバート・フリップに声をかけるが、フリップはこれを受け入れなかった。そこでイエスを脱退してソロ活動を行っていたリック・ウェイクマンとのスーパー・トリオ「ウェイクマン・ウェットン&ブルーフォード」(仮称)を結成し、リハーサルを行う。しかしウェイクマンが当時所属していたレコード会社と意見が合わなかったため、公式でのバンド活動には至らず、曲の一部がのちにブルーフォードのソロ・アルバム『フィールズ・グッド・トゥ・ミー』に別アレンジで収録されるに留まった。
ウェットンは新たなバンドの構想を練りつつ、1976年からはブライアン・フェリーのソロ・アルバム、ソロ・ツアーに参加する。1977年に入って再びブルーフォードと新バンド結成について話し合うようになり、ウェットン、ブルーフォードに、エディ・ジョブソンとアラン・ホールズワースを加えたプログレッシブロック・バンド「U.K.」を結成。このバンドは「スーパー・グループ」として大きな注目を集め、1978年にはファースト・アルバム『U.K.』を発表したが、同年の北米ツアー終了後の11月、音楽性の相違を理由にブルーフォードとホールズワースが脱退。 1979年にはセカンド・アルバム『デンジャー・マネー』を発表、5月には日本公演を行ったが、ウェットンとジョブソンのあいだに生まれた溝が深刻になり、1979年末に活動を停止した。
1980年、初のソロアルバム『コート・イン・ザ・クロスファイアー』を発表。
1980年末、ウィッシュボーン・アッシュに加入してアルバム『ナンバー・ザ・ブレイヴ』の制作に参加する。
1980年、ウェットンはこの年解散したイエスのマネージャーだったブライアン・レーンによって、元イエスのスティーヴ・ハウ(guitar)とジェフ・ダウンズ(keyboard)のふたりに引き合わされる。これに元エマーソン・レイク&パーマーのカール・パーマー(drums)が加わり、プログレッシブ・ロック界のスター・プレイヤーが集まったスーパー・グループ「エイジア」が結成された。1982年に発表したデビュー・アルバム『詠時感~時へのロマン』はビルボードで9週連続1位の大ヒットを記録、エイジアは世界的な人気を得るに至った。
セカンド・アルバム『アルファ』もヒットしたが、この頃からハウとの関係が悪化し、ウェットン自身のアルコール依存症という問題もあって、1983年秋にバンドを解雇された。
エイジアは一時グレッグ・レイクを代役として迎えたが、ウェットンは翌84年には復帰する。
1985年、ウェットンが主導して制作したサード・アルバム『アストラ』のセールスが伸び悩んだため、バンドから解雇される。
1989年、再結成されたエイジアに参加するが、バンドの限界を感じたことを理由に1991年脱退。
この後は主にソロ・アーティストとして活動する一方、プログレッシブ・ロック系のアーティストのトリビュート・アルバムに参加したり、プロジェクト活動を積極的に行った。
スティーヴ・ハケットを中心とした大物ぞろいのバンドでツアーを行うなどし、1996年にはイアン・マクドナルドらとともにスティーヴ・ハケットのバック・バンドの一員として来日。
1996年、ウェットン、ブルーフォード、ジョブソンの3人でU.K.を再結成したが、レコーディングを行ったものの、ウェットンとジョブソンの対立がもとで、間もなく解散。
1999年~2000年かけてはカール・パーマーと新バンド「Quango」を結成。
2002年、エイジアでの作曲面のパートナーだったジェフ・ダウンズと再会し、ライブで共演したのをきっかけとして、ダウンズとのユニット「ウェットン/ダウンズ」を結成し、2005年にアルバム『アイコン』を発表。
2006年にはオリジナル・メンバーによって再結成されたエイジアに参加、精力的にツアーを行っていたが、2007年夏に行われた定期検診で心臓の冠動脈に異常が見つかったため、一時活動を停止する。同年8月10日にバイパス手術を受けて順調に回復、2008年に活動を再開した。また、オリジナル・メンバーでのアルバム『フェニックス』が発表された。
2009年11月、エディ・ジョブソンのプロジェクト「U-Zプロジェクト」に参加したことがきっかけとなり、2011年には正式にU.K.を再々結成してライブ活動を行っていたが、2015年に活動を停止した。
2017年1月、闘病中だった大腸がんの治療に専念するため、エイジアでの活動を一時休止することを表明。しかしその後間もなく病状が悪化し、同月31日午前5時25分にドーセット州ボーンマスの自宅で死去した。67歳だった。
ウェットンが死去した2日後、エリック・クラプトンが「For John W」という小品をSNSで公開、話題となった。
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレイション・アルバム)
<モーグル・スラッシュ>
1971年 モーグル・スラッシュ/Mogul Thrash(旧邦題「炸裂!モーグル・スラッシュ」)
<ファミリー>
1971年 フィアレス/Fearless UK14位 US177位
1972年 バンドスタンド/Bandstand UK15位 US183位
<キング・クリムゾン>
1973年 太陽と戦慄/Larks' Tongues in Aspic UK20位 US61位
1974年 暗黒の世界/Starless and Bible Black UK28位 US64位
1974年 レッド/Red UK45位 US66位
☆1975年 USA/USA US125位
<ユーライア・ヒープ>
1975年 幻想への回帰/Return to Fantasy UK7位 US85位
1976年 ハイ・アンド・マイティ/High and Mighty UK55位 US161位
<ロキシー・ミュージック>
☆1976年 VIVA! ロキシー・ミュージック/Viva! UK6位 US81位
<ブライアン・フェリー・バンド>
1974年 アナザー・タイム、アナザー・プレイス (いつかどこかで)/Another Time, Another Place UK4位
1976年 レッツ・スティック・トゥゲザー/Let's Stick Together UK19位 US160位
1977年 イン・ユア・マインド(あなたの心に)/In Your Mind UK5位 US126位
1978年 ベールをぬいだ花嫁/The Bride Stripped Bare UK13位 US159位
<U.K.>
1977年 U.K.(憂国の四士)/U.K. UK43位 US65位
1978年 デンジャー・マネー/Danger Money US45位
☆1979年 ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)/Night After Night US109位
☆1999年 U.K. ライヴ・イン・ボストン/Concert Classics, Vol.4
☆2013年 リユニオン-ライヴ・イン・トーキョー/ーReunionー Live in Tokyo ※2011年録音
☆2015年 エディー・ジョブソン-U.K.特別公演『憂国の四士』『デンジャー・マネー』完全再現ライヴ カーテン・コール/Curtain Call ※2013年録音
<ウィッシュボーン・アッシュ>
1981年 ナンバー・ザ・ブレイヴ/Number the Brave UK61位
2008年 アーガス・スルー・ザ・ルッキング・グラス/Argus Through the Looking Glass ※「マーティン・ターナー & フレンズ」名義
<エイジア>
1982年 詠時感~時へのロマン/Asia UK11位 US1位
1983年 アルファ/Alpha UK5位 US6位
1985年 アストラ/Astra UK68位 US67位
☆1991年 ライヴ・イン・モスクワ 1990/Live in Moscow
☆1997年 ライヴ・イン・ノッティンガム 1990/Now-Live in Nottingham
☆2007年 Extended Versions
☆2007年 ファンタジア~ライヴ・イン・トーキョー 2007/Fantasia:Live in Tokyo
2008年 フェニックス/Phoenix UK166位 US73位
2010年 オメガ/Omega UK135位
☆2010年 スピリット・オブ・ザ・ナイト~ザ・フェニックス・ツアー・ライヴ・イン・ケンブリッジ/Spirit of the Night-Live in Cambridge 09
☆2011年 Live at the London Forum(The Omega Tour)
☆2012年 レゾナンス-オメガ・ツアー~ライヴ・イン・バーゼル 2010/-Resonance- The Omega Tour 2010
2012年 XXX~ロマンへの回帰/XXX
2014年 グラヴィタス~荘厳なる刻/Gravitas
☆2014年 ハイ・ヴォルテージ・ライヴ2010/High Voltage-Live
☆2015年 エイジア・ライヴ・イン・サンフランシスコ 2012/Axis XXX Live in San Francisco MMXII
☆2015年 Live in America
☆2017年 シンフォニア~ライヴ・イン・ブルガリア 2013/-Symfonia- Live in Bulgaria 2013
<コラボレーション・アルバム>
◇ジャックナイフ
1980年 アイ・ウィッシュ・ユー・ウッド/I Wish You Would
◇ウェットン・マンザネラ(with フィル・マンザネラ)
1987年 ウェットン・マンザネラ/Wetton/Manzanera
◇with リチャード・パーマー=ジェイムス
1998年 モンキー・ビジネス/Monkey Business 1972-1997
◇with ケン・ヘンズレー
2002年 One Way or Another
2002年 More Than Conquerors
◇アイコン(ウェットン/ダウンズ)
2002年 ウェットン/ダウンズ/Wetton Downes
2005年 アイコン/Icon
2005年 Heat of the Moment '05 EP
2006年 ルビコン/IconⅡ:Rubicon
2009年 アイコン3/Icon 3
◇with ディストリクト97
☆2014年 ワン・モア・レッド・ナイト:ライヴ・イン・シカゴ (ジョン・ウェットン、キング・クリムゾンを歌う)/One More Red Night – Live in Chicago
◇with ザ・レス・ポール・トリオ
2015年 ニューヨーク・ミニット/New York Minute
<ソロ・アルバム>
1980年 コート・イン・ザ・クロスファイアー/Caught in the Crossfire
1994年 ヴォイス・メイル/Voice Mail ※旧邦題『バトル・ラインズ』
☆1995年 チェイシング・ザ・ドラゴン/Chasing the Dragon (Live in Japan)
☆1996年 アクスティカ/ライヴ・イン・アメリカ/Akustika:Live in America
1997年 アークエンジェル/Arkangel
1998年 チェイシング・ザ・ディアー/Chasing the Deer ※サウンドトラック
☆1998年 ライヴ・イン・トウキョウ/Live in Tokyo 1997
☆1999年 ノーマンズ・ランド/Nomans Land
☆1999年 ヘイジー・モネット/Hazy Monet Live in New York City May 27, 1997
☆1999年 サブ・ローサ(ライヴ・イン・ミラン)/Sub Rosa Live in Milan Italy
2000年 ウェルカム・トゥ・ヘヴン/Welcome to Heaven
☆2000年 ライヴ・イン・トウキョウ1999/Live at the Sun Plaza Tokyo 1999
2003年 ロック・オブ・フェイス/Rock of Faith
☆2003年 ライヴ・イン・オオサカ/Live in Osaka
☆2003年 ライヴ・イン・ジ・アンダーワールド/Live in the Underworld
☆2003年 ライブ・イン・アージェンティーナ/Live in Argentina
☆2003年 ライヴ・イン・スウェーデン/Live in Stockholm 1998
☆2004年 アマータ/Amata
☆2004年 アジェンダ/Agenda
2011年 レイズド・イン・キャプティヴィティー/Raised in Captivity
☆2015年 ライヴ・ヴィア・サテライト/Live via Satellite
★2015年 Studio Recording Anthology
<ゲスト参加>
◇デヴィッド・バイロン
1975年 テイク・ノー・プリズナーズ/Take No Prisoners
◇イアン・マクドナルド
1999年 ドライヴァーズ・アイズ/Drivers Eyes
◇ゴードン・ハスケル
1971年 歳時記/It Is and It Isn't
ヴァイブレイションズ Positive Vibrations
【歌・演奏】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【リリース】
1974年4月
【録音】
スペース・スタジオ
【プロデューサー】
アルヴィン・リー/Alvin Lee
【エンジニア】
アンディ・ジャウォースキー/Andy Jaworski
ハロルド・バーゴン/Harold Burgon
【レーベル】
クリサリス/Chrysalis(UK)
コロンビア/Columbia(USA)
【録音メンバー】
☆テン・イヤーズ・アフター
アルヴィン・リー/Alvin Lee(guitars, vocals, harmonica, backing-vocals④)
チック・チャーチル/Chick Churchill(organ, piano, synthesizer)
レオ・ライオンズ/Leo Lyons(bass)
リック・リー/Ric Lee(drums, percussion, backing-vocals④)
★ゲスト・ミュージシャン
ハロルド・バーゴン/Harold Burgon(backing-vocals④)
【収録曲】☆シングル=③⑤⑥
side:A
① ノーホエア・トゥ・ラン 4:02
Nowhere to Run(Alvin Lee)
② ポジティヴ・ヴァイブレイションズ 4:20
Positive Vibrations(Alvin Lee)
☆③ ストーン・ミー 4:57
Stone Me(Alvin Lee)
※1974年シングル・リリース(スペインのみ)
④ ウィズアウト・ユー 4:00
Without You(Alvin Lee)
☆⑤ ゴーイング・バック・トゥ・バーミンガム 2:39
Going Back to Birmimgham(Little Richard)
※1974年シングル・リリース(フランスのみ)
side:B
☆⑥ イッツ・ゲッティング・ハーダー 4:24
It's Getting Harder(Alvin Lee)
※1974年シングル・リリース(北米、オランダのみ)
⑦ ユアー・ドライヴィング・ミー・クレイジー 2:26
You're Driving Me Crazy(Alvin Lee)
⑧ ルック・イントゥ・マイ・ライフ 4:18
Look Into My Life(Alvin Lee)
⑨ ルック・ミー・ストレイト・イントゥ・ジ・アイズ 6:20
Look Me Straight into the Eyes(Alvin Lee)
⑩ アイ・ウォンテッド・トゥ・ブギー 3:36
I Wanted to Boogie(Alvin Lee)
【チャート】
1974年週間アルバム・チャート
イギリス チャート圏外 アメリカ(ビルボード)81位
カナダ78位 オーストラリア84位 デンマーク15位 ノルウェイ18位 スウェーデン11位
【メ モ】
テン・イヤーズ・アフターの通算8作目のスタジオ・アルバム。通算10作目(うちライヴ・アルバム2作)。
このアルバムを発表して間もなく、テン・イヤーズ・アフターは解散した。
ライヴ! Recorded Live
【歌・演奏】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【リリース】
1973年6月
【録音】
1973年1月26日~1月29日(フランクフルト、ロッテルダム、アムステルダム、パリ)
【プロデューサー】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【エンジニア】
クリス・キムゼイ/Chris Kimsey
【レーベル】
クリサリス/Chrysalis(UK)
コロンビア/Columbia(USA)
【録音メンバー】
☆テン・イヤーズ・アフター
アルヴィン・リー/Alvin Lee(guitars, vocals)
チック・チャーチル/Chick Churchill(organ, piano)
レオ・ライオンズ/Leo Lyons(bass)
リック・リー/Ric Lee(drums)
【収録曲】☆シングル=⑬
side:A
① ワン・オブ・ジーズ・デイズ 5:36
One of These Days(Alvin Lee)
② ユー・ギヴ・ミー・ラヴィング 5:25
You Give Me Loving(Alvin Lee)
③ グッドモーニング・リトル・スクールガール
Good Morning Little Schoolgirl(Sonny Boy Williamson Ⅰ)
side:B
④ ホビット 7:15
Hobbit(Ric Lee)
⑤ ヘルプ・ミー 10:44
Help Me(Sonny Boy WilliamsonⅡ, Willie Dixon, Ralph Bass)
sode:C
⑥ クラシカル・シング 0:55
Classical Thing(Alvin Lee)
⑦ スキャット・シング 0:54
Scat Thing(Alvin Lee)
⑧ アイ・キャント・キープ・フロム・クライン・サムタイムス(part 1) 1:57
I Can't Keep From Cryin' Sometimes (Part 1)(Al Kooper)
⑨ ロックンロール・ミュージック・トゥ・ザ・ワールド 10:46
Extension on One Chord(Alvin Lee, Ric Lee, Chick Churchill, Leo Lyons)
⑩ アイ・キャント・キープ・フロム・クライン・サムタイムス(part 2) 3:21
I Can't Keep From Cryin' Sometimes (Part2)(Al Kooper)
side:D
⑪ シリー・シング 0:26
Silly Thing(Alvin Lee)
⑫ スロウ・ブルース・イン'C' 7:24
Slow Blues in 'C'(Alvin Lee)
☆⑬ アイム・ゴーイング・ホーム 9:30
I'm Going Home(Alvin Lee)
※1973年シングル・リリース(ヨーロッパ、北米、オーストラリアのみ)
⑭ チュー・チュー・ママ 2:56
Choo Choo Mama(Alvin Lee)
【チャート】
1973年週間アルバム・チャート
イギリス36位 アメリカ(ビルボード)39位
カナダ28位 オーストラリア42位 ドイツ10位 イタリア25位 デンマーク23位 フィンランド28位 ノルウェイ9位 スウェーデン11位
【メ モ】
テン・イヤーズ・アフター通算9作目のアルバム。ライヴ・アルバムとしては『イン・コンサート』(1968年)以来2作目である。
このアルバムは、ローリング・ストーンズの移動式録音機材を使って、アムステルダム、ロッテルダム、フランクフルト、パリで四晩にわたって録音された。その後ロンドンのオリンピック・スタジオでミックス・ダウンされたが、オーヴァー・ダブなどの加工は一切されていない。
ロックンロール・ミュージック・トゥ・ザ・ワールド Rock & Roll Music to the World
【歌・演奏】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【リリース】
1972年9月
【録音】
オリンピック・スタジオ(ロンドン)②③④⑥⑦⑧⑨
サン・ジャン・カップ・フェラ(南フランス)①⑤
【プロデューサー】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【エンジニア】
クリス・キムゼイ/Chris Kimsey
【レーベル】
クリサリス/Chrysalis(UK)
コロンビア/Columbia(USA)
【録音メンバー】
☆テン・イヤーズ・アフター
アルヴィン・リー/Alvin Lee(guitars, vocals)
チック・チャーチル/Chick Churchill(organ, piano, synthesizer)
レオ・ライオンズ/Leo Lyons(bass)
リック・リー/Ric Lee(drums)
【収録曲】☆シングル=④⑤⑦⑧⑨
side:A
① ユー・ギヴ・ミー・ラヴィング 6:33
You Give Me Loving(Alvin Lee)
② コンヴェンション・プリヴェンション 4:23
Convention Prevention(Alvin Lee)
③ T.V.ブルース 5:13
Turned - Off TV Blues(Alvin Lee)
※1971年週間シングル・チャート US40位 カナダ10位
☆④ ステイション 7:11
Standing at the Station(Alvin Lee)
※1973年シングル・リリース(フランスのみ)
side:B
☆⑤ ユー・キャント・ウィン 4:06
You Can't Win Them All(Alvin Lee)
※1972年シングル・リリース(ヨーロッパのみ)
⑥ リリジョン 5:49
ReLigion(Alvin Lee)
☆⑦ チュー・チュー・ママ 4:02
Choo Choo Mama(Alvin Lee)
※1972年週間シングル・チャート US89位(リリース=北米、ニュージーランドのみ)
☆⑧ アイル・ビー・アウト・オブ・タウン 4:29
Tomorrow I'll Be Out of Town(Alvin Lee)
※1973年シングル・リリース(北米のみ)
☆⑨ ロックンロール・ミュージック・トゥ・ザ・ワールド 3:47
Rock & Roll Music to the World(Alvin Lee)
※1972年シングル・リリース(ヨーロッパ、日本のみ)
【チャート】
1972年週間アルバム・チャート
イギリス27位 アメリカ(ビルボード)43位
カナダ19位 ドイツ30位 デンマーク2位 フィンランド22位 ノルウェイ15位 スウェーデン8位
【メ モ】
テン・イヤーズ・アフターの通算8作目のアルバム。スタジオ・アルバムとしては7作目。
ノーマンズ・ランド Nomans Land(Live in Poland)
【歌・演奏】
ジョン・ウェットン/John Wetton
【リリース】
1999年6月
【録音】
1998年5月2日 ビドゴシチ(ポーランド)
1998年5月13日 クラクフ(ポーランド)
【プロデューサー】
ロブ・オーブリー/Rob Aubrey
マーティン・オーフォード/Martin Orford
ジョン・ウェットン/John Wetton
【エンジニア】
ロブ・オーブリー/Rob Aubrey
【レーベル】
Giant Electric Pea
【録音メンバー】
ジョン・ウェットン/John Wetton (bass, aoustic-guitar, 12strings-guitar, piano, lead-vocals)
デヴィッド・キルミンスター/David Kilminster(guitar, harmony-vocals)
マーティン・オーフォード/Martin Orford(keyboards, flute, harmony-vocals)
スティーヴ・クリスティー/Steve Christey(drums)
【収録曲】 *=日本盤のみボーナス・トラック ◎=インストゥルメンタル
◎① イントロ - ギター・コンチェルト 0:31
Intro - Guitar Concerto(Antonio Vivaldi)
② ザ・ラスト・シング・オン・マイ・マインド 4:28
The Last Thing on My Mind(Billy Liesegang, John Wetton)
③ 孤独のサヴァイヴァー 6:50
Sole Survivor(Geoff Downes, John Wetton)
④ 土曜日の本 3:03
Book of Saturday(Richard Palmer-James, Robert Fripp, John Wetton)
⑤ エマ 3:19
Emma(John Wetton)
◎⑥ タトラ 5:00
Tatras(Martin Orford)
⑦ イン・ザ・デッド・オブ・ナイト 5:56
In The Dead of Night(Eddy Jobson, John Wetton)
◎⑧ バイゴッシュ 3:28
Bygosh!!(Wetton, Orford, Kilminster, Christey)
⑨ イージー・マネー 7:00
Easy Money(Richard Palmer-James, Robert Fripp, John Wetton)
⑩ ランデブー 6:02 5:23
Rendezvous 6:02(Eddy Jobson, John Wetton)
◎⑪ イゴールの誕生 3:10
The Birth of Igor(Wetton, Kilminster, Orford)
⑫ アフター・オール 4:34
After All(John Wetton, John Young)
⑬ スターレス 10:17
Starless(Richard Palmer-James, Robert Fripp, John Wetton)
⑭ ザ・ナイト・ウォッチ 4:02
The Night Watch(Richard Palmer-James, Robert Fripp, John Wetton)
*⑮ スザンヌ 3:53
Suzanne
【メ モ】
ジョン・ウェットンの1998年のヨーロッパ・ツアーのうち、ポーランドのビドゴシチ公演とクラクフ公演を収録したライヴ・アルバム。
曲の内訳は、エイジア③、キング・クリムゾン④⑨⑬⑭、U.K.⑦⑩、ジョン・ウェットンのアルバム『Arkangel』より②⑤⑫、マーティン・オーフォードの曲⑥、新曲①⑧⑪となっている。
ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ John Barleycorn Must Die
※旧邦題『トラフィック・ルネッサンス/ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ』
【歌・演奏】
トラフィック/Traffic
【リリース】
1970年7月1日
【録音】
1970年2月~4月 アイランド・スタジオ(ロンドン)、オリンピック・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
クリス・ブラックウェル/Chris Blackwell①②③⑤
スティーヴ・ウィンウッド/Steve Winwood①②③⑤
ガイ・スティーヴンス/Guy Stevens④⑥
【エンジニア】
ブライアン・ハンフリーズ/Brian Humphries
アンディ・ジョンズ/Andy Johns
【レーベル】
アイランド/Island(UK)
ユナイテッド・アーティスツ/United Artists(USA)
ポリドール/Polydor(カナダ)
【収録曲】 ★シングル=①③
side:A
★① グラッド 6:59
Glad(Steve Winwood)
※1971年リリース
② フリーダム・ライダー 6:20
Freedom Rider(Steve Winwood, Jim Capaldi)
★③ エンプティ・ページズ 4:47
Empty Pages(Steve Winwood, Jim Capaldi)
※1970年7月1日リリース(USのみ) 1970年週間シングル・チャート US74位、カナダ53位
side:B
④ ストレンジャー・トゥ・ヒムセルフ 4:02
Stranger to Himself(Steve Winwood, Jim Capaldi)
⑤ ジョン・バーレイコーン 6:20
John Barleycorn (Must Die)(traditional;arranged by Steve Winwood)
⑥ エヴリ・マザーズ・サン 7:05
Every Mother's Son(Steve Winwood, Jim Capaldi)
【録音メンバー】
☆トラフィック
スティーヴ・ウインウッド/Steve Winwood(organ, acoustic-piano, electric-piano, bass, acoustic-guitar, percussions, vocals)
クリス・ウッド/Chris Wood(flute, sax, electric-sax, flute, organ, percussions)
ジム・キャパルディ/Jim Capaldi(drums, percussions, backing-vocals)
【チャート】
1970年週間アルバム・チャート
UK11位 US(ビルボード)5位、カナダ6位、オーストラリア14位、オランダ5位、ノルウェイ15位
1970年年間アルバム・チャート
US(ビルボード)82位
【メ モ】
トラフィックの3枚目のスタジオ・アルバム(そのほかコンピレイション・アルバムが2枚ある)のアルバム。再結成して初めてのアルバムでもある。
アメリカではビルボード5位を記録したが、これはトラフィックのバンド史上ビルボードでの最高位であり、アメリカではRIAAのゴールド・アルバムに認定された。
シングル「エンプティ・ページズ」ビルボードHot100に8週間チャート・インしており、最高74位を記録している。
ブラインド・フェイス解散後の1970年初め、ウィンウッドは『マッド・シャドウズ』というタイトルのソロ・アルバムを制作するためにスタジオ入りする。この時ウィンウッドは、クリス・ウッドとジム・キャパルディが音楽的に同じ方向にあるとして、ふたりのレコーディング参加を望んだ。これがトラフィックの再結成と繋がった。
こうしてアルバムはウィンウッドのソロからトラフィック名義へと変わり、当初のタイトル『マッド・シャドウズ』は、プロデューサーのガイ・スティーヴンスが同時期にプロデュースしていたモット・ザ・フープルのセカンド・アルバムのタイトルになった。
アルバム・タイトルの「ジョン・バーレイコーン」は、お酒を賞賛する内容のイングランド民謡である。歌詞の中に登場する「ジョン・バーレイコーン」とは、ビールやウィスキーを人間に模したものである。
1971年の映画、ダリオ・アルジェント監督作品『4匹の蝿』のパーティーの場面で、このアルバムが目立つよう置かれているのが見える。
スペース・イン・タイム A Space in Time
【歌・演奏】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【リリース】
1971年8月
【録音】
オリンピック・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
テン・イヤーズ・アフター/Ten Years After
【エンジニア】
クリス・キムゼイ/Chris Kimsey
【レーベル】
クリサリス/Chrysalis(UK)
コロンビア/Columbia(USA)
【録音メンバー】
☆テン・イヤーズ・アフター
アルヴィン・リー/Alvin Lee(guitars, vocals)
チック・チャーチル/Chick Churchill(keyboards)
レオ・ライオンズ/Leo Lyons(bass)
リック・リー/Ric Lee(drums)
【収録曲】☆シングル=③⑤
side:A
① ワン・オブ・ジーズ・デイズ 5:52
One of These Days(Alvin Lee)
② ヒア・ゼイ・カム 4:27
Here They Come(Alvin Lee)
☆③ チェンジ・ザ・ワールド 3:42
I'd Love to Change the World(Alvin Lee)
※1971年週間シングル・チャート US40位 カナダ10位
④ オーヴァー・ザ・ヒル 2:28
Over the Hill(Alvin Lee)
☆⑤ ロックン・ロール・ユー 2:10
Baby Won't You Let Me Rock 'n' Roll You(Alvin Lee)
※1971年週間シングル・チャート US61位 カナダ54位
side:B
⑥ 過ぎたむかし 3:20
Once There Was a Time(Alvin Lee)
⑦ レット・ザ・スカイ・フォール 4:19
Let the Sky Fall(Alvin Lee)
⑧ ハード・モンキーズ 3:12
Hard Monkeys(Alvin Lee)
⑨ アイヴ・ビーン・ゼア・トゥー 5:40
I've Been There Too(Alvin Lee)
⑩ アンクル・ジャム 1:54
Uncle Jam(Chick Churchill, Alvin Lee, Ric Lee, Leo Lyons)
【チャート】
1971年週間アルバム・チャート
イギリス36位 アメリカ(ビルボード)17位
カナダ21位 オーストラリア18位 ドイツ35位 デンマーク8位 フィンランド11位 ノルウェイ13位 スウェーデン9位
【メ モ】
テン・イヤーズ・アフターの通算7作目のアルバム。スタジオ・アルバムとしては6作目。
テン・イヤーズ・アフターのアルバムの中では唯一のアメリカにおけるミリオン・セラー・アルバムである。アメリカでプラチナ・アルバム、カナダでゴールド・アルバムに認定されている。
シングル・カットされた③「チェンジ・ザ・ワールド」はビルボードで最高40位を記録。これがテン・イヤーズ・アフターのシングルでビルボードトップ40位入りした唯一の曲である。
罪なきいけにえ Innocent Victim
【歌・演奏】
ユーライア・ヒープ/Uriah Heep
【リリース】
1977年11月
【録音】
1977年7月~9月
ラウンドハウス・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
ジェリー・ブロン/Gerry Bron
ケン・ヘンズレー/Ken Hensley
【エンジニア】
ピーター・ギャレン/Peter Gallen
マーク・ディアンリー⑨/Mark Dearnley
【レーベル】
ブロンズ/Bronze(イギリス)
ワーナー・ブラザーズ/Warner Brothers(アメリカ)
【収録曲】(☆シングル=⑥)
side:A
① キープ・オン・ライディング 3:40
Keep on Ridin'(Ken Hensley, Jack Williams)
② フライン・ハイ 3:19
Flyin' High(Ken Hensley)
③ ローラー 4:41
Roller(Trevor Bolder, Pete McDonald)
④ フリーン・イージー 3:05
Free 'n' Easy(Mick Box, John Lawton)
⑤ 幻想 5:05
Illusion(Ken Hensley)
side:B
☆⑥ フリー・ミー 3:34
Free Me(Ken Hensley)
*1977年10月21日リリース(UK) ニュージーランド3位、南アフリカ3位、スイス8位、オーストリア8位、ドイツ9位、オーストラリア18位
⑦ ぺてんとうそ 4:54
Cheat 'n' Lie(Ken Hensley)
⑧ ザ・ダンス 4:49
The Dance(Jack Williams)
⑨ チョイス 5:49
Choices(Jack Williams)
【録音メンバー】
☆ユーライア・ヒープ
ジョン・ロートン/John Lawton(lead-vocals)
ミック・ボックス/Mick Box (guitars)
ケン・ヘンズレー/Ken Hensley(keyboards, guitars, backing-vocals)
トレヴァー・ボルダー/Trevor Bolder(bass)
リー・カースレイク/Lee Kerslake(drums, backing-vocals)
【チャート】
1977年~1978年週間アルバム・チャート
アメリカ(ビルボード)=圏外、イギリス=圏外
ノルウェイ13位、ドイツ15位、ニュージーランド19位、オーストラリア44位
1978年年間アルバム・チャート
ドイツ37位
【メ モ】
ユーライア・ヒープ11作目のスタジオ・アルバム。
このアルバムは、英米のチャートでは圏外であるが、ドイツでは10万枚以上売り上げてBVMI認定ゴールド・アルバムを獲得している。またニュージーランドでもRecorded Music NZ認定のゴールド・アルバムを獲得している。
バンドのメンバーは、前作「ファイアフライ」と同じである。
シングル「フリー・ミー」は、ニュージーランドと南アフリカのチャートで最高3位を記録した。またオーストラリアではチャート9位を記録したが、この曲がユーライア・ヒープのオーストラリアにおける唯一のヒット曲である。
ジャケットのアートワークのヘビの目は、ドラマーのリー・カースレイクの目が使用されている。
モーグル・スラッシュ Mogul Thrash
【活動期間】
1970年~1971年
【メンバー】
ジェームス・リザーランド/James Litherland(vocals, guitar)
ジョン・ウェットン/John Wetton(bass, vocal)
ビル・ハリスン/Bill Harrison(drums)
ロジャー・ボール/Roger Ball(sax)
マルコム・ダンカン/Malcom "Molly" Duncan(sax)
マイケル・ローゼン/Michael Rosen(guitar, trumpet)
モーグル・スラッシュはイングランドのジャズ・ロック・バンド。
「Splinter」というロンドンのバンドの解散後、メンバーだったジョン・ウェットン(bass, vocal)とエド・ビックネル(drums)が、「ダンディ・ホーンズ」として活動していたマルコム・ダンカン(sax)とロジャー・ボール(sax)のふたりに出会い、新たなバンドを結成するために動き始める。
このバンドに「コロシアム」を脱退したジェームス・リザーランドが関心を示し、加わることになる。
こうして1969年9月に結成された新バンドの名は、当初は「Brotherhood」だったが、メンバーの中で唯一名を知られていたのがリザーランドだったため、彼の知名度を利用して「James Litherland's Brotherhood」と名乗ることになった。
1969年12月にはドラマーがビル・ハリスンに交替。さらに元エレクションのマイケル・ローゼン(guitar, trumpet)が加わって、バンドは6人編成となる。
1970年5月、RCAと契約を交わすことになったが、この時に同名グループが存在することが分かったため、バンド名を「モーグル・スラッシュ」と改めた。
さっそくプロデューサーにブライアン・オーガーを迎え、1970年11月にシングル「Sleeping In the Kitchen」をリリース。さらにアルバムのレコーディングを行い、1971年2月にファースト・アルバム「モーガル・スラッシュ」を発表した。
ブルースとジャズのエッセンスをハード・ロックにも通ずるパワフルなサウンドの中に活かしており、とくにジョン・ウェットンとビル・ハリスンの自由度の高い演奏がバンドの推進力となっている。ギター、ヴォーカル、ソングライティングを担当するリザーランドの存在が前面に出てきているため、コロシアムを彷彿とさせるサウンドになっている。
本国イギリスではあまり知られることがなかったが、ヨーロッパ各地域では好評を得た。その後ツアーを行うなど精力的に活動したが、レーベル側の法的問題もあって、1971年5月には解散を余儀なくされた。
解散後、ジェームス・リザーランドは「ミリオン」を結成、ジョン・ウェットンは「ファミリー」に参加した。
ダンカンとボールはのちアヴェレイジ・ホワイト・バンドの結成に参加し、大きな成功を収めることになる。
【メンバー変遷】
#1 1969
ジェームス・リザーランド(vocal, guitar)
ジョン・ウェットン(bass, vocal)
エド・ビックネル(drums)
ロジャー・ボール(sax)
マルコム・ダンカン(sax)
#2 1969~1971
ジェームス・リザーランド(vocal, guitar)
ジョン・ウェットン(bass, vocal)
ビル・ハリスン(drums)
ロジャー・ボール(sax)
マルコム・ダンカン(sax)
マイケル・ローゼン(guitar, trumpet)
【ディスコグラフィ】
<アルバム>
1971年 モーグル・スラッシュ/Mogul Thrash ※旧邦題「炸裂!モーグル・スラッシュ」
<シングル>
1971年 Sleeping in the Kitchen
モーグル・スラッシュ Mogul Thrash
※旧邦題『炸裂!モーグル・スラッシュ』
【歌・演奏】
モーグル・スラッシュ/Mogul Thrash
【リリース】
1971年
【録音】
1970年6月 アドヴィジョン・スタジオ(ロンドン)
【プロデューサー】
ブライアン・オーガー/Brian Auger
【エンジニア】
エディ・オフォード/Eddy Offord
【レーベル】
RCA
【録音メンバー】
<モーグル・スラッシュ>
ジェームズ・リザーランド/James Litherland(guitar, vocals)
ジョン・ウェットン/John Wetton (bass, guitar, vocals)
ビル・ハリスン/Bill Harrison(drums)
ロジャーボール/Roger Ball(alto-sax, baritone-sax, soprano-sax)
マルコム・ダンカン/Malcom Duncan(tenor-sax)
マイケル・ローゼン/Michael Rosen(trumpet, mellophone, guitar)
<ゲスト・ミュージシャン>
ブライアン・オーガー/Brian Auger(piano⑤)
【収録曲】(brass Arranged by Roger Ball)
side:A
① サムシング・サッド 7:36
Something Sad(Roger Ball)
② エレジー 9:36
Elegy(James Litherland)
③ ガラスと砂の夢 5:09
Dreams of Glass and Sand(James Litherland, Pete Brown)
side:B
④ 北へ、西へ 12:01
Going North, Going West(James Litherland, Pete Brown)
⑤ 聖ピーター 3:39
St. Peter(Alan Gorrie, John Wetton)
⑥ 不思議な声 7:13
What's This I Hear(James Litherland, Michael Rosen)
【メ モ】
イギリスのプログレッシヴ・ジャズ・ロック・バンド、モーグル・スラッシュが唯一リリースしたアルバム。
ブルースとジャズのエッセンスを保ちつつも、ハード・ロックにも通ずるパワフルなサウンドを展開している。
ジョン・ウェットンのベースは、当時としてはジャック・ブルースやティム・ボガードらにも匹敵する自由度の大きさを誇っている。
ジェームス・リザーランドのギターとヴォーカルが前面に出ていること、ベースとドラムが自由度の高い演奏を繰り広げていること、ホーン・セクションを活かしたアレンジなど、コロシアムを彷彿とさせるサウンドである。