本のない生活なんて、全然考えられません。
幼児のころ、字を覚えたのも、本が読みたいからだったそうです。「この字を教えて」と言ってくるうちに、自分で読めるようになったと、母が教えてくれました。
今は、毎晩、ベッドに入ってから、同じページから進まなくなった時まで、読んでいます。
小さなころから、ずっと本がなくてはならない生活を送ってきました。
中学生までは児童書、高校生から大学までが一番本を読んだころで、世界の古典文学から近代文学まで手当たり次第に読みました。
好きな作家もドストエフスキー、ロマン・ロラン、夏目漱石、福永武彦、大江健三郎、村上龍など、いろいろですが、読んだ後に希望を感じられる作家がやはり好きでした。
だんだん年を取っていくうちに、純文学だけでなく、物語性のある小説も好きになりました。
ある年、友達が、児童文学を送ってくれて、それから児童文学も読むようになりました。たくさんの良い小説があり、感動的な物語があります。
「指輪物語」、「ゲド戦記」、「まぼろしの小さい犬」、「目覚めれば魔女」、日本には、「鹿の王」などのたくさんの名作があります。最近読んだ桜庭一樹の「GOSICK」も面白かったです。
一番最近読み終わった本は、「窓から逃げた100歳老人」、スウェーデンの作家ヨナス・ヨナソンの奇想天外な小説です。100才の誕生日に老人施設から逃げ出したアラン・カールソンのいろいろな人との出会いと冒険の物語です。
考えられないようなストーリーですが、なんとも愉快で、人はこんな風に生きられたらいいなあと思いながら読みました。
今は、ヴァージニア・ハミルトンの「ジュニア・ブラウンの惑星」を読み始めました。文章に切れがあり、何かが起こりそうな始まりです。黒人の男の子二人の青春小説です。
今、アメリカで人種差別に反対するデモが起こっていますが、今生きている現実の中でも、小説の中でも、人は弱さや醜さと戦い続けるのだと思います。
小説を読むことは、人間の未来に対する希望を、見つけることなのかもしれないと思っています。