1999年に薔薇の庭を作り始めました。それから、夫が倒れるまでの15年ほど、毎年薔薇の庭を作り続けていました。
最初の頃は、どんなふうに薔薇を増やしていこうかと、作る楽しみを満喫していたと思います。
そのうち、薔薇を育てることより、庭を作ることに興味を持ち始め、薔薇の数は減らして、風景としての庭を作りたいと思い始めました。
乳がんにかかって体力を失い、そのせいで、薔薇を減らしたいと思ったということもあります。
そして、やっと思い通りの庭に近づいたと思った頃に夫が倒れ、自分も病気になってしまいました。
それからは、本当に薔薇のことなど、考えられない日々を送りました。今は、寂しげな薔薇のちょっとある庭になりました。
薔薇の庭を作っているころは、いろいろな人に見たいといわれ、お友達や、知り合いの人たち、見ず知らずの人たちや、知人からの聞き伝えで来られた人など、どんな人にも見ていただきたいと招待しました。
一番多く人が来られた年は、20日くらいの見ごろの間に20組以上の方がいらっしゃいました。そんな年が7・8年続いたと思います。
コーヒーとケーキでもてなし、おしゃべりに花が咲いた、とても楽しく忙しい年月でした。
今は、どなたにも見ていただけるような庭ではないのですが、私には、ちょっとした夢があります。
昔、薔薇を見に来ていただいた人たちのどなたかが、いつか、薔薇はどうですか?と訪ねてくださらないかなーと思っているのです。
そんな夢がかなうと、ちょっと幸せを感じられるかもと思っています。
薔薇の写真は、2003年の写真です。ベンチ、アーチ、テラス、庭の塀のところ、そして、アンジェラです。まだ薔薇が若いなと思う写真を見ながら、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。