私は、ヨーロッパ風の家具を置きたいと思ってきました。繊細で、落ち着いた感じになればいいと思ってきました。イギリス風がいいかなーとも思ってきました。
それで、家具はそんな風なものを置いて、ヨーロッパ風のアンティークな雰囲気を気に入っていました。
でも、物は傷みます。夫が亡くなってから、もう贅沢はできないから、何でも我慢しようね、と母と話してはいるのですが、この頃私のデスクの椅子の背もたれの籐の部分が破れてきました。
洋服に引っかかるようになって、気になり始めました。これはやっぱり買い替えなくてはならないかと、思うようになりました。
物は、傷みます。人間だって傷んでくるし、動植物も傷みます。老いという名の傷みです。私や母のこと、チャーリーのこと、薔薇だって、30年の寿命といわれています。年を取ると、薔薇も勢いが亡くなり、花も小さくなるようです。
物は、生きているものほど、目立ちませんが、やはり衰えるし、寿命が来ます。私は、命のあるものも、無機質なものも衰えて、入れ替わっていくものだと思っています。
そして、わが家のリビングの机の椅子は、ちょっと衰えてしまったようです。そこで、おやつをちょっと(かなりかも?)控えて、椅子を買いましょう、ということになりました。
ところが、好みも変わるのです。今までは、イギリス風がいいよねーと思っていたのに、いつの間にかイタリア風がいいんじゃない、と思うようになりました。
今まで買ってきた家具屋さんでは同じようなものしか買えません。もし、家具を買うのなら、ここで買いたいと思っていたインターネットの家具屋さんがあります。そこでイタリア風を買おう! と思っていた家具屋さんが、3月に閉店することになりました。
かなりのショックでしたが、でも、椅子は買えます。パソコンの画面とにらめっこして、今までの椅子と同じくらいの大きさの椅子を買うことにしました。
白い縁取りの椅子です。とても素敵な椅子ですが、ちょっと大きい、足がでかい、部屋に入ると、椅子が女王様のように鎮座ましましているのが、目に飛び込んできます。
最初は、大きいねー、椅子ばかり目立つねーといいながら、慣れるようにと思っていたら、やっぱり慣れるのです。目はとても不思議な働きをして、きれいじゃない? とか、思うようになりました。
座り心地もとてもよくて、今は、ちょっと動かすのが大変なのですが、気に入っています。そのうち、何の違和感もなくなるのでしょう。ほかの家具と同じように、古びてくると、きっとそこにあるのが当然と思うようになると思います。
写真は、最初に買った椅子の写真、机の前に置いた写真、そして、白い椅子、机の前の椅子、昔は、机の上もきれいに片づけていたのですが、今は、もう元気がなくて、片づけの気持ちもなくなりました。写真を小さく切り取っているのは、書類の塊が見えなくなるように、という魂胆です。
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