この絵を描くときに見た写真は、私の20代前半の終わりごろ、もうすぐ結婚することが決まっていたころです。
私は、大学を卒業してから、一般企業に就職し、事務職などやっていました。本当は自分のやりたいことは違うのにと思いながら、何もしないままに時間が過ぎていた頃です。
友達も夫も何か書いたら、といい、あなたの文章を楽しみにしているといった友達もいて、私は、いったい何をしているんだと思っていました。
思うような自分の人生はどうすれば送れるのかと、いつも気持ちが揺らぎ、暗いところへ向かっていきました。
いろいろな社会の取り決めなどに振り回され、自分というものをすっかりなくして行った頃だと思います。
お給料はもらえたので、親に貯金として渡したもの以外は、自分の好きな洋服や化粧品、本やレコードに使っていました。
その時代の流行などに気持ちを動かされ、自分の道をすっかり見失った頃の写真を見て描きました。
夫も社会に出て、きつい思いをしていましたし、大学時代の友達2人は結婚して、私の近くに住んでいませんでした。大学時代のような青春を生きるという日々は、もう失われてしまっていました。
このころに自分の姿をよく見ていたら、何か見つけられたのだろうと思います。でも、過去を取り戻すことはできないのだから、そうだあの頃はああいう風にしか生きられなかったのだと、納得しています。
今度の絵は、顔を描きすぎて、赤っぽくなりました。なかなか思うようにはなりません。
若いころはとてもやせていて、今、若いころはね、といっってもみんなに笑って返されます。時代は過ぎていきますね。
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