「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」
日経コンピュータ他著、日経BP、2020年2月
本書のメインテーマは、2019年7月に全面稼働した
みずほフィナンシャルグループの新勘定系システム「MINORI」について、
その全貌、開発・移行プロジェクト詳細、デジタル戦略の解説です。
図表や具体的な数字を用いて説明されていて分かりやすいです。
三菱UFJや三井住友に比べて、高コストなシステム統合プロジェクトになってしまいました。
これは三菱UFJは三菱、三井住友が住友主導で進められたのに対し、
みずほは第一勧業・富士・日本興業と統合前の力関係(特に第一勧業・富士)が拮抗しており、
互いに譲らなかったことが影響しているようです。
新システムの話だけでは紙面が埋まらなかったのか、
第二部は2011年東日本大震災直後の大規模障害、
第三部は2002年合併直後の大規模障害
の話。
関係者としてはいまさらほじくりかえしてほしくないところでしょう。
日経コンピュータの記事を元に作成された部分も多いようで、
どこかで読んだ気がする箇所も多いです。