「マネー・ボール」
マイケル・ルイス著、中山宥訳、RHブックスプラス、2006年3月
2000年代前半のMLB、オークランド・アスレチックス
ビリー・ビーンGMを筆頭とする球団の取り組みを描いた作品。
ブラッド・ピット主演で映画化されたことでも話題となりました。
新たな球団運営や選手評価の指標(セイバーメトリクス)・考え方を取り入れて、
弱小球団がお金を掛けずに強豪球団になっていきます。
いまではすっかり定着した指標もあります。
自分はこの本を読むまでは知らなかったり、
単語くらいはなんとなく聞いたことのある程度でした。
・打者の評価では、打率、打点、本塁打ではなく、OPS(出塁率+長打率)を重視
・バント、盗塁、ヒットエンドランは非効率
・守備力は試合の5パーセント程度しか影響を与えない
・相手投手に球数を多く投げさせる
・投手の評価では、防御率、被安打率より与四球、奪三振、被本塁打、被長打を重視
など。
これらの有効性もさることながら、チームに浸透させたビリー・ビーンの手腕も見事。
四球重視の影響から、近年では日本に来る外国人も選球眼が良くなった気がします。
ただ、相手に球数を放らせて四球を選ぶのを続けると、試合時間が長くなってしまうのが玉にキズ。
マイケル・ルイスはアメリカの投資銀行、ソロモン・ブラザーズを退職して作家になったそうで、
金融関係のノンフィクションも書いています。
本作をきっかけに何作か読みましたので、おいおいレビューしたいと思います。
自分が買った当時は、RHブックスプラスという聞き慣れないところから出版されていましたが、
いまはハヤカワ・ノンフィクション文庫から出版されているようです。
関連エントリ: