「八日目の蝉」
角田光代、中公文庫、2011年1月
「その子はまだごはんを食べていません」。
映画館で見て、その後テレビで何度も見て、
このシーンで感極まってきましたが、
本を読むのは2011年、映画公開前に読んで以来久しぶりです。
不倫相手の赤ちゃんを誘拐した希和子と、
誘拐された女の赤ちゃん薫(恵理菜)。
1章では2人が徐々に追い詰められながら、本当の親子のようになっていく、
相反する逃避行が描かれていて、ページが進むにつれ鳥肌が立ってきます。
2章は大学生になった恵理菜の生活と、恵里菜の視点から事件が回想されます。
上記の名セリフは、本でも後半に出てくるんですね。
異なるシチュエーションで文章がまったく同じのセリフ、描写が使われているのを2箇所見つけました。
もしかしたら他にもあるのかもしれません。
ディテールまで凝っています。
また映画版が見たくなってきました。
※タイトルの「八日目の蝉」の意味はP.343参照。
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