「未来」
湊かなえ著、双葉文庫、2021年8月
10歳の少女の元に、30歳の自分が送り主の手紙が届いたことから始まるミステリー。
湊かなえのデビュー10周年記念作品です。
2018年5月に単行本が出版され、今年8月に文庫本が出版されました。
「湊ワールドの集大成」と銘打っているだけあって、
・手紙形式
・自分語り
・学校が舞台
・一つの出来事を複数の人物の視点を通して描写
・物語が世代間を行き来
など、作者が得意とする手法が織り込まれています。
また、
・いじめ
・シングルマザー
・ヤングケアラー
・DV
など、昔から潜在的には存在していたと思われますが、
近年顕在化してきた家庭・教育の諸問題を題材にしています。
後半は多少救いや希望がありますが、前半は重苦しく、
コロナ禍ではページが進まない読者もいるかもしれません。
読み終えてシャインマスカットが食べたくなりました。
関連エントリ:
境遇
往復書簡
夜行観覧車
告白(書籍)