「未来の年表」
河合雅司著、講談社現代新書、2017年6月
日本の少子高齢社会の未来図を、
時系列に沿って、かつ体系的に解き明かし、
講ずべき適切な対策を挙げた本。
2部構成で、第1部では本書が出版された2016年から、
50年後の2065年までに起こりうることを時系列で表し、
第2部では「日本を救う10の処方箋」を挙げています。
読み進めるほど、先行きが思いやられて気持ちが沈んでいきますが、
いちばん「なるほど」と思ったのは、
1番目の処方箋、「高齢者を削減」の項目。
これは物騒なことを言っているのではなく、
65歳以上を「高齢者」と位置づける現在の定義を変更しよう、というもの。
確かに今の65歳は、昔の65歳と比べて元気な方が多いですし、
寿命も延びていますから、65歳を高齢者としなくてもよい訳です。
例えば75歳以上を高齢者と定義すれば、高齢者の比率は一気に下がり、
年金や働き口などの問題は残りますが、気持ちだけでも軽くなります。
目次がそのまま「人口減少カレンダー」と「日本を救う10の処方箋」になっています。
「日本を救う10の処方箋」だけメモとして残します。
【戦略的に縮む】
01.「高齢者」を削減
02.24時間社会からの脱却
03.非居住エリアを明確化
04.都道府県を飛び地合併
05.国際分業の徹底
【豊かさを維持する】
06.「匠の技」を活用
07.国費学生制度で人材育成
【脱・東京一極集中】
08.中高年の地方移住推進
09.セカンド市民制度を創設
【少子化対策】
10.第3子以降に1000万円給付