「世界インフレの謎」
渡辺努著、講談社現代新書、2022年10月
いま世界的にインフレが起きている理由をデータを用いて解説した本。
本書の主旨は
「2022年に世界がインフレに見舞われた主原因はロシアのウクライナ侵攻ではない。世界中の人々が新型コロナウイルスに対して恐怖心を抱き、行動変容を起こし、労働の供給が減ったことによるものである」
と理解しました。
一理あるとは思います。
ただ「通貨供給量を増やすとインフレが起こる」という定説からすると、コロナ禍で世界中が国民に給付金をバラまいたのが原因の一つと考えるのが自然に思えます。
給付金の影響をデータを用いて解説した箇所はなく、自分が気づいた限りでは、121ページに「財政支出増などを背景に需要の強まりがあったのは確か」とあるのが唯一関連する記述。
給付金の影響を分析してほしかったです。
目次:
第1章 なぜ世界はインフレになったのか―大きな誤解と2つの謎
第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか
第3章 「後遺症」としての世界インフレ
第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」―デフレという慢性病と急性インフレ
第5章 世界はインフレとどう闘うのか
渡辺努著、講談社現代新書、2022年10月
いま世界的にインフレが起きている理由をデータを用いて解説した本。
本書の主旨は
「2022年に世界がインフレに見舞われた主原因はロシアのウクライナ侵攻ではない。世界中の人々が新型コロナウイルスに対して恐怖心を抱き、行動変容を起こし、労働の供給が減ったことによるものである」
と理解しました。
一理あるとは思います。
ただ「通貨供給量を増やすとインフレが起こる」という定説からすると、コロナ禍で世界中が国民に給付金をバラまいたのが原因の一つと考えるのが自然に思えます。
給付金の影響をデータを用いて解説した箇所はなく、自分が気づいた限りでは、121ページに「財政支出増などを背景に需要の強まりがあったのは確か」とあるのが唯一関連する記述。
給付金の影響を分析してほしかったです。
目次:
第1章 なぜ世界はインフレになったのか―大きな誤解と2つの謎
第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか
第3章 「後遺症」としての世界インフレ
第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」―デフレという慢性病と急性インフレ
第5章 世界はインフレとどう闘うのか