国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 45

2010-06-30 00:27:13 | 国鉄改革関連


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世間では、JR不採用問題について、政府主導で一定の和解が図られたようですが、正直ごね得の印象を拭いきれません。

もちろん、その時その時に地元を離れられない事情があったかもしれませんが、少なくとも当時の国鉄改革では今回の原告団だけが採用差別を受けたわけでもなく、再就職に応じて他の官公庁や、関連会社に就職した人も居たわけですし、新たな職場に馴染めず、更に自らで新しい職を探したと言った人もいます。
郵政省にも、多くの国鉄職員が転入しましたが、馴染めず退職した人も少なからず居たと聞いたことがあります。
そう考えると、自らの意思で新たな人生を歩んだ人もいるだけに、25年以上、闘争だけにエネルギー費やしてきたというのはどうなの?と個人的に思ってしまいます。

さて、今回も総評から脱退した動労の動きを公企労レポートを引用していきます。

今回のレポートは記者が、動労・福原書記長へのインタビューする形式となっています。

役選問題が総評脱退の直接の動機

【総評からの脱退について、書記長の率直な見解をお伺いしたい。】

直接のきっかけは、総評の役選をめぐる問題です。今年の総評大会は国鉄問題がひとつの焦点でしたが、それは動労方針と国労方針をどのように取り扱い、最終局面にきた国鉄問題についてどのような方針を出すかということでした。そうしますと、これは当然役選にも反映することになるわけです。ところが役選問題につきましては、当該者の一方である動労に何の話もなく、しかも総評として出された定数削減についてもなんら明らかにせず結果として国労委員長が副議長に座り動労選出の事務局次長が辞めるということだけに終わり、スリムになると言うことも何らなしえないという結果となりました。これは、われわれとしてきわめて不満だということです。たとえば12人いる副議長を3人にすると言う案が組織機能委員会で出されました。しかもその途中で、3人が5人になり、7人になってさらに10人まで増やすという段階で国労委員長を副議長に吸えるかどうかということが課題になり、結果として10人になったといういきさつがあるわけです。

ここまで読んでいますと、総評内での主流的な考え方は国労寄りであり、国労の意向を無視できない態勢だあったことが動労が総評から脱退するきっかけとなったといえますが、総評自体が左翼的労働運動の急先鋒であったことを考慮すれば当然の帰結だと思います。

そんなわけで、総評を脱退した動労は独自路線を歩み始めるのですが、総評の批判はさらに続きます。引き続き、公企労レポートから引用させていただきます。

国労サイドの情報で中傷・誹謗

これが、脱退のきっかけです。ただし、先ほども言いましたように、最大の問題である国鉄についての方針と役選の問題は密接不可分なものです。方針についてはどうかといいますと、ダイヤ改正での国民運動を中心としてこれから取り組むということです。しかしこれにつきましては、利便性、安全性をはかるということですが、われわれはすでに一昨年の段階でいわゆる日比谷の見られるような結果から出発して今日にいたっているわけです。
まして、誰でもプロなら知っているようにダイヤ改正の作業というのは何ヶ月前ということではなく1~2年前から取り組まなければならない課題です。そういうことを、われわれは前段から総評側にも話してきた経緯があります。にもかかわらず方針としては、利便性を含めたダイヤ改正国民運動を提起するという、全くもって後手々々の内容でした。それだけではありません。
国鉄問題をめぐる総評議長のあいさつ、今述べました方針、さらに論議、総括・答弁と終始一貫していわゆる国労救済運動に全面的に乗り出すということであったわけです。

ということで、動労も国労と同じ総評に加盟しているにも関わらず、国労だけに肩入れして動労の態度は無視するともいえる状況に対して大きく不満を持っています。さらにこれは、中央だけでなく、各県評、単産からも国労の情報だけで判断し、動労に対してはむしろ矛先を向ける場合もありました。

再び公企労レポートに戻ります。

たとえば、各県評、単産から出された意見では、国労からのワンサイドの情報を基礎にしまして、デマを含め動労に対する中傷、誹謗の意見が続出しました。
これをいさめるということもありませんでしたし、答弁の中には、さらに動労に対して矛先を向けることを示唆するようなものがありましたし、われわれとっしてはこれらの意見についてこの間の苦しい闘いを踏まえなければ受けるわけにはいかないと考えています。

ということで、総評及び地方段階の県評議会においても動労の運動は正しく評価されていないことが動労の総評脱退であったといえそうです。
さらに続くのですが長くなりそうなので一度この辺できります。

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