本日から、昭和55年10月16日開催の、参議院運輸委員会第2号から、国鉄関連のお話をさせていただこうと思います。
本日から参議院運輸委員会の議事録をアップさせていただこうと思います。
どうかよろしくお願いいたします。
最初に質問されたのが、江島淳議員です、もと国鉄職員であったそうで、広島鉄道管理局局長から、参議院に出馬して当選しています。
なお、自民党所属「江島 潔」議員は、子息になるそうです。
ここで質問されている総合交通体系ですが、概略を昭和46年の国鉄線を参照することでおおむね知る事が出来るのですが、要約すると、今後は高速道路の発展などで自動車による旅客に移動が増えるであろうこと、また飛行機の利用も増えるであろうことからそうした周辺整備を行う必要があること、その反面ローカル線に有っては、その有用性を検討し培養路線・今後発展が見込まれる路線に有っては存続させる必要があるがそうでない場合は地元の合意を得ながらバス転換などを図っていく必要があるといったことが書かれていたようです。
ただ、その後昭和48年の第1次石油ショックなどで鉄道の省エネルギー性が見直されることとなったこともあり、下記のような質問になったと思われます。
下記、国鉄線から抜粋してみました。
> 省エネルギー的なことから申しますと、鉄道と自動車と比べた場合、あるいは飛行機と比べた場合、エネルギー比率から申しますと、自動車と鉄道と比べれば八倍ぐらい、貨物船と比べても何倍増しかと、あるいは旅客に関しましても、これはパスや飛行機に比べますとエネルギーが非常に少なくてできるというふうな大量の輸送の効果があるということにつきまして、その辺のことで、これは今回の提出されておる再建法案とも大いに絡むわけでございますが、鉄道をどういうふうな位置づけをするかということが、まず一番の基本ではないかと思われます。
> いま、その位置づけにつきまして、どういうふうな審議が進んでおるか、あるいはどういうふうなお感じかということを承りたいと思うんでありますが。
その質問に対して、運輸大臣官房総務審議官である、石月 昭二氏としても一般的な見解の範疇と言いますか、「輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただく」ということで幹線系は国鉄が保有し運営していくが地方鉄道に有ってはその意向を地方の実情に応じて見直しを図っていくことを言下ににおわせて下記のように発言しています。
> 鉄道というものを今後どのように位置づけて考えていくかというお話でございますが、私どもは、鉄道というものは自動車の持つ機動性、利便性というような特性に対しまして、輸送量が大量にある場合には、大量、高速、確実な輸送をきわめて低コストで、省エネルギーでやれる特性を持った交通機関であるというぐあいに認識しておるわけでございます。したがいまして、将来の鉄道の位置づけといたしましては、やはり輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただくことが国民経済的にも最も望まれるところであるというぐあいに考えておりますし、またこれから御審議いただきます国鉄再建法案におきましても、鉄道の位置づけというものをそのように考えておると理解しております。
なお、ローカル線のバス化は当時の国鉄としてもどちらかと言えば行いたいと言うのが本音でしたが、鉄道建設公団の存在がどんどん予算を付けて新規ローカル線を開業させて、半ば国鉄に押し付けてしまう状況と言うのが昭和50年頃までの状況でした。
いま、廃止問題に揺れる三江線などもまさにその典型でした。
その辺の詳細は別途アメブロの方で話をさせていただこうと思います。
*******************以下は、審議議事録の本文になります。*************************
93-参-運輸委員会-2号 昭和55年10月16日
昭和五十五年十月十六日(木曜日)
午前十時二分開会
―――――――――――――
出席者は左のとおり。
委員長 黒柳 明君
理 事
伊江 朝雄君
山崎 竜男君
目黒今朝次郎君
桑名 義治君
委 員
江島 淳君
梶原 清君
高平 公友君
内藤 健君
安田 隆明君
青木 薪次君
瀬谷 英行君
広田 幸一君
小笠原貞子君
柳澤 錬造君
田 英夫君
国務大臣
運 輸 大 臣 塩川正十郎君
政府委員
運輸大臣官房総
務審議官 石月 昭二君
運輸省海運局長 永井 浩君
運輸省船員局長 鈴木 登君
運輸省港湾局長 吉村 眞事君
運輸省鉄道監督
局長 山地 進君
運輸省自動車局
長 飯島 篤君
運輸省航空局長 松本 操君
事務局側
常任委員会専門
員 村上 登君
説明員
大蔵省銀行局保
険部保険第二課
長 松田 篤之君
資源エネルギー
庁石油部備蓄課
長 米村 紀幸君
運輸省自動車局
整備部長 宇野 則義君
労働省労政局労
働法規課長 中村 正君
自治大臣官房地
域政策課長 藤原 良一君
日本国有鉄道総
裁 高木 文雄君
日本国有鉄道常
務理事 加賀山朝雄君
日本国有鉄道常
務理事 半谷 哲夫君
参考人
日本鉄道建設公
団総裁 仁杉 巖君
日本鉄道建設公
団理事 藤田 雅弘君
日本航空株式会
社常務取締役 北 雄一郎君
日本航空株式会
社常務取締役 萩原雄二郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
(総合交通政策に関する件)
(国鉄の経営改善問題等に関する件)
(新線建設問題に関する件)
(新幹線の整備計画に関する件)
(交通の安全性確保及び倉庫の危険物管理問題
に関する件)
(青函トンネルの建設問題等に関する件)
(日本航空株式会社の労務対策に関する件)
(個人タクシーの免許等に関する件)
(中東地域における船舶の安全確保及び保険問
題に関する件)
(空港整備計画に関する件)
(新幹線公害訴訟問題に関する件)
―――――――――――――
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁仁杉巖君、同公団理事藤田雅弘君、日本航空株式会社常務取締役北雄一郎君及び同萩原雄二郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
―――――――――――――
○委員長(黒柳明君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
この際、塩川運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川運輸大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 第九十三回国会に臨みまして、一言ごあいさつを申し上げます。
御承知のとおり現在運輸行政に関しては、重要かつ緊急な課題が山積しており、私といたしましては、これらの課題に積極的に取り組むとともに、その解決に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
特に、最重要課題である国鉄再建に関しましては、昨年十二月に策定した国鉄再建対策の実施のための法的措置として、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を提出し、御審議をお願いしているところであります。私は、全力を挙げて国鉄再建を推進してまいる決意でありますので、何とぞよろしく御指導、御協力を賜りたいと存じます。
また、地域における公共輸送の維持整備等につきましては、地方公共団体と協力しつつ地域交通対策の推進に努めてまいったところでありますが、今後とも施策の計画的実施に留意しながら努力を重ねてまいる所存であります。
このほか、目下、国の財政は窮迫しておりますが、国民的要請にこたえるため、財政再建の趣旨をわきまえ、投資の効率を配慮して、鉄道、港湾、空港等の運輸関係社会資本の整備充実のために努力いたす所存であります。
また、陸海空にわたる運輸関係事業の経営の安定化及び船員雇用対策の推進、観光の振興、海上保安、気象業務の充実、国際協力の推進等の諸施策につきましても、国民に満足してもらえるよう心がけて進めてまいりたいと考えております。
さらに、交通の安全確保及び環境対策、防災対策につきましても、従前にも増して所要の施策を積極的に推進してまいる考えであります。
最後に、今後の技術の進歩、地域開発の整備等を考えるとき、各種の交通機関のあり方もそれに伴い変化することは必至であります。したがって私は、将来にわたる交通需要を見通し、各種交通機関の整合性及び相互の連係を重視することがきわめて重要であり、今後の総合交通政策について、運輸政策審議会に諮問しているところでありますが、その審議等を踏まえ、八〇年代の新しい運輸行政の展開に努力をいたす所存であります。
以上、運輸行政の考え方に関し申し述べましたが、これらは委員各位の御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。何とぞ皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして私のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(黒柳明君) これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○江島淳君 運輸行政一般について、主として鉄道関係に関する御質問をいたしたいと思います。
私は、ただいま質問する側に立っておりますが、実はことしの一月までは鉄道の職員として現場の管理局長をいたしておりました。そのときにいろいろ現場で感じておりましたことを含めましていろいろ御質問いたしたいと思うのであります。
ただいま、運輸大臣が、総合交通体系のことについていろいろ検討しているというお話がございました。四十六年の経済企画庁で、そのときは総合交通体系と言っておったと思うんでありますが、そのときにいろいろ検討いたされまして、それから大分日にちがたっておりまして、いろいろなエネルギー事情というものが大いに変わっております。それにつきまして鉄道も、昔の独占企業であったものがだんだんほかとの競合輸送機関というものが出てまいりまして、鉄道のシェアが少なくなってきたということで、これをどういうふうな位置づけをするかということが非常に問題ではないかと思うのであります。
ことにイラン・イラク戦争などが起こりまして、省エネルギー的な見地というのがいままでより以上に重要なファクターになってきたんではないかと思います。
省エネルギー的なことから申しますと、鉄道と自動車と比べた場合、あるいは飛行機と比べた場合、エネルギー比率から申しますと、自動車と鉄道と比べれば八倍ぐらい、貨物船と比べても何倍増しかと、あるいは旅客に関しましても、これはパスや飛行機に比べますとエネルギーが非常に少なくてできるというふうな大量の輸送の効果があるということにつきまして、その辺のことで、これは今回の提出されておる再建法案とも大いに絡むわけでございますが、鉄道をどういうふうな位置づけをするかということが、まず一番の基本ではないかと思われます。
いま、その位置づけにつきまして、どういうふうな審議が進んでおるか、あるいはどういうふうなお感じかということを承りたいと思うんでありますが。
○政府委員(石月昭二君) お答え申し上げます。
先生からただいまお話のございましたように、四十六年に運輸政策審議会におきまして、総合交通体系のあり方について御答申をいただいたわけでございます。それに基づきまして、また関係各省で調整いたしました結果、御承知のように、臨時総合交通問題閣僚協議会の総合交通に関する答申をいただいているわけでございます。私どもその答申が現在においても妥当なものと考えておりますけれども、その後、ただいま先生から御指摘ございましたようなエネルギーの問題、それから交通空間の問題、環境問題というような問題につきまして、大分経済社会情勢というものが変わってまいりましたので、これらの問題を踏まえて見直すべきであるという議論がございまして、ただいま運輸政策審議会に諮問いたしているところでございます。
鉄道というものを今後どのように位置づけて考えていくかというお話でございますが、私どもは、鉄道というものは自動車の持つ機動性、利便性というような特性に対しまして、輸送量が大量にある場合には、大量、高速、確実な輸送をきわめて低コストで、省エネルギーでやれる特性を持った交通機関であるというぐあいに認識しておるわけでございます。したがいまして、将来の鉄道の位置づけといたしましては、やはり輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただくことが国民経済的にも最も望まれるところであるというぐあいに考えておりますし、またこれから御審議いただきます国鉄再建法案におきましても、鉄道の位置づけというものをそのように考えておると理解しております。
今後の鉄道のシェアと申しますか、位置づけはそういうようなことでございますが、初めに申し上げましたように、やはり交通機関がどのような形のシェアを持つかということは原則的には各交通機関の特性を踏まえまして利用者が自由な選択をやると、その結果おのずからシェアというものが決められるということがやはり一番合理的なことだろうと思います。しかしながら、先生がいまおっしゃいましたようなエネルギーの制約問題、交通空間の制約問題、環境問題というようないろいろな諸制約条件がございますので、それらの制約条件というものによりましてはそういう基本的原則というものを場合によって変更していかなきゃならぬと、このように考えておりまして、それらの評価、機関特性、利用者の選択、社会的制約条件というような問題をどのように評価し位置づけるかということが今後の運輸政策審議会における課題だと存じている次第でございます。
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本日から参議院運輸委員会の議事録をアップさせていただこうと思います。
どうかよろしくお願いいたします。
最初に質問されたのが、江島淳議員です、もと国鉄職員であったそうで、広島鉄道管理局局長から、参議院に出馬して当選しています。
なお、自民党所属「江島 潔」議員は、子息になるそうです。
ここで質問されている総合交通体系ですが、概略を昭和46年の国鉄線を参照することでおおむね知る事が出来るのですが、要約すると、今後は高速道路の発展などで自動車による旅客に移動が増えるであろうこと、また飛行機の利用も増えるであろうことからそうした周辺整備を行う必要があること、その反面ローカル線に有っては、その有用性を検討し培養路線・今後発展が見込まれる路線に有っては存続させる必要があるがそうでない場合は地元の合意を得ながらバス転換などを図っていく必要があるといったことが書かれていたようです。
ただ、その後昭和48年の第1次石油ショックなどで鉄道の省エネルギー性が見直されることとなったこともあり、下記のような質問になったと思われます。
下記、国鉄線から抜粋してみました。
> 省エネルギー的なことから申しますと、鉄道と自動車と比べた場合、あるいは飛行機と比べた場合、エネルギー比率から申しますと、自動車と鉄道と比べれば八倍ぐらい、貨物船と比べても何倍増しかと、あるいは旅客に関しましても、これはパスや飛行機に比べますとエネルギーが非常に少なくてできるというふうな大量の輸送の効果があるということにつきまして、その辺のことで、これは今回の提出されておる再建法案とも大いに絡むわけでございますが、鉄道をどういうふうな位置づけをするかということが、まず一番の基本ではないかと思われます。
> いま、その位置づけにつきまして、どういうふうな審議が進んでおるか、あるいはどういうふうなお感じかということを承りたいと思うんでありますが。
その質問に対して、運輸大臣官房総務審議官である、石月 昭二氏としても一般的な見解の範疇と言いますか、「輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただく」ということで幹線系は国鉄が保有し運営していくが地方鉄道に有ってはその意向を地方の実情に応じて見直しを図っていくことを言下ににおわせて下記のように発言しています。
> 鉄道というものを今後どのように位置づけて考えていくかというお話でございますが、私どもは、鉄道というものは自動車の持つ機動性、利便性というような特性に対しまして、輸送量が大量にある場合には、大量、高速、確実な輸送をきわめて低コストで、省エネルギーでやれる特性を持った交通機関であるというぐあいに認識しておるわけでございます。したがいまして、将来の鉄道の位置づけといたしましては、やはり輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただくことが国民経済的にも最も望まれるところであるというぐあいに考えておりますし、またこれから御審議いただきます国鉄再建法案におきましても、鉄道の位置づけというものをそのように考えておると理解しております。
なお、ローカル線のバス化は当時の国鉄としてもどちらかと言えば行いたいと言うのが本音でしたが、鉄道建設公団の存在がどんどん予算を付けて新規ローカル線を開業させて、半ば国鉄に押し付けてしまう状況と言うのが昭和50年頃までの状況でした。
いま、廃止問題に揺れる三江線などもまさにその典型でした。
その辺の詳細は別途アメブロの方で話をさせていただこうと思います。
*******************以下は、審議議事録の本文になります。*************************
93-参-運輸委員会-2号 昭和55年10月16日
昭和五十五年十月十六日(木曜日)
午前十時二分開会
―――――――――――――
出席者は左のとおり。
委員長 黒柳 明君
理 事
伊江 朝雄君
山崎 竜男君
目黒今朝次郎君
桑名 義治君
委 員
江島 淳君
梶原 清君
高平 公友君
内藤 健君
安田 隆明君
青木 薪次君
瀬谷 英行君
広田 幸一君
小笠原貞子君
柳澤 錬造君
田 英夫君
国務大臣
運 輸 大 臣 塩川正十郎君
政府委員
運輸大臣官房総
務審議官 石月 昭二君
運輸省海運局長 永井 浩君
運輸省船員局長 鈴木 登君
運輸省港湾局長 吉村 眞事君
運輸省鉄道監督
局長 山地 進君
運輸省自動車局
長 飯島 篤君
運輸省航空局長 松本 操君
事務局側
常任委員会専門
員 村上 登君
説明員
大蔵省銀行局保
険部保険第二課
長 松田 篤之君
資源エネルギー
庁石油部備蓄課
長 米村 紀幸君
運輸省自動車局
整備部長 宇野 則義君
労働省労政局労
働法規課長 中村 正君
自治大臣官房地
域政策課長 藤原 良一君
日本国有鉄道総
裁 高木 文雄君
日本国有鉄道常
務理事 加賀山朝雄君
日本国有鉄道常
務理事 半谷 哲夫君
参考人
日本鉄道建設公
団総裁 仁杉 巖君
日本鉄道建設公
団理事 藤田 雅弘君
日本航空株式会
社常務取締役 北 雄一郎君
日本航空株式会
社常務取締役 萩原雄二郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
(総合交通政策に関する件)
(国鉄の経営改善問題等に関する件)
(新線建設問題に関する件)
(新幹線の整備計画に関する件)
(交通の安全性確保及び倉庫の危険物管理問題
に関する件)
(青函トンネルの建設問題等に関する件)
(日本航空株式会社の労務対策に関する件)
(個人タクシーの免許等に関する件)
(中東地域における船舶の安全確保及び保険問
題に関する件)
(空港整備計画に関する件)
(新幹線公害訴訟問題に関する件)
―――――――――――――
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に日本鉄道建設公団総裁仁杉巖君、同公団理事藤田雅弘君、日本航空株式会社常務取締役北雄一郎君及び同萩原雄二郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
―――――――――――――
○委員長(黒柳明君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
この際、塩川運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川運輸大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 第九十三回国会に臨みまして、一言ごあいさつを申し上げます。
御承知のとおり現在運輸行政に関しては、重要かつ緊急な課題が山積しており、私といたしましては、これらの課題に積極的に取り組むとともに、その解決に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
特に、最重要課題である国鉄再建に関しましては、昨年十二月に策定した国鉄再建対策の実施のための法的措置として、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を提出し、御審議をお願いしているところであります。私は、全力を挙げて国鉄再建を推進してまいる決意でありますので、何とぞよろしく御指導、御協力を賜りたいと存じます。
また、地域における公共輸送の維持整備等につきましては、地方公共団体と協力しつつ地域交通対策の推進に努めてまいったところでありますが、今後とも施策の計画的実施に留意しながら努力を重ねてまいる所存であります。
このほか、目下、国の財政は窮迫しておりますが、国民的要請にこたえるため、財政再建の趣旨をわきまえ、投資の効率を配慮して、鉄道、港湾、空港等の運輸関係社会資本の整備充実のために努力いたす所存であります。
また、陸海空にわたる運輸関係事業の経営の安定化及び船員雇用対策の推進、観光の振興、海上保安、気象業務の充実、国際協力の推進等の諸施策につきましても、国民に満足してもらえるよう心がけて進めてまいりたいと考えております。
さらに、交通の安全確保及び環境対策、防災対策につきましても、従前にも増して所要の施策を積極的に推進してまいる考えであります。
最後に、今後の技術の進歩、地域開発の整備等を考えるとき、各種の交通機関のあり方もそれに伴い変化することは必至であります。したがって私は、将来にわたる交通需要を見通し、各種交通機関の整合性及び相互の連係を重視することがきわめて重要であり、今後の総合交通政策について、運輸政策審議会に諮問しているところでありますが、その審議等を踏まえ、八〇年代の新しい運輸行政の展開に努力をいたす所存であります。
以上、運輸行政の考え方に関し申し述べましたが、これらは委員各位の御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。何とぞ皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げまして私のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(黒柳明君) これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○江島淳君 運輸行政一般について、主として鉄道関係に関する御質問をいたしたいと思います。
私は、ただいま質問する側に立っておりますが、実はことしの一月までは鉄道の職員として現場の管理局長をいたしておりました。そのときにいろいろ現場で感じておりましたことを含めましていろいろ御質問いたしたいと思うのであります。
ただいま、運輸大臣が、総合交通体系のことについていろいろ検討しているというお話がございました。四十六年の経済企画庁で、そのときは総合交通体系と言っておったと思うんでありますが、そのときにいろいろ検討いたされまして、それから大分日にちがたっておりまして、いろいろなエネルギー事情というものが大いに変わっております。それにつきまして鉄道も、昔の独占企業であったものがだんだんほかとの競合輸送機関というものが出てまいりまして、鉄道のシェアが少なくなってきたということで、これをどういうふうな位置づけをするかということが非常に問題ではないかと思うのであります。
ことにイラン・イラク戦争などが起こりまして、省エネルギー的な見地というのがいままでより以上に重要なファクターになってきたんではないかと思います。
省エネルギー的なことから申しますと、鉄道と自動車と比べた場合、あるいは飛行機と比べた場合、エネルギー比率から申しますと、自動車と鉄道と比べれば八倍ぐらい、貨物船と比べても何倍増しかと、あるいは旅客に関しましても、これはパスや飛行機に比べますとエネルギーが非常に少なくてできるというふうな大量の輸送の効果があるということにつきまして、その辺のことで、これは今回の提出されておる再建法案とも大いに絡むわけでございますが、鉄道をどういうふうな位置づけをするかということが、まず一番の基本ではないかと思われます。
いま、その位置づけにつきまして、どういうふうな審議が進んでおるか、あるいはどういうふうなお感じかということを承りたいと思うんでありますが。
○政府委員(石月昭二君) お答え申し上げます。
先生からただいまお話のございましたように、四十六年に運輸政策審議会におきまして、総合交通体系のあり方について御答申をいただいたわけでございます。それに基づきまして、また関係各省で調整いたしました結果、御承知のように、臨時総合交通問題閣僚協議会の総合交通に関する答申をいただいているわけでございます。私どもその答申が現在においても妥当なものと考えておりますけれども、その後、ただいま先生から御指摘ございましたようなエネルギーの問題、それから交通空間の問題、環境問題というような問題につきまして、大分経済社会情勢というものが変わってまいりましたので、これらの問題を踏まえて見直すべきであるという議論がございまして、ただいま運輸政策審議会に諮問いたしているところでございます。
鉄道というものを今後どのように位置づけて考えていくかというお話でございますが、私どもは、鉄道というものは自動車の持つ機動性、利便性というような特性に対しまして、輸送量が大量にある場合には、大量、高速、確実な輸送をきわめて低コストで、省エネルギーでやれる特性を持った交通機関であるというぐあいに認識しておるわけでございます。したがいまして、将来の鉄道の位置づけといたしましては、やはり輸送量の比較的多い都市間の基幹的輸送、それから大都市圏の輸送、大量定形貨物輸送といった分野で鉄道の特性を発揮していただくことが国民経済的にも最も望まれるところであるというぐあいに考えておりますし、またこれから御審議いただきます国鉄再建法案におきましても、鉄道の位置づけというものをそのように考えておると理解しております。
今後の鉄道のシェアと申しますか、位置づけはそういうようなことでございますが、初めに申し上げましたように、やはり交通機関がどのような形のシェアを持つかということは原則的には各交通機関の特性を踏まえまして利用者が自由な選択をやると、その結果おのずからシェアというものが決められるということがやはり一番合理的なことだろうと思います。しかしながら、先生がいまおっしゃいましたようなエネルギーの制約問題、交通空間の制約問題、環境問題というようないろいろな諸制約条件がございますので、それらの制約条件というものによりましてはそういう基本的原則というものを場合によって変更していかなきゃならぬと、このように考えておりまして、それらの評価、機関特性、利用者の選択、社会的制約条件というような問題をどのように評価し位置づけるかということが今後の運輸政策審議会における課題だと存じている次第でございます。
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