デュオバンドのトラップダイポールでは、下のバンドの動作域がどうしても狭くなりますが、その程度はどのくらいなのかを2つのトラップダイポールを製作して比べてみました。最初は21/14メガのトラップダイポールです。
まず21メガのトラップコイルですが、ボビンとして樋に使うプラパイプ(55φ)を使い、ここに1.2mmのエナメル線を巻き付け、Cは5D2Vを5~6cm程度切ったものを使いました。共振周波数はネットワークアナライザー NanoVNA にワンターンコイルを刺して測定しましたが、非常に簡単に共振点が分かりトラップコイルの製作がとても楽に、かつ正確になりました。
トラップコイルは釣り竿にくぐらせていますが特に固定はしていません。アンテナエレメントにはワイヤーアンテナ用のワイヤーを使い、これを釣竿に絡ませ、その釣竿をアルミのLアングルに固定しています。これは430八木アンテナ用のスタックブームを水平部分に流用し、3cm角のLアングルを約135°の角度になるように固定したものです。
出来上がりの寸法は21メガのエレメントが3.3m、トラップコイルの共振周波数が21.18MHz、14メガのしっぽは0.55mで全長は約4mになりました。周波数特性を測ってみると21メガはバンド内のSWRが1.4以下となり問題ないのですが、14メガではSWR<1.5の範囲は 14.04~14.21となり、予想通り使える帯域がかなり狭くなりました。
次に28/14メガのトラップダイポールを作ってみました。出来上がりは28メガのエレメントが2.58m、トラップコイルの共振周波数が28.6MHz、14メガのしっぽは1.2mで全長はこれも約4mになりました。
特性を測ってみると28メガではSWR<1.5の範囲が 28.0~28.9MHzですが、肝心の14メガではSWR<1.5の範囲が14.02~14.33MHzとなり、21/14ではこの範囲が170kHzであったものが210kHzになり、率にすると約24%拡大したことになります。このようにトラップコイルからのしっぽの長さが下位のバンドの使用帯域に影響するので、なるべくバンドの組合せを広くとる方が良いことが分かります。
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