去年の総選挙を機に国会議員を退職した、元自民党幹事長の古賀誠氏が、なんと日本共産党の新聞「赤旗日曜版」の一面に登場して、話題になっているようです。
記事の見出しは「96条改正に大反対」。安倍首相らが憲法9条を変えたい一心で、まず国会での憲法改正の発議をこれまで国会議員の3分の2以上の賛成を必要とする、という部分を、2分の1以上の賛成があれば発議できるように憲法96条を変えてしまおう、としていることに対して真正面から異議を唱えておられるのです。以下、記事を転載します。
私は、憲法改正の勉学、研究、学習は当然として、議論はやっていいが、実際の改正には慎重でなければならないという立場です。とくに現行憲法の平和主義、主権在民、基本的人権という崇高な精神は尊重しなければならない。なかでも平和主義は「世界遺産」に匹敵すると私は講演でも話しています。・・・憲法は我が国の最高法規です。他の法規を扱う基準と違うのは当然でしょう。諸外国を見ても、憲法改正のハードルは高くなっているじゃないですか。・・・私の父は、私が2歳の時、赤紙1枚で召集され、フィリビンのレイテ島で戦死しました。あの時代、母は自分の幸せなどなにひとつ求めることなく、私と姉を必死に育ててくれました。子ども心にも母の背中を見ていて、戦争は嫌だ、二度と戦争を起こしてはならない、と思いました。この思いが私の政治家としての原点です。・・・今回、あなた方(赤旗日曜版)のインタビューを受けたのも、戦争を知る世代の政治家の責任だと思ったからです。・・・戦後の長い期間、国政の場で自由民主党と日本共産党は立場や政策は違っても、それぞれが自負と誇りを持って活動してきた、と私は思っています。離合集散する政党はたくさんあり、照る日や曇る日もあったが、その中でぶれずにやってきた。私に言わせると自民党と共産党こそが「二大政党」だと思っています。
私はきょう、この記事の実物を見て、少なからず驚きました。よくぞインタビューに応じ、記事にすることを承諾したなぁ、というのが実感です。
そして思ったことは、いかに現政権の安倍氏やその取り巻き連中が軽薄であるか、ということです。アベノミクスとやらで景気は良くなった、といいますが、海外投資家が日本の株を買いあさって株価が上昇しただけであり、日本の経済力が伸びたわけではありません。株を持っている人たちが大儲けした、というだけで、一般国民には何のご利益もない。そうこうしているうちに株価は下落し、やれバブルがはじけるのなんのと早くも大騒動です。円安で物価は上昇傾向。TPPも結局は案の定、アメリカの言いなり。国民にとっていいことはほとんどない、ということがあきらかになってきつつあります。
橋下のような雑魚も徹底的に批判しないといけませんが、日本を亡国の道へと進路を誤らせる安倍政権のやりたい放題を、次の参院選でなんとしてもストップさせなければならないと思います。
きょうの1曲。アメリカ南部のカントリーとブルースとロックが融合したような味わいのあるバンド、オールマン・ブラザーズ・バンドで「ブルー・スカイ」。
Allman Brothers Band - Blue Sky live
小林 節教授や劇画作家 小林よしのりさんも、同じ改憲志向ながら同条の緩和には異議を唱えていらし、拙方もこれを見て少し軌道修正しようとも思います。
憲法は国の最高法規につき、改正修正のあり様は他の法規より厳格であるべきとの見解は、世界の潮流でもある事を、古賀元自民幹事長はご理解なのでしょう。
こうしたベテラン党員が、自由民主党の奥の深さを見せて下さる反面、残念ながら安倍政権の閣僚に重さが足りない印象があるのも事実です。「アベノミクス」もまだまだ道半ば。生活弱者にもアピールできる、経済政策の実行を願いたいものです。勿論、不適切な逸走には監視する姿勢も必要でしょう。御党は、多くの得票数と、獲得議席の惜敗度合いからすれば、二大政党に準ずるレベルかも知れません。
理念や信条は異なっていても、政治姿勢として平和を守る、国民生活を第一義に考える、
というような政治家であってほしいと思います。
自民党の政治でも昔はこんなにひどくはなかった。弱者に対する配慮とか、
平和指向の理念もあったと思います。
今はまったく感じられず、しかも軽薄で重みがないように思います。
まさに戦争を知らない政治家たちの暴走、と言いたいです。
それとは別に憲法改正は内閣に属する人間が言ってはおしまいです。
憲法を守る立場の人間が、憲法改正を叫ぶなんてもっての他です。
憲法改正を言って許されるのは、私達民衆のみだとある高名な法律家が岸元首相に言われたらしいです。
靖国派議員の中心的な存在だった人ですからね。
仮に、安倍氏の暴走に反対であるとしても、なにも共産党の機関紙に出てコメントしなくてもと思うし、
なにか狙いがあるのでは、と勘繰りたくなりますね。
インタビューで答えているように、自らの経験から戦争政策には反対する、という信念があって、
黙ってはいられない、という心境の変化があったのかもしれません。
このインタビューが成立した経緯を知りたい気はしますね。
「憲法改正を言って許されるのは民衆のみ」という言葉は重みがあります。
「憲法は民衆が政治家を縛るもの」といいますから、「縛られる側」の方から改正を言うのはたしかにおこがましいことだと思います。