
2016年のアカデミー助演女優賞を受賞しているらしいが、そんな大作を観る思いはさらさらなく、観賞の動機は女装男性の気持ちを知りたかったから。
実話をベースにしており、原作は1920年代のデンマークのようだ。
2人ともプロの画家。
妻は人物を、夫は風景を描く。
同業者にありがちな妬みはなく、お互いをリスペクトし、愛し合っている理想的な夫婦だ。
ある日、モデルが間に合わなかったことから、夫を女装させてモデルにすると、彼に不思議な気持ちが芽生え始める。
夫は自身の中の女性的な部分に目覚めたのだ。
それからは恋愛の対象も男性になり、妻の献身的な愛とは裏腹に、彼女とは別の道を歩き始める悲劇を生んでしまうのだが…
もう1ヶ月以上も前に一度だけDVD観賞し、これはダメ、受け入れられないと感想を書くことも2度見することもスルーしていたが、逆に書かないことで記憶にこびりつくのかもしれないので日記にする。
観なかったことにはできない。
知り合いが女装ブログを始めた。
動機はLGBTとかではなく、女性が好きだからもっと気持ちを知りたくてと、本人は言うが。
それを観てときめく女性はいないだろうから、対象は男性ということになる。
今まで私はその人の何を見ていたのだろう。
それが〈新しい自分の発見〉なのだろうか。
この映画でも、次第に女性化していく夫(リリー)に、アイナー(夫)を返して、と嘆くシーンがあった。
人間関係って、役割に過ぎないのか。
それを超えたものがあると思いたい。
いや、それを描いたのが『リリーのすべて』だったはず。
その人とはこんなことがあって普通の付き合いは出来なくなってしまった。
秘め事は秘め事のままでいいのではないか。
カミングアウトする必要はあったのだろうか、とふと思う。
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