かしこジャーニー

「日々しるし」と「難聴のこと」

ミュシャ展

2017-03-23 23:01:17 | 好きなもの
図録買えばよかったな、、
かえばよかったなーー!

今回の見どころ「スラヴ叙事詩」20点

音が聞こえてくるようです
それは何百頭もの馬が大地を蹴る音、人々の怒号、息を殺して潜む二人の息づかい、風に揺られる草の乾いた音…

身ぶるいします
ひとつの作品がまるで一冊の本のようです
圧倒されるほどの大きさに身ぶるいするだけではありません
なんだろう、この感情は、畏れだろうか

うすいベール越しにみるような色合いは、景色や人々の顔や内面を想像させます
「ロシアの農奴制廃止」の解説に"印象派のように空気や大気を表現した"とあり、なるほど納得です(別の言い方だったかもしれません)

目が多くを語ります
見開いた目が、静かでそして強い視線が観ているこちらを捉えます
ひとつの作品に描かれた何十、何百という人々のなかのひとりがこちらを射るように見据えます
その視線とぶつかるとしばらく体を縛られたように動けなくなります


最後の4枚に限っては、
なんと
写真撮影可です
オドロキマシタ…


実はこれまでミュシャをいいなと思ったことがなかったんです。退屈だな…と思いこんでいまして、これは大きな間違いでした。
サラ・ベルナール関連をどこかで観たことはあったけれど先入観が邪魔していました。

そんなわたしが足を運んだきっかけは、チラシやポスターにもなっているスラヴ叙事詩のなかの一作「原故郷のスラヴ民族」

ミュシャってこんな絵を描くの!?
みているとザワザワしてくる

知らなかったものですから、興味あることよりもググッと強引なくらいに引き寄せられまして、本物を観たくなりました。

ミュシャの自画像とポートレートがありましたが、作品の人物のようにご本人も整った顔立ちです。

スラヴ叙事詩のあとに展示されているミュシャとアールヌーボーの作品を眺めていると、所蔵先「堺市」がたくさんあるのです。
係の方に伺うと堺市には「アルフォンス・ミュシャ館」があるそうで6月末まで閉館中とのこと。

スラヴ叙事詩のあの大きな作品をどうやって展示したのだろう?まさか丸めてないよね、まさかね…
で、その答えがHPにありました。作品の上下に横に並んだ穴は見えていたましたが、やはりそうですよね。
スラヴ叙事詩展示風景


20点を堪能したあとにアール・ヌーヴォーの逸品と言われる作品の数々を観ると、これまでとは見方がガラリと変わりました。
細部にも目がいきますし、ミュシャが作品を通して発信している、例えばスラヴ民族への思いなどを僅かながらキャッチすることができたとおもっています。

なんならチェコ行きたいです。強くおもう。
というのも、この大きな連作をミュシャが生まれ晩年のスラヴ作品を描いた地で観たら、自分にどんな感情が生まれるだろうとワクワクしてきます。
ミュシャ展、ぜひおすすめします。