娘たちに、愛してるよって伝えてから、布団に入った。
今日がもうすぐ終わる。
9年前の今日のことは、なにも覚えてない。
でも、9年前の明日のことは、よく覚えている。
毎日の生活の中で、当たり前のことなど、ひとつもなかったんだ。
9年。
人の醜さを知った。
人の美しさを知った。
人の卑劣を知った。
人の優しさを知った。
人の儚さを知った。
人の強さを知った。
自然の厳しさを知った。
そして自分も強くなった。
どんなに願っても、どんなに手を伸ばしても。
叶わないことがあるってことを知った。
終わりの見えない哀しみに、泣きはらした夜が続いた。
絶望を抱えたままに、迎えた朝もあった。
でも、すべて乗り越えたから今があるんだね。
忘れてはならないこともある。
でも、忘れなければならないこともある。
とにかく前を向こう。
みんな幸せでありますように。