10年後のキミへ贈る大切なこと

わたしのタイムカプセル

鳥取でのこと

2019-12-12 18:38:00 | 日記
写真に撮るのは間に合わなかったけど。

米子から羽田に飛び立つ飛行機の中から、空に浮かぶ虹を見た。


熊本、鳥取出張。

仕事の任務は達成した。

でも予想を上回るほどに、手に入れたものがあったと思う。

神がかってる気がした。

行こうと決断したことも。

行ってからの出来事も。

鳥取へ向かったのは、計画的に行ったわけじゃない。

今だと感じだからだった。

そしてみんなのスケジュールもぴったりはまった。

こんなことある?

慎ちゃんに伝えたかった事、伝えなければならないと思ったことがいっぱいあった。
でも、その内容について話したのは結局10分だけ(笑)

話す必要なんてないってくらいだったから。

これはもう導かれた来たんだなって思った。

あとはやるだけだ。

ここからはじまる。
ここではじめる。
あー、なんか神々しい。

到着早々に、慎ちゃんの営む「大山竹炭工房 」の炭窯温浴を体験。
竹のランプも素敵。

服を着たままで炭窯の上に横になるだけで、じんわりと体の芯から温まります。

南夫妻も初体験。

私と輝美ちゃんの顔見ればどれだけ癒されてるかわかるでしょう。
無防備すぎる(笑)


事務所には竹炭の火鉢があった。
これがまためちゃくちゃ温かい。竹炭火鉢、めちゃくちゃ温かい。
2回言っちゃう(笑)

慎ちゃんは理学療法士さんです。
その慎ちゃんが、今竹炭工房の代表を務めているのには訳があります。

話を聞けば聞くほど面白いし、聞けば聞くほど勉強になる。

これから一緒に大山の慎ちゃんと。
海士町の輝美ちゃんと。
南夫妻も巻き込んで。
そして赤羽のイサヲちゃんも連れて来ちゃうけど。

新風を巻き起こしていこうと思ってます。

事業として成り立たせるのはもちろんだけど。

でもそれ以外のところが重要で。
みんなと一緒に作るということが重要で。

これからの人生の設計図を、みんなで描きたいなと思ってる。

みんなで楽しくワクワクしながら、ものづくりをしていけたらいいなと思ってる。

ただモノをつくるのではなくて、物語をつくっていくんだ。

絵を描くように。
小説を書くように。
一つのストーリーが生まれるんだ。
それが楽しみで仕方がないんです。


そして大山には、もうひとつ。
行きたい場所が出来ました。

スタイリストであり、one’sのオーナー、サクさんの別荘。

本当に素敵な場所でした。
大草原の小さな家に出てきそうな作り。

部屋の中には暖炉。
中はストーブだけど(笑)

ロフトからみた図。

ペンションにでも来た気分。

翌日の朝、集合写真を撮ってないことに気がついて慌てて撮る(笑)

輝美&南夫妻は先に出発。


雪ですよ。雪。


シンボルのように松がそびえ立つ。

思いがけず、サクさんと2人っきりでお話しする時間ができたことは、神様からのプレゼントだったんだと思う。

すごく大切な贈り物を頂いたような時間だった。

輝美ちゃんがよく「こんな大人になりたい!」と、サクさんのことを言ってたけど、それがよく分かった。

自分らしく生きる。
やりたいことをやる。

サクさんは思い切り、自由な人だった。

その自由に生きる選択するときの決断力が、また素晴らしくかっこよかった。

自由に生きるには、自由に生きるための責任が伴う。

そんな自由があるんだなって。
そんな決断ができるんだなって。
あー、こんな大人になりたいなって。
本当にそう思った。

なんか本当に、島根だったり、鳥取だったり。

生きるというか、生活というか。

東京にはない、生命の力強さがあるなと思った。

だからきっと、わたしは何かに導かれて行っているんだ。

それはきっと、輝美ちゃんと出会えたから。

それはきっと、了くんと出会えたから。

それはきっと、2011年のあのとき。

自分の感じた衝動のままに、人間という生命として行動したからだ。

お父さんが言ってくれたんだんだ。
会社を継ごうと決めたとき。
少しばかり不安になって、本当に私に出来るんだろうかと言ったとき。

「その行動力があれば大丈夫だ」って。

だから大丈夫。
自分を信じよう。

来年始まる新たなストーリー。
楽しみだなー!


熊本のこと

2019-12-05 15:45:00 | 日記
4日の朝、4時に起きた。

5時過ぎには羽田空港に向かう。

熊本県八代市に向かうためだ。


羽田空港の滑走路から見えた富士山。
綺麗だった。

八代の空と山も美しい。


この物語は(勝手に物語ってるだけだけど笑)、八巻さんという一人の畳職人の、畳に対する熱い思いと、いいものを届けたいという真摯な思いから始まったのだと、私は思っている。

熊本県八代市で、い草農家を営む吉田さん。
育てているのはこだわり抜いた最良のい草。

手間を惜しまず、国産い草に誇りを持ち、本当に良いい草を育てたい、本当に良い畳を届けたいという吉田さんの真摯な思いは、7月にお世話になった時によく分かった。

その吉田さんと、八巻さんが出会った。

どうしても吉田さんの作った畳表で畳を作りたいと思ったのだろう。

でも吉田さんの畳表は、すでに納める先は全て決まっていて、当時八巻さんの手に渡せるだけのものは無かったそうだ。

それでも、諦めきれなかった八巻さんは、吉田さんとの信頼関係を築くために奔走する。

自ら八代市に足を運び、吉田さんのい草作りを手伝う事を始めたのだ。

最初の年は、5回くらい足を運んで来たという。

ここまでされたら、売らないわけにはいかないな…と思ったと。

昨夜、吉田さんと奥さんのサユリさんにご飯をご馳走になった時、ニコニコしながら楽しそうに、この話を語ってくれました。


吉田さん、サユリさん、昨日は本当にご馳走様でしたでした!

八巻さんの思いは吉田さんにしっかり届いた。
八巻さんはその熱意と行動で、吉田さんとの信頼関係を築いたのだ。

なかなか真似の出来ることではない、すごいことだと思う。

そしてそんな吉田さんと八巻さんの真摯な生き方が、小川畳店のたかしくんにも伝わっていったのだ。

いつしか2人で八代に足を運び、たかしくんも吉田さんとの信頼関係を築いていった。

今では毎年仲間たちとともに、みんなで手伝いに来てくれる。
今ではみんな大事な戦力だと、吉田さんはおっしゃってました。

他所の国で作られた、安く質の良くないい草を、日本の国産と偽って平気で世に送り出す悪い業者も多いという。

どんなに手間暇かけて育てた最高のい草も、適正な評価が得られなくなっている。

最高品質な畳表だという事を認めるための
JA認定のゴム印がある。
ところが畳表に押されても、何を記されているかわからない。

そんな状態が続いていた。

このままでは意味がない。
何とかしなければならない。
まずは認印を鮮明に押せるようにしようと「なんでもくん」をJAに提案してくれたのが、小川たかしくんだったのです。

たかしくんも常に本気の人だ。
どうにかしたいとずっと思っていたのだろう。

熊本のJAに対して、しかも東京の畳屋さんが、見たこともないようなパッド印刷を、認印として使ってはどうかと提案するなんて、容易なことでは無かったと思う。

提案するって言葉にすると簡単だけど、きっと沢山のことを乗り越えたと思う。

たかしくんの踏み出した一歩は、本当にすごいことだった。
昨日それを心底感じた。

JAやつしろのセンター長である谷川さんと、この2日間に色々と話をしました。

谷川さんがやろうとしていることは、これからの畳業界を救うために必要な改革だ。

その改革をよく思わない人たちも少なくないと思う。

でも立場は違うけど畳業界を良くしたいと本気で思う人たちの思いが、次々と繋がっていったのだろう。

そしてたかしくんの本気が、私まで繋がって来たのだった。

その改革のために、なんでもくんの兄弟でもある「どこでもくん」を導入して頂いたのが今年の7月だった。

正確にはどこでもくんを簡易化したものだけど。


今回は、その「どこでもくん」を使用する際に、大変なトラブルが起きたとのことで連絡があり、それを解決するための再訪だった。

安心堂史上、いままでに起きたことのないトラブル。
前例がないとはこのことだ。
パッド印刷において、起こりえないことが、先方で起きているという。

電話で聞いても原因が分からず、実際の現場を見に来てくれとの依頼があり、再訪することになった。

正直言うと、プレッシャーが半端じゃ無かった。
なぜって現場を見ても原因が分からないかもしれないから。

単身乗り込むには勇気がいることだった。

ところが。

話で聞いていたのと現場では、全く違うことが起きていた。

思っていたよりも簡単に、あっさりとトラブルは改善された。

ここまでクオリティはあがった。


指示した通りに印刷してくれたら、何の問題もなく印刷は出来る。

すごくほっとした。

問題だったのは、立場の違う人たちの、目標や目的の乖離だと思う。

国産畳の価値が、正しく評価されるように、業界が一丸となって努力をしていくことが重要なのだと思う。

そのために安心堂が出来る協力や努力は、決して惜しまないと決めた。

役に立ちたい、喜ばせたい、そんな思いが湧いてきた。

たかしくんを応援したい。
吉田さんを応援したい。
谷川さんを応援したい。

そう思ったんだ。

わたしたちは物を作ってるんじゃない。
物語を作っているんだ。

それをまざまざと感じた2日間。

その一端を担える事に喜びを感じるとともに、なんでもくんを開発した父の偉大さを、感じざるを得ない2日間でした。

さー、いまは博多から岡山に向かう新幹線の中。

東京行きだから、乗り過ごさないように気をつけないと。

明日はまた大事な仕事が待っている。

数年前は、まさかこんな日々を過ごす事になるなんて、夢にも思ってなかった。

人生って何がおきるかわからないね。

さて、楽しみます。