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いよいよ国内でも始まる新型コロナワクチン接種

2021-02-23 20:18:00 | 医療
いよいよ国内でも始まる新型コロナワクチン接種  リポート◎2月20日に接種が始まった村山医療センターに密着
2021/02/22 中西 亜美、山崎大作=日経メディカル

 2021年2月17日、全国100カ所の国立病院機構の職員などを対象とした新型コロナワクチンの先行接種が開始された。村山医療センター(東京都東村山市)も先行接種の対象として選ばれた医療機関の1つ。その後の一般の医療従事者や市民への投与にも同医療センターが用いられる見込みだ。ワクチンの搬入から接種までを追った。

 2月17日。都内ではワクチンの最初の接種が始まる中、14時頃に郵送トラックが病院の正面玄関に到着。報道陣が見守る中、配送員2人がかりでワクチンの入ったドライアイス入りの専用外箱を台車に移した。台車のまま薬剤部に通じる出入り口の前まで運ばれ、薬剤部長の田邊和生喜氏と配送員が中身を確認。その後、薬剤部内に設置されているディープフリーザーの前へと運び込まれ、田邊氏が手袋をはめて外箱からワクチンの入った20cm四方、厚さ5cmほどの小型の箱を取り出してディープフリーザーの中に格納した(写真1)。

 この日搬入されたのは195バイアル。1バイアルあたりシリンジに応じて5人分、あるいは6人分接種できるため、最大1170回分が納入されたことになる。院長の谷戸祥之氏は、ワクチンが届いたのを見届けて安心した表情を浮かべながら集まった記者に対して、「予定通り、無事にワクチンが到着してよかった」と話していた。

 翌18日には業務終了後の18時から職員向けに、リアルと配信とのハイブリッド方式で説明会を実施(写真2)。ワクチンの作用機序や海外の治験データ、先行接種者に求められる「健康観察日誌」の記載方法などが示された。会場に集まった職員は手元の配布資料とスライドを交互に見ながら熱心に聞き入っており、職員の相談役となる研究分担医師を中心に、複数の質問も寄せられていた。説明会に参加した整形外科医長の小林喜臣氏は、「新規のワクチンということで、我々職員も漠然とした不安を抱えていたと思うが、今日の説明会の話を聞いて少し安心した」と話した。また、同日にはワクチン接種への同意書も配布。接種希望者には19日から22日にかけて提出を求めた。20日時点で接種を希望したのは約400人の職員中174人。先行接種募集を締め切る22日までには270人程度の希望者を予想している。これは「ほぼ想定通りの数字」(谷戸氏)だという。

 そして接種日の20日。会場となった部屋には5人ずつ6列の椅子が並べられ、朝9時すぎには先行接種対象の第1陣となった医師や看護師、事務職員など30人が部屋に集まった。

 接種は医師と3人の看護師、2人の事務スタッフがチームを組んで横1列ずつ順次進めて行く方式だ。被接種者は椅子から動かず、医療スタッフが移動する。今回のワクチンでは接種後、30分(一般向けの接種では15分)安静にしている必要があるが、同センターの方法ならば、被接種者は一度も立ち上がる必要もないままにすべてが終了する。「通常は被接種者が個別のブースに移動するが、それでは時間がかかるため、接種する側が動くやり方に落ち着いた。また、安静にするために別の場所に移ってもらうことになれば、移動中に副反応が起こるリスクがある。この形であるば大人数が安全に注射できると判断した」(谷戸氏)。

 実際の接種の流れはこうだ。まず医師が問診を行って接種の可否を判断。その後、1人の看護師が接種し、もう1人の治験を担当する看護師が問診票に接種したワクチンのロット番号を記したシールを貼っていく(写真3)。事務スタッフはパーティションを持って、後ろの列に座る人たちからの目隠しを行う。「接種している様子が見えると、待っている側が怖く感じてしまう。パーティションはそのための配慮だ」(谷戸氏)。30人という1部屋あたりの接種者の数にも意味がある。現在、ワクチンは1バイアルからシリンジによって5人分、あるいは6人分接種できる。30人ならば、どちらのシリンジを用いても無駄が出ないというわけだ。なお、20日に使われたのは6人分接種できるシリンジ。ワクチンと同時に十分数がシリンジも配布されたという。実際の接種を手掛けた看護師の清水紗彩氏は、「特に難しいとは思わなかったが、普段のワクチンよりも(薬液の)量が少なく、(シリンジが)細いので、しっかりと固定をして打つように気を付けた」と感想を話す。

 20日の接種にかかった時間は、説明も含めて1人あたり1分程度。「スムーズに接種できたと評価している」(谷戸氏)。今後は、接種会場を増やして、さらなる効率化を目指す。接種チームを2チームにし会場を4カ所にすることで、2カ所で接種しながら、2カ所では接種後の安静を取る仕組みとしたい考えだ。
接種時にアセトアミノフェンを渡して副反応に対応

 今回の先行接種は国主導の臨床研究であると同時に、今後の院外の医療者や一般人を対象とした接種のシミュレーションでもある。とはいっても、現時点では海外の事例や限られた治験のデータしかない。村山医療センターでは、最初に接種することに対する不安を軽減すべく、病棟や部署を14グループに分け、各グループに研究分担医師を配置。気になる症状が生じたときは、24時間いつでも相談できる体制を整備した。

 また、副反応による発熱なのか、新型コロナウイルス感染症による発熱なのかは区別が難しいため、接種後の出勤に関する目安を院内のワーキンググループで設定。37.5℃以上の発熱が持続している場合や、37.5℃未満であっても倦怠感や頭痛などのその他の症状により勤務に支障があると考えられる場合は、各部署の研究分担医師または当直医師と相談の上、出勤停止を考慮することとした。さらには、先行接種では接種時にアセトアミノフェンを配布して、自身でも対応できるようにした。「先行接種で調子が悪くなった時には、他の医療機関を紹介せずに接種機関で対応することが求められているため、アセトアミノフェンを出すことにした。ただ、一般の接種の際に同じ対応するのは難しい。一般の接種の際には、体調が悪くなった際には近医を受診するように勧めることになるのではないか」と谷戸氏は話していた。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202102/569240.html

コミナティ筋注の添付文書をチェック!先行接種開始、新型コロナワクチンの特徴は?(日経メディカル)

2021-02-20 09:42:13 | 医療
コミナティ筋注の添付文書をチェック!先行接種開始、新型コロナワクチンの特徴は? 2021/02/18 本吉葵=日経ドラッグインフォメーション(日経メディカル)

 2021年2月17日、ファイザー(東京都渋谷区)の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン「コミナティ筋注」(一般名コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)の医療者に対する「先行接種」が始まった。3月以降、薬局薬剤師などを含む医療者への「優先接種」、高齢者、基礎疾患を有する人――といった順に、接種が進んでいく計画だ。16歳以上の国民には努力義務が課され、無料で接種できるが、最終的な接種の判断は本人に委ねられる。なお、妊婦については努力義務は課されないが、接種希望者は無料で受けられる。

 21年2月14日に厚生労働省が特例承認したコミナティ筋注は、ファイザーとドイツBioNTech社が共同開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン。SARS-CoV-2の表⾯にあるスパイク(S)蛋白のS1とS2をコードするmRNAを作成し、脂質ナノ粒子(LNP)に封入したワクチンだ。

 筋⾁内注射後、筋⾁細胞や樹状細胞などの中でmRNA を鋳型にウイルス蛋⽩質が産生され、⽣成された蛋⽩質の一部がリンパ球に提⽰され、免疫細胞が認識することで、S蛋白に対する抗体を作成する。この抗体がSARS-CoV-2をブロックするため、ウイルスがヒト細胞に感染できないという設計だ。なお、ワクチンによって体内に入ったmRNAは⾃然に分解され、⼈の遺伝⼦には組み込まれない(機序の詳細はファイザーのウェブサイトを参照)。

 では、コミナティ筋注の特徴について、添付文書に沿って改めて確認してみよう。
国際共同第2、3相試験で発症予防効果は95%

  有効成分はトジナメランで、効能・効果は「SARS-CoV-2による感染症の予防」。効能・効果に関連する注意として、「本剤の予防効果の持続期間は確⽴していない」とされている。

 コミナティ筋注の添付文書の冒頭には、以下のような文言が枠囲みで書かれている。

 本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において長期安定性等に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集中である。

 本剤の使用にあたっては、あらかじめ被接種者又は代諾者に、本剤に関する最新の有効性及び安全性について文書で説明した上で、予診票等で文書による同意を得た上で接種すること。また、有害事象が認められた際には、必要に応じて予防接種法に基づく副反応疑い報告制度等に基づき報告すること。なお、本剤の製造販売後に収集された情報については、最新の情報を随時参照すること。

 特例承認とは、医薬品医療機器等法に基づき、(1)疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、(2)当該医薬品の使用以外に適切な方法がない、(3)海外で販売等が認められている――という要件を満たす医薬品について、承認申請資料のうち臨床試験以外のものを承認後の提出としても良いなどとして、特例的な承認をする制度だ。

 今回の特例承認は、国際共同第2、3相試験のデータと、⽇本⼈における安全性、忍容性および免疫原性を評価した国内第1、2相試験の主要なデータを含む包括的な科学的エビデンスに基づいている。国際共同第2、3相試験で行われたプラセボ対照無作為化多施設共同試験では、同ワクチンの発症予防効果は95%だった(関連記事:COVID-19に対するmRNAワクチンの第3相試験で有望な結果)。また、国内第1、2相試験では、海外試験結果と同様の安全性および免疫原性が⽰されている。
妊婦には接種の努力義務は適用せず

 添付文書において、妊婦や妊娠の可能性のある⼥性への接種については、「予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」とされている。授乳婦に関しては、「予防接種上の有益性および⺟乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中⽌を検討すること。ヒト⺟乳中への移⾏は不明である」と記載。また、⾼齢者への接種に当たっては、「問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を⼗分に観察すること。⼀般に、⽣理機能が低下している」とある。

 妊婦や高齢者などへの接種を巡っては、21年2月15日に開催された第19回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会でも議論されており、妊婦については、胎児への影響について明らかになっていないことなどから前述の通り努力義務を適用しない一方、授乳中の人には、海外でも接種を控えることまでは推奨していないことなどから、国内においても努力義務の適用は除外しないこととされた。

 高齢者に関しては、海外では接種後の死亡事例も多数報告されているが、ワクチン接種の有益性が潜在的リスクを上回ることが示唆されていること、ワクチン接種後の死亡事例について自然発生の死亡率と有意な差はないことなどから、接種は継続されているのが現状であり、接種を提供すべきとされた。

 また、基礎疾患がある人についても、接種を受けた後の偶発的な要因も含めて病状が悪化する可能性はあるものの、感染で重症化するリスクが高く、接種を受けるメリットがリスクを上回ることが示唆されている。分科会では、高齢者で状態が悪い人や基礎疾患が悪化している人は特に慎重に予防接種の適否を判断する必要がある旨を、注意喚起することとした。
1バイアルで6人接種可能

 SARS-CoV-2の接種体制については現在、各地で準備が進められているが、病院や薬局の薬剤師が希釈などの業務を担うことが計画されている地域もある。実際、コミナティ筋注はどのような手順で投与するのだろうか。

 添付文書によれば、用法・用量として、生理食塩液1.8mLにて希釈し、1回0.3mLを合計2回、通常、3週間の間隔で筋肉内に接種する。接種対象は16歳以上の者で、接種間隔は1回⽬の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回⽬の接種を実施することとされている。

 一部報道で話題となっていたのが、1バイアルから何人分が接種できるか。添付文書の「希釈方法」の項では、「希釈後の液は6回接種分(1回0.3mL)を有する。デッドボリュームの少ない注射針又は注射筒を使用した場合、6回分を採取することができる。標準的な注射針及び注射筒等を使用した場合、6回目の接種分を採取できないことがある。1回0.3mLを採取できない場合、残量は廃棄すること。」とされている。

 なお、ワクチンの貯法は-90℃~-60℃で有効期間は6カ月。冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、解凍および希釈を5日以内に行うこととされている。室温で解凍する場合は、解凍および希釈を2時間以内に行う。また、解凍の際は、室内照明による曝露を最小限に抑える、直射日光および紫外線が当たらないようにする、解凍後は再冷凍しないといった点に注意が必要となる。
接種後の症状の報告は今後正式決定

 コミナティ筋注の添付文書に記載されている重⼤な副作⽤は、ショック、アナフィラキシーで、その頻度は不明。「本剤の初回接種時にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては本剤2回⽬の接種を⾏わないこと」と明記されている。

 その他、臨床試験における副反応の発現割合として、局所反応(注射部位)では疼痛(84.3%)、腫脹(10.6%)など、精神神経系では頭痛(55.1%)など、消化器では下痢(15.5%)など、筋・骨格系では筋⾁痛(37.9%)、関節痛(23.7%)など。その他、疲労(62.9%)、悪寒(32.4%)、発熱(14.8%)などが記載されている。

 2月15日の分科会では、予防接種を受けたことによるものと疑われる症状の報告基準についても議論された。アナフィラキシーについて添付文書上で重大な副作用に記載されていることなどから、4時間以内の発症について報告基準に盛り込むことが議論された。

 その他、医師が予防接種との関連性が高いと認める症状であって、入院治療を必要とするもの、死亡、身体の機能の障害に至るものまたは死亡もしくは身体の機能の障害に至る恐れのある症状について、予防接種との関連性が高いと医師が認める期間において報告できるようになる見通し。接種の実施場所としては、対象者の住所地にある接種会場の他、医療機関も想定されていることから、こうした副反応については地域の薬局薬剤師も把握しておく必要がありそうだ。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202102/569167.html

アストラゼネカ製コロナワクチン、独仏で使用回避広がる-副反応懸念(Bloomberg)

2021-02-19 02:29:23 | 医療
アストラゼネカ製コロナワクチン、独仏で使用回避広がる-副反応懸念 2021年2月18日 7:14 JST(Bloomberg)

ドイツは使用が当初供給の1割未満-フランスは予約に多数の空き アストラ製ワクチンを接種した300人の25%に副反応と現地報道

欧州連合(EU)は英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを数週間前には声高に要求していたが、ドイツに当初供給されたうち実際に使用されたのは1割にも満たない。一部の医療関係者は副反応への懸念を口にする。

  ドイツだけではない。フランスの医療関係者の一部もアストラ製を避け、米モデルナ製や米ファイザー・独ビオンテック製のワクチン接種を望んでいる。EUはアストラと、供給を巡り不当な扱いを受けているとして衝突していた。

  EUのワクチン接種は米国や英国に大きく遅れており、アストラに発注した3億回分が積極的に接種されない限り、近い将来に追い付くことは不可能だ。だが、複数のメディアが予想外に強い副反応が生じた事例を報道。ドイツのシュパーン保健相は17日、アストラ製ワクチンは「安全かつ有効」で、自分なら接種をためらわないと述べるなど、火消しに追われた。

  ドイツの地方紙が消防当局の内部文書として報じたところによると、同国北西部のドルトムントでは、先週後半にアストラ製ワクチンを接種した300人のうち4分の1が体調を崩し欠勤した。ドルトムントのあるノルトライン・ウェストファーレン州の保健当局は、医療機関のスタッフが不足する事態を避けるため一度に接種する医療従事者の人数を少なくするよう勧告したと、DPA通信は伝えた。

  アストラの広報担当者は、臨床試験で得られたデータに一致しない反応は報告されていないと言明し、深刻な副反応は今のところないと繰り返した。これまでに知られている同社製ワクチンの副反応では、頭痛や倦怠(けんたい)感、悪寒、発熱、筋肉の痛みなどがある。

  独医薬品規制当局パウル・エールリヒ研究所は承認済みの3つのワクチンについて、予期しない副反応を「ほぼ全く」検知していないとシュパーン氏は語った。

  欧州の多くの国がアストラ製ワクチンの使用を65歳未満に限定しているため、優先度の高い接種対象のうち高齢者をモデルナやファイザー・ビオンテック製に回し、医師や看護師、福祉施設従事者はアストラ製に振り向けられることが多い。だがフランスのワクチン予約プラットフォームでは、アストラ製接種の予約に数百の空きがあるのに対し、その他2つのワクチンではほぼ空きがない状況となっている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-17/QOOHNAT0AFBT01

ファイザー社のワクチンの副反応率

2021-02-16 20:56:17 | 医療
 日本で接種が予定されているファイザー社の新型コロナ用ワクチン(コミナティ)ですが、薬品の添付文章によると副反応の発生率が異様に高いようです。注射を打った119人中、103人で疼痛、48-70人で疲労、39-51人で頭痛、17-38人で37.5度以上の発熱とのことです。




 一方で、命に関わる副反応であるアナフィラキシーショックは189万回中、21件だという報告もあります。そして、その全員が回復している、とのことです。

参照:新型コロナのワクチンは、アレルギーの病気を持っていると接種できないの?
(堀向健太 | 日本アレルギー学会専門医・指導医。日本小児科学会指導医)

 また、比較的、副反応の少ないアストラゼネカ製のワクチン(これも日本で接種予定)よりも変異種に強い(効き目がある)という報告もあります。

参照:南ア、アストラゼネカのワクチン接種を停止 変異株に効果小さいとの研究受け(BBC)

 ワクチンの接種は努力義務であり、強制ではありませんので、それらを参考の上で接種されるか、お決めになるといいと思います。


医師6830人に聞いた「COVID-19ワクチン、接種したいですか」 

2021-01-16 19:38:28 | 医療
医師6830人に聞いた「COVID-19ワクチン、接種したいですか」 世界初の機序を持つCOVID-19ワクチン、あなたは受けたいですか? 医師は35%が「早期に接種を受けたい」と回答 2020/12/15 久保田文=日経バイオテク

 2020年、世界に感染が広がり、医療だけでなく経済にも大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。しかし、製薬企業やバイオ企業が異例のスピートで研究開発を進めた結果、第3相臨床試験で有効性・安全性が示されたワクチンが登場。12月2日には、第3相臨床試験でのデータに基づいて、世界で初めて、英国でCOVID-19ワクチンが認可(緊急使用許可)を得た。

 英国政府が緊急使用を一時的に許可したのは、米Pfizer社とドイツBioNTech社がCOVID-19に対して開発していたmRNAワクチン(開発番号:BNT162b2)。既に英国では、優先接種の対象である高齢者などの接種がスタートしている。他にも、米Moderna社のmRNAワクチン(mRNA-1273)、英Oxford大と英AstraZeneca社のウイルスベクターワクチン(AZD1222)などが近く、欧米などで認可を得る可能性がある。日本では、現在これら複数のワクチンの臨床試験が進んでおり、2021年以降、承認されるものが出てくるとみられている。

 mRNAワクチンは、その名の通りmRNAを有効成分としており、体内に投与すると、mRNAが細胞内に入り、そこでmRNAを鋳型として蛋白質が合成される。この蛋白質が抗原となり、免疫反応を誘導する。

 インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスを鶏卵(有精卵)に接種して培養し、回収してエーテルで分解・不活化して得られるヘムアグルチニン(HA)蛋白質を有効成分とする。おたふくかぜ生ワクチンは、弱毒型のムンプスウイルスをニワトリ初代培養細胞に感染させて培養し、得られたウイルス液を凍結乾燥して製剤化する。百日せきワクチンは、百日せき菌を培養し、得られた毒素をホルマリンで無毒化して製剤化する。HPVワクチンは、遺伝子組み換え技術でHPV遺伝子を酵母に導入し、この酵母内でウイルス蛋白質を生産させ、これを抽出・精製して製剤化する。いずれも製造過程で抗原となる蛋白質や毒素を作り、それを有効成分としてワクチン製剤とすることは共通している。

 現在COVID-19ワクチン開発の先頭に立ち、欧米で大規模に接種されようとしている製剤はいくつかあるが、いずれもSARS-CoV-2の蛋白質をコードするmRNA、もしくはこの蛋白質の遺伝子をコードするウイルスベクターを投与し、蛋白質を作るのは接種された人自身の細胞であるという点で、これまでのワクチンとはコンセプトが全く異なる。mRNAやウイルスベクターといった、ワクチンとしてはほとんど使用経験がない機序を持ったワクチンであるのだ。

図1 早期接種を受けたいか?(N=6830) 医師を対象に、COVID19のワクチンが⽇本で承認され、(優先接種の対象になるかどうかは別として)希望すればすぐに接種を受けられるとした場合、早期にワクチンの接種を受けたいと思うか聞いた(1つだけ)



 では、こうしたCOVID-19ワクチンが日本で利用可能になった場合、国内の医師や製薬・バイオ業界の関係者は早期にワクチンの接種を受けたいと考えているのだろうか――。日経メディカルOnlineと日経バイオテクでは、2020年11月20日から12月2日まで、COVID-19のワクチンに関してウエブアンケートを実施した。

 まず、医師の回答から見てみよう。回答医師(N=6830)のうち、「早期にワクチンの接種を受けたい」と考えているのは35%に上った。一方で、「早期に接種を受けたくない」は30%、「分からない」は35%で、計65%が早期の接種に後ろ向きだった(図1)。

 一方、国内で一般市民約1000人を対象にいくつかアンケートが実施されており、その結果によれば、いずれのアンケートでも「早期にワクチン接種を受けたい」と回答しているのは10%から13%と発表されている。こうした数字を前提にすれば、早期にワクチン接種を受けたいと考える医師は、一般市民に比べてかなり多いと言えるだろう。

 ではなぜ、35%の医師が早期接種に前向きなのか。「早期にワクチンの接種を受けたい」と回答した医師(N=2401)に「受けたい」を選んだ理由を聞いたところ、「個人の感染症対策にはワクチン接種が有用だから」「COVID-19の感染状況が深刻だから」「集団の感染症対策にはワクチン接種が有用だから」という回答が大部分を占めた(図2)。

図2 「受けたい」を選んだ理由は?(N=2401)「早期に接種を受けたい」と回答した医師を対象に、「受けたい」を選んだ理由を聞いた(複数回答可)



 ただ、自由意見を見ると、後ろ向きの理由で「早期接種を受けたい」と回答している実態もあるようだ。例えば、「ワクチンを受けていたら感染しても社会的制裁を受けなそうだから(50代その他、その他の診療科)」「受けずに感染したら医師としての責任感が問われる(60代開業医、整形外科)」「気が進まないが受けないといろいろ言われそう(20代病院勤務医、消化器外科」など。万が一、感染、発症した際の免罪符として接種を受けざるを得ないと考えている意見が散見された。

 一方で、30%の医師が早期接種を受けたくないと考える理由は何だろうか。「早期にワクチン接種を受けたくない」と回答した医師(N=2019)に「受けたくない」を選んだ理由を聞いたところ、70%以上が「ワクチンの安全性がまだ十分に検証されていない」を選び、大部分が安全性について懸念していることが明らかになった(図3)。次いで多かったのは「ワクチンの有効性(発症予防効果)が十分に検証されていない」「有害事象が怖い」「安全性や有効性などのデータが相当蓄積されるまで数年程度様子をみたい」だった。

図3 「受けたくない」を選んだ理由は?(N=2019)「早期に接種を受けたくない」と回答した医師を対象に、「受けたくない」を選んだ理由を聞いた(複数回答可)



 さらに、「早期にワクチン接種を受けたくない」と回答した医師(N=2019)の自由意見をみると、COVID-19の致死率などを考慮した上で、「ベネフィットよりもリスクの方が大きいから(30代病院勤務医、糖尿病科)」という意見が多かった。加えて、「開発・認可が早すぎる(50代病院勤務医、一般内科)」「政治的や経済的な側面が強く出ている(60代病院勤務医、循環器内科)」「効果ばかりが喧伝されている(70代病院勤務医、呼吸器内科)」「日本の製薬会社のものではない(60代開業医、小児科)」といった様々な理由を挙げ、「ワクチンが信用できない」と考える医師も少なくない。連日、メディアでワクチンの有効性が90%、95%と報じられている状況に、「まったく信用できない(60代開業医、呼吸器外科)」と拒否反応を示す意見もあった。

 なお、現状でワクチンについて報じられている「有効性」とは、あくまで第3相臨床試験の結果だ。具体的には、数万人規模で被験者にワクチンまたはプラセボ(偽薬)を2回接種し、一定期間後にCOVID-19を発症した被験者をカウント。ワクチン群とプラセボ群で比較し、ワクチン群でどの程度発症者が少なかったかでリスク減少効果を算出している。例えば、1万人~2万人の健常人をそれぞれワクチン群またはプラセボ群に割り付けて接種し、プラセボ群で100例が、ワクチン群で10例が発症すれば、有効性は90%ということになる。90%、95%といった有効性について、「ワクチンを接種すると90%、95%が発症しない」ということではないので注意が必要だ。

 今回のアンケートでは、早期にワクチン接種を受けたいかどうかは、COVID-19診療に携わっているかどうかに影響されることも明らかになった。回答医師(N=6830)のうち、COVID-19の診療に携わっている医師(N=3010)は、そうでない医師(N=3820)に比べて「早期に接種を受けたい」と考えている割合が10%以上多かった(図4)。COVID-19の診療に携わっていて、早期の接種を受けたいという医師の自由意見には、「勤務先の病院でCOVID-19の患者が発生している(60代病院勤務医、整形外科)」「外科系救急外来といえどCOVID-19に遭遇する可能性がある(60代病院勤務医、整形外科)」「感染に気を使って生活をするのに疲れた(50代開業医、産科・婦人科)」など、切実な訴えが並んでいる。

図4 COVID-19診療に関わっている医師と関わっていない医師におけるワクチン接種の希望(N=6830)
現在、感染症指定医療機関や新型コロナウイルス感染症疑い患者受⼊協⼒医療機関、地域外来・検査センター、その他の発熱外来などで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者や疑い患者の診療に直接携わっているかどうかと早期接種を受けたいかどうかを聞き、クロス集計した



 勤務形態では、接種を受けたい医師の割合に大きな違いはなかったが(図5)、年齢別で見ると、「早期にワクチンの接種を受けたい」と考えている医師は、20代、70代、60代の順に多かった(図6)。20代は、初期研修医や後期研修医が多いため、立場上、接種が必要だと考える医師が多いという背景があると見られる。一方で60代、70代は、感染すると重症化するリスクが高い上、基礎疾患がある医師も少なくないことが関係しているかもしれない。

図5 雇⽤形態別のワクチン接種に対する考え方(N=6830)雇⽤形態別の早期接種を受けたいかどうかの回答結果



図6 年齢別のワクチン接種に対する考え方(N=6830)年齢別のワクチン接種希望の結果
製薬・バイオ業界は7割近くが「受けたくない」?



図7 早期接種を受けたいか?(N=50)製薬・バイオ業界の関係者を対象に、COVID-19ワクチンが⽇本で承認され、(優先接種の対象になるかどうかは別として)希望すればすぐに接種を受けられるとした場合、早期にワクチンの接種を受けたいと思うか聞いた(1つだけ)



 次に、製薬・バイオ業界の関係者の回答を見てみよう。回答した業界関係者(N=50)のうち、「早期にワクチンの接種を受けたい」と回答したのは28%にとどまり、「受けたくない」は64%、「分からない」は8%と、7割は現状で実用化が近いCOVID-19ワクチンに対する不安感が強いと言えそうだ(図7)。

 医師の回答結果と比べると、「早期に接種を受けたい」という業界関係者は若干少なく、早期接種は受けたくないと明確に意思表示する割合がかなり高い。ただそれでも、一般市民のうち早期にワクチン接種を受けたいと考えているのは10%から13%程度であることを考慮すれば、医師ほどではないにせよ、早期接種を希望するケースは多いとも言える。

 「早期にワクチンの接種を受けたい」と回答した業界関係者(N=14)に「受けたい」を選んだ理由を聞いたところ、「集団の感染症対策にはワクチン接種が有用(社会として集団免疫を獲得するため)」「個人の感染症対策にはワクチン接種が有用」が多く、「COVID-19の感染状況が深刻」という回答はその半分程度しかいなかった(図8)。医師に比べ、業界関係者はCOVID-19の直接感染リスクにさらされることが少ないからかもしれない。

図8 「受けたい」を選んだ理由は?(N=14)業界関係者を対象に「早期に接種を受けたい」を選んだ理由を聞いた(複数回答可)


 「早期にワクチン接種を受けたくない」と回答した業界関係者(N=32)に「受けたくない」を選んだ理由を聞いたところ、医師と同様、「安全性がまだ十分に検証されていない」が多かった(図9)。しかし、次いで多かったのは「早期に出てくるワクチンが接種経験の乏しい新しい機序のワクチンだから」という理由。アンケートに回答した製薬・バイオ業界の関係者には、製薬企業などの研究者が多いことから、新しいタイプの医薬品のリスクを念頭に置く人が多いことがうかがえた。

図9 「受けたくない」を選んだ理由は?(N=32)業界関係者のうち「早期に接種を受けたくない」と回答した理由を聞いた(複数回答可)

 実際、「早期にワクチン接種を受けたくない」と回答した業界関係者(N=32)の自由意見をみると、mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンの使用経験が限られていることを指摘する意見が目立ち、ワクチンのタイプ(モダリティ)によって、接種するかどうかの意向が変わる可能性が示唆された。
医師が早期接種を受けたい理由/⾃由意⾒欄から

●抗体依存性感染増強(ADE)が懸念されたが、ワクチンが意外と有効だというデータが少しずつでてきたため。まだデータを⾒ないと分からないが…。(40代病院勤務医、⼀般内科)

●COVID-19に今感染した場合は⾏動制限があり、収⼊が下がるから。(30代病院勤務医、病理科)

●COVID-19の特効薬がない現況において、ワクチンは唯⼀の武器になり得る。(30代病院勤務医、乳腺外科)

●COVID-19感染で1つの病棟が閉鎖になった。その際、患者の治療に当たったが、正に戦場のようであった。(60代病院勤務医、精神科)

●いつまで有効か不明だが、とりあえず受けたい。(70代病院勤務医、⼀般内科)

●インフルエンザワクチンと同じように、たとえ感染しても重症化や死亡率を減らせるのでないかと考えているから。(60代病院勤務医、⿇酔科)

●ウイルスも、ワクチンも、必要以上に恐れないことを啓発して欲しい。どんなに社会や医療ががんばってもリスクはゼロにならない。COVID-19に限らず。(40代診療所勤務医、精神科)

●できる限りのことはやりたい。(30代病院勤務医、⽿⿐咽喉科)

●ワクチンを受けていたら感染しても社会的制裁を受けなさそうだから。(50代その他、その他の診療科)

●ワクチン接種により重症化を防ぐことが、医療資源の負担を減らすことにつながるから。(30代病院勤務医、循環器内科)

●安全性が確認されているなら、インフルエンザ同様、医療従事者は受けるべきだと思うから。(30代診療所勤務医、総合診療科)

●異例の速さで開発が進んだので、⻑期的な安全性や有効性には不安はある。しかし、⽇常臨床でいつ感染するか分からない現在、ともかく、ここ半年、1年は何とかCOVID19への免疫を持っていたいと思う。その間に、より安全性や有効性のある新たなワクチンも開発されるだろう。(60代病院勤務医、緩和ケア科)

●医師としての矜持から、医療者が率先して接種してしないと、ワクチン忌避から停滞してしまっているワクチン医療がさらに後退してしまうから。(60代開業医、糖尿病科)

●医療者は、COVID-19のハイリスクだと思うので。(50代病院勤務医、⾎液内科)

●欧⽶の臨床試験を経て承認されたワクチンであれば、安全性についても⼀定の妥当性・評価がされているはずだから。⻑期の健康被害についてはもちろん分からないが。科学的な⾒地からはずれるが、できれば国産が良いとも思う。(30代病院勤務医、放射線科)

●開業医レベルで使⽤できる有効な治療薬がない以上、⾃分の⾝を守るにはワクチンしかないのでは。(50代開業医、消化器内科)

●感染に気を使って⽣活をするのに疲れた。早く元通りの⽣活に戻りたい。(50代開業医、産科・婦⼈科)

●ワクチンで重症化を防げるのであれば、通常の⾵邪への対応へフェーズをダウンできると考えるから。(50代病院勤務医、⼩児科)

●勤務先の病院でCOVID-19の発病患者が発⽣しているため。(60代病院勤務医、整形外科)

●現状では直接治療に携わる者は希望者のみであるため、⼀部に負担が多くなっている。ワクチン接種すれば治療に携わってもよいと考えるものも増えるだろう。(40代病院勤務医、⿇酔科)

●後遺症もあるし感染したくない疾病だと思う。(30代病院勤務医、⼩児科)

●私は67歳と前期⾼齢者に属しており、感染した場合重症化する可能性があるので、予防効果のある可能性が⾼いのであれば、ぜひワクチン接種を受けたい。(60代病院勤務医、循環器内科)

●重篤な副作⽤の可能性はあるにしても、⼀定の予防効果が得られるなら、⼗分メリットがあると考えられるから。(20代病院勤務医、精神科)

●絶対に受けるべき。受けずに感染した時は医師としての責任感が問われると思う。(60代開業医、整形外科)

●⽇本の現状を鑑み、COVID-19の更なる増加、医療ひっ迫は避けられない可能性が⾼い。ワクチンの効果が限定的であれ、リスクヘッジの観点から、あらゆる可能性を試すのが今の現状と思われるから。(60代病院勤務医、脳神経外科)

●予防できるものであれば、それに越したことはない。少なくとも、欧⽶が先⾏すると思うので、⽇本での実⽤化前には、ある程度副作⽤も情報が出ると思う。(50代診療所勤務医、糖尿病科)

●あまり気が進まないが受けないと⾊々⾔われそうだから受けると思う。(20代病院勤務医、消化器外科)
医師が早期接種を受けたくない理由/⾃由意⾒欄から

●現時点ではコロナウイルスは弱毒。サイトカイン・ストームが起きなければ、しつこい⾵邪程度。無症状や軽微な症状がほとんど。(60代診療所勤務医、⼀般内科)

●インフルエンザワクチンもだが、接種するメリットが副作⽤のデメリットより⼩さいため。(30代病院勤務医、腎臓内科)

●現在の環境では感染の危険性はかなり低いため、ワクチン接種を希望しない。しかし、⾃分もCOVID-19患者を診るような状態になり、その時点で有効性と安全性データが蓄積していれば、接種も考える。(50代その他、⼀般内科)

●そもそも有効性が確⽴していないし、新しい機序の医薬品を使う気にはなれない。(60代病院勤務医、リハビリテーション科)

●コロナは適切に予防をしていればうつらない、と思うから。ワクチン接種よりも予防を継続したい。(40代病院勤務医、緩和ケア科)

●安全性や有効性のはっきりしないワクチンを拙速に接種勧奨すべきではないと考える。ワクチンの有効性が90%、95%などとの報道がなされているが、まったく信⽤できない。(60代開業医、呼吸器外科)

●mRNAワクチンは今までに成功した試しが無い。パンデミックのために、世界中で猛烈な研究が始まったにせよ、急に何種類も開発できてきたのは不⾃然。効果ばかりが喧伝されている。安全性が全く確保されていないと感じる。いかにも拙速。信頼できない。(70代病院勤務医、呼吸器内科)

●COVID-19は致死率がものすごく⾼いわけではないので、メリットよりデメリットの⽅が⼤きいように思う。このような短期間で開発された、安全性が検証されていないワクチンを⾃分が打ちたいとは思わないし、家族に打ちたいとも思わない。(40代その他、循環器内科)

●政治的や経済的な側⾯が強く出て安全性について検証がたりない。(60代病院勤務医、循環器内科)

●⽇本では、それほどの脅威だとは思われない感染症である。ワクチンの効果がもうひとつはっきりしない。特に、効果が⻑続きするとは思えない。(60代病院勤務医、⼩児科)

●⽇本での流⾏状況や重症化率を踏まえて、ワクチンの副作⽤や安全性についてのリスク対効果を考えると、ワクチンでリスクを低減する試みが必要なのは60代からのように思うから。(40代診療所勤務医、⼩児科)

●⽇本の製薬会社のものでないと信⽤できない。(60代開業医、⼩児科)

●確かに感染⼒はあるが、死亡率が数%の現状では、安全性、予防効果のエビデンスの確⽴が必要と考える。医療機関はひっ迫しているので、喉から⼿が出るほど活⽤したいのが現状だが、焦りは禁物。(30代病院勤務医、⼩児科)

●承認されるワクチンが不活化ワクチンや組換え蛋⽩質ワクチンであれば、是⾮、接種したい。mRNAワクチンやDNAワクチン、ウイルスベクターワクチンは、体内の細胞にランダムに⼊り込む、と理解しているので恐ろしい。(50代その他、その他の診療科)

●新型インフルエンザワクチンで、接種後体調が悪くなったため。(50代病院勤務医、整形外科)

● ⾃分の年代で重症率が特に⾼いとは思えず、⻑期的な副作⽤の不明なワクチンは受けたくない。(40代病院勤務医、精神科)

●基礎疾患のない⾃分⾃⾝にとって、新薬であるワクチンを接種するベネフィットがリスクを上回るメリットをもらたすとは思えない。使⽤経験がある程度蓄積されたら検討する。(30代病院勤務医、糖尿病科)

●⼈種によってもワクチンの効果や副作⽤に差が⽣じる事が予測されるため、国内⽣産がされるまでは接種したいと思わない。(20代病院勤務医、脳神経外科)

●「医療従事者優先」などと、このようなときだけ医療従事者を最前線に出さないでほしい。(40代病院勤務医、泌尿器科)

●そもそも副反応のはっきりしないワクチンを承認すべきではない。COVID-19に関しては、罹患しないことが最重要である点を周知すべきである。そのためなら、ロックダウンもいとわない。また来たるべきワクチンの流通は接種場所が限定されると考えられ、(接種場所で密集状態が⽣まれて)逆に感染を助⻑する危険性がある。(60代病院勤務医、⿇酔科)

●妊娠中のため特に副作⽤が気になる。(20代病院勤務医、⿇酔科)

●ウイルスに対するワクチンが承認されるのには、10年以上を要することがほとんどであり、有効性(持続性も含めて)・安全性が確認できるのは、少なくとも1年から2年は要すると思う。(50代病院勤務医、⼀般内科)

●COVID-19については、個⼈的にはインフルエンザとほぼ変わらないウイルス感染症と考えている。ワクチンは重症化を防ぐ⽬的であり、感染予防にはならない。感染してしまった際の治療法が確⽴していないのに、ワクチン接種してもなあ、と感じる。副作⽤の問題もある。(50代病院勤務医、呼吸器内科)

●コロナのワクチンは⾼齢者、持病がある⽅のみの接種でよい。(40代開業医、⼩児科)

●そもそも現在流⾏している型に⼀致するワクチンなのかも不明であり、有効性と安全性が不透明すぎるから。(20歳病院勤務医、総合診療科)
業界関係者が早期接種を受けたい理由/⾃由意⾒欄から

●抗腫瘍薬の開発業務に携わる者として、核酸をワクチンに利⽤するという発想には以前より着⽬していたが、COVID-19の流⾏により想像以上のブーストがかかった。がんに限らず、今後他の疾患分野への波及に⼤いに期待する。COVID-19のワクチンについては、抗体依存性感染増強(ADE)など、安全性の⾯でやや不安がないでもないが、とはいえ接種しない選択肢はないと考えている。(40歳代・製薬企業)

●勤務先の企業が強制せずとも、対⾯でお会いするお客様(ご本⼈でなくとも、そのご所属組織)がワクチンの接種を(⾯会などの)条件とされるであろうと推測しており、業務上ほぼ必須になるだろうから。(40歳代・研究機器企業)
業界関係者が接種を受けたくない理由/⾃由意⾒欄から

●mRNAワクチンはともかく、ウイルスベクターワクチンは接種したくない。リスク・ベネフィットを勘案して接種する価値があると思えない。(30歳代・化粧品・化学企業)

●mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンは経験値が極めて乏しく、⻑期にわたる⼗分な安全性試験が必要と考えているため。(60歳代・製薬企業)

●重症化リスクを複数有する⽅を除き、新型コロナウイルスの重症度は低い⼀⽅、ワクチン(特にmRNAワクチンやDNAワクチン)の安全性は確⽴されておらず、COVID-19の罹患率が⾮常に低い現状では、ウイルス感染そのものよりもワクチンによる副作⽤の⽅がリスクが⾼い(未知の要素が⼤きい)と考えるため。(30歳代・製薬企業)

●⼿洗い・うがい等を徹底し続ければ、感染リスクは上がらないと考えるため。(20歳代・製薬企業)

●抗体依存性感染増強(ADE)のリスクやその他副作⽤の検証が⼗分ではないこと。また、SARS-CoV-2によるT細胞減少、次いでB細胞の抗体産⽣能低下など、COVID-19における抗体産⽣のメカニズムなど不確かなことが多いから。有効性(重症化予防)の持続期間の期待値も不明であるから。つまり、リスク・ベネフィットを考慮すると、現状ではリスクが上回ると考えるため。(50歳代・⼤学・研究機関)

●有効性・安全性が分からないので、先⼿を打って受けたいという気にはならない。在宅勤務にシフトして、相対的にはリスクの低い集団にいると感じている。様⼦を⾒ながら、第2陣、第3陣でもいいのではないか。(40歳代・製薬企業)
調査概要

 ⽇経メディカルOnlineの医師会員、⽇経バイオテクの全会員を対象にウェブでアンケートを実施した。⽇経メディカルOnlineでのアンケート期間は、2020年11⽉20⽇から29⽇(⽇経メディカルOnline)で、回答者数は6830⼈。回答医師の年齢分布は、20歳代480⼈(7.0%)、30歳代1420⼈(20.8%)、40歳代1555⼈(22.8%)、50歳代1918⼈(28.1%)、60歳代1228⼈(18.0%)、70歳代195⼈(2.9%)、80歳以上34⼈(0.4%)。⽇経バイオテクでのアンケート期間は、2020年11⽉20⽇から12⽉2⽇(⽇経バイオテク)で、回答者数は50⼈。回答者の年齢分布は、20歳代2⼈(4.0%)、30歳代9⼈(18.0%)、40歳代12⼈(24.0%)、50歳代16⼈(32.0%)、60歳代11⼈(22.0%)。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202012/568312.html