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◆5、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日

2016-07-09 07:23:31 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)


★ 二章 聖母のご出現

 聖母マリアのご出現があったときルシア、フランシスコ、ジャシンタはそれぞれ十、九、七歳で誕生口は九〇七年二月二十二日、一九〇八年六月十一円、一九一〇年三月十一日でした。前述のように三人の幼い目撃著たちはファチマの町の小さな集落アルジュストレルに住んでいました。ご出現があったのはファチマからレイリアへの道路を二キロほど行った所にあるコヴァ・ダ・イリアと呼ばれる場所で、ルシアの両親に属する小さな土地でした。聖母がご出現になったのは一メートルほどの高さの柊の木の上のあたりでした。フランシスコにはマリア様が見えてもそのお声を聞くことはできませんでした。ジャシンタはマリア様を見ることも聞くこともできました。ルシアは聖母を見ることも聞くこともできましたし、話しかけることさえできました。ご出現の時刻は正午頃でした。

◆5、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日

 三人の子供たちがコヴァ・ダ・イリアで遊んでいたとき、彼らは稲妻のような光を二回見た後、柊の上に神の御母を見ました。ルシアの描写によれば、それは「太陽よりも輝いている白いお召し物を召された女の方でした。透き通った水を入れた水晶のコップに光り輝く太陽光線が当たったよりも透き通った、強い光がマリア様から出ていました」。ことばで表現できないその美しいお顔は軽く責めているような風で「悲しそうでも幸せそうでもなく、真剣でした」。その両手は祈っていらっしゃるかのように胸の前で上に向けて組み合わされていました。右手からはロザリオが垂れ下がっていて、お召し物はまるで光でできているようでした。上着の色は白、ベールの色も白で、金色で縁かがりされていました。それはマリア様の頭をおおい、足まで垂れ下がっていました。マリア様の髪も耳も見えませんでした。ルシアはマリア様の光り輝くお顔をよく見ることができなかったので、どうしてもそのお顔を掛写することができませんした。子供たちはマリア様から一メートル半ぐらいしかないすぐおそばにいたので、マリア様から出てそのお体を包み込んでしまっていた光の中に立っていました。対話の様子を以下に述べましょう。

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年) ◆6、

2016-07-09 07:21:42 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆6、

(注)

 面接の際ウォルシュ博士はイルマ・ルシアに、自分の手記の中では言葉どおりに書いたのか、それとも天使と聖母から告げられたことの全般的な意味だけを書いたのか尋ねました。イルマ・ルシアは以下のように答えています。

「天使の声には緊迫した、わたしたちを圧倒するような面、忘れることのできない超自然的現実性がありました。天使の言葉は、言われたとおりに、またいつまでも消えることなく、わたしたちの記憶に刻みつけられるようでした。それは聖母のお言葉ととても違っていました。聖母のお言葉はその一言々々が正確であったかは確かではありません。わたしが理解したのはその意味でした。わたしは理解したことを言葉にしたのです。これを説明するのは容易ではありません」(英語版のウォルシュ224ページ)。

 聖母から聞いたことをそのまま言葉にすることは困難だったので(これはある種の神秘現象と共通しています)、イルマ・ルシアはいつでも聖母が彼女に告げられたことを聞いたとおりに言おうとしていました。これはイオンゲン神父の調査の際明らかになりました。その一部を以下に再現してみましょう。

イオンゲン神父

 あなたが秘密を明らかにしたとき、聖母があなたに告げたことの意味だけを話すようにしたいと思いましたか?それとも聖母の言葉を聞いたとおり.再現するようにしたのですか?

イルマ・ルシア
 
 わたしがご出現のことを話すときわたしは言葉の意味だけに限定します。わたしはその出来事を書面に書くときはその反対に聞いた言葉をそのまま再現するように努めます。ですから秘密は聞いたとおりに書くことを望みました。

◆7、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日(3)

2016-07-09 07:19:38 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆7、一回目のご出現 - 一九一七年五月十三日(3)


聖母

 恐れることはありません。わたしはあなたたちを傷つけたりしませんから。

ルシア

 あなた様は、どこから来られたのですか?

聖母

 わたしは天国から来ました。(マリア様は手を挙げて、天を指されました。)


ルシア

 あなた様はわたしに何をお望みなのでしょうか?

聖母

 わたしがここに来たのはあなたたちがこれから六カ月の間毎月十三日のこの時刻にここに来るよう頼むためです。わたしがだれか、わたしが望むことが何であるかは後で教えてあげましょう。その後わたしは七回目にここに帰って来ます。

ルシア

 そしてわたしも天国に行けるでしょうか?

===

イオンゲン神父

 あなたがすべてを覚えていたのは確かですか?

イルマ・ルシア

 そう思います。

イオンゲン神父

 ですから秘密に関する言葉はあなたが聞いたとおりの順序で明かされたのですね?

イルマ・ルシア

 はい。

===

聖母

 行けます。

ルシア

 ジャシンタは?

聖母

 ジャシンタも行けます。

ルシア

 ではフランシスコは?

聖母

 フランシスコも。でも彼はたくさんロザリオを唱えなければなりません。

ルシア

 ではマリア・ダス・ネヴェスは天国に行ったのでしょうか?

聖母

 ええ。

ルシア

 そんならアメリアは?

聖母

 アメリアは世の終わりまで煉獄にいることになります。あなたは神様があなたにお送りになるすべての苦しみを人々が神様を傷つけてきた罪の償いとして、また罪人たちの回心を噸って捧げてくれますか?

ルシア

 はい。

聖母

 そう?それならあなたはたくさん苦しむことになります。だけど神様のお恵みがあなたを支える力になるでしょう。

 「神様のお恵みが…という最後の言葉をおっしゃりながらマリア様は初めて両手をお広げになりました。そうすると非常に強い光がそこから出てわたしたちの胸を貫き、わたしたちの魂の一番奥深くまで達し、わたしたちはあの光そのものであった神様の中に、どんな上等な鏡に自分たちを映すよりもはっきりと自分たちの姿を見ることができました。それから深い霊感に突き動かされて、わたしたちはひざまずいて、心の中で「至聖三位一体の神、わたしはあなたを賛美いたします。わたしの神、わたしの神、至聖なる御聖体の中のあなたを愛しています』と繰り返しました」

 「すぐ聖母はこうつけ加えられました。『世界平和のために、そして戦争が終わることを願って毎日ロザリオを唱えなさい』」

 「マリア様はその後すぐに静かに東の方面に上って行かれ、遠くに見えなくなってしまわれました。聖母を包んでいた光はあかも星をちりばめたような青空を突き抜けて、マリア様の通り道を切り抜けているようでした」(回想録2の126ページ、4の330、336ぺージ、デ・マルキ58-60ぺージ、ウォルシュ52-53ページ、アイレス・ダ・フォンセカ23-26ページ、ガランバ・デ・オリヴェイラ63-64ぺージ参照)。

◆8、一九一七年六月十三日

2016-07-09 07:18:30 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆8、一九一七年六月十三日


 二回目のご出現に先立って幼い目撃者たちは再び大きな光の輝きを見ることになります。それを子供たちは稲妻と呼んでいますが、むしろそれは近づきつつある光の照り返しと言った方が正確でしょう。そこに来ていた五十人近くの見物人たちの中の何人かは、ルシアと聖母の対話が始まった後の数分間は太陽の光も暗くなってしまったことに気付きました。また他の人たちは、ルシアが話し始める直前、柊のつぼみをつけたてっぺんが何かの重みがかかったかのように曲がってしまうのを見ています。子供たちにマリア様が語りかけていらっしゃる間見物人の中のある人たちはハチの羽音に似たささやき声らしい音を聞いています。

ルシア

 あなた様はわたしに何をお望みなのでしょうか?

聖母

 わたしがあなたに望むのはあなたが来月の十三日ここに帰ってくること、ロザリオを毎日唱えること、字が読めるようになるように勉強することです。後でその他に何がわたしの望みであるか言いましょう。(ルシアはここで、ある病人の回復を願いました。)

聖母

 回心するなら彼は今年中によくなるでしょう。

ルシア

 わたしたちを天国につれて行って欲しいのですが…

聖母

 そう?ジャシンタとフランシスコはすぐに天国に行きます。だけどあなたはまだしばらくここにいなければなりません。イエズス様はあなたを通して人々にわたしのことを知らせ、愛させるおつもりです。イエズス様は世界中にわたしの汚れない心への信心を確立することをお望みです。わたしの心を大事にする人たちには救いを約束します。こういう人たちは神様の玉座を飾るためにわたしが準備した花のように神様から愛されることになります。

ルシア

 わたしはこの世に一人残るのでしょうか?

聖母

 娘よ、そうではありません。そういう考えは年い?勇気を無くしてはいけません。わたしは決してあなたを見捨てません。わたしの汚れない心があなたの避難所、あなたを神に導く道ではありませんか?

「この最後の言葉を言い終えられると聖母はその御手をお広げになりました。そしてまたあの強い光の反映をわたしたちに見せて下さいました。わたしたちはまるで神様の中にいるかのような自分たちの姿を見ることができました。シャシンタとフランシスコはこの光が天に昇って行く部分にいるようでしたし、わたしはその光が地上に向かって放たれている部分にいるように見えました。マリア様の右手の前にはいばらに取り囲まれ、とげに突き刺さされている心臓が見えました。それが人類の罪によって侮辱されても償いをなさりたいマリア様の汚れない御心であることがわたしたちにはすぐ分かりました」

 この示現が終わったとき、マリア様はご自分から輝き出ている光に包まれたままあの小さな木から上昇なさった後、東の方に滑るように移動なさり、最後には見えなくなりました。近くにいた人たちは柊のてっぺんにあったつぼみがあたかも聖母のお召し物に惹かれるように同じ方向になびくのを観察しています。これらのつぼみが元の位置に戻ったのは何時間も経ってからのことでした。

(回想録2の130ページ、4の334ぺージ、回想録400ぺージ、デ・マルキ76-78ページ、ウォルシュ65-66ページ、アイレス・ダ・フォンセカ34-36ぺージ、ガランハ・デ・オリヴェイラ70ぺージ参照)

◆9、三回目のご出現 一九一七年七月十三日

2016-07-09 07:17:54 | ファティマの聖母

アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド著(成相明人神父訳)『ファチマの聖母』1997年(原著初版1975年)

◆9、三回目のご出現 一九一七年七月十三日

 ジャシンタとフランシスコの父親であるマルト氏は、三回目のご出現が始まったとき柊の木の上には灰色がかった雲がかかり、太陽光線が暗くなって、真夏であったのに冷たい風が山から吹き下りて来たと言っています。彼は空き瓶の中で飛び回っているハエの羽音に似たような音も聞いています。子供たらはいつもどおりの光の輝きを見た後、柊の上に聖母を見ています。


ルシア

 あなた様はわたしに何をお望みでしょうか?

(子供たちは、六月のご出現でマリア様の汚れない御心への信心について言われたことに関して堅く沈黙していました。彼らは聖母が自分たちに秘密を打ち明けられたとさえ言っていました。回想録の中でイルマ・ルシアは聖母がこの点に関して秘密を守るようにとおっしゃらなかったことについて触れています。しかし「わたしたちは神様がわたしたらにそうおさせになったと感じていた」とつけ加えます(回想録4の336ページ参照)。


聖母

 わたしの望みはあなたたちが来月も十三日にここに帰ってくること、世界の平和と戦争の終結を願ってロザリオの聖母を尊びながら毎日ロザリオを折り続けることです。助ける力があるのはあの方だけだからです。


ルシア

 あなた様はどなたなのか教えて下さいませんか?そしてわたしたちが本当にあなた様のお姿を見ていることをみんなが信じるように一つの奇跡を行なって下さらないでしょうか?


聖母

 毎月ここに来なさい。十月にわたしは自分がだれであるか、わたしが何を望んでいるかを教えるつもりです。そして人々が信じるためにみんなが見ることのできるような奇跡を行ないましょう。


 ルシアはその後、回心、いやし、その他いくつかの恵みを願いました。聖母はそれらの願いに答えて、その人たちが、いつでもロザリオを唱えたら年内に願いがかなえられることを約束して下さいました。

 それから、聖母は次のように続けられました。「罪人のために祈りなさい。そして『おお、イエズスよ。これはあなたの愛のため.罪人たちの回心のため、マリア様の汚れない御心に対して犯された罪の償いのためです』と絶えず、特にあなたが何か犠牲をするときに唱えなさい」。