『ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、8
「ああ、なんてことをしてくれたんだ!」ウゴの父は、ものすごい勢いで、あの子の父親の所に、文句を言いに走ろうとしました。
「ああ、お待ちになって!ねえ、いいじゃありませんか、あの子の両親を泣かせたからって.あなた、うちのウゴが治るわけでもないのですから」
ウゴの母は、夫を宥めて言いました。
これほどの損害を加えた人を許し、わが子のために祈るとは!ああ、そのとき、彼らは、イエズスのあの「許しなさい」のみことばをどれほどの英雄心で守っていたことでしょう!現代の世界には、考えられないことです。
これほどの信仰を神が無関心でおられるはずはありませんでした。ウゴは、1年間学校にこそ行けませんでしたが、あれから村の医者の家に住みこんで、完全に治ることができました。いいえ、完全以上だったかもしれません。歳をとっても.眼鏡の必要がなかったはど視力が強かったのですから。
この事故は、小学校2年のときで、2年生を2度することになりましたが、成績のほうは、ますます抜鮮です。この子の知恵に感嘆のあまり、村の主任神父さまは、ある日、ウゴの家にやって来ました。
「ねえ、どうでしょう。ウゴ君は、小学校の教育は、もう終えたのですが、これで勉強をやめさせるには、あまりにも惜しいお子さんです。この際、思いきって、神学校にでも入れてみたら、どうでしょう。ひとつ考えてみませんか。」と神父さまは、両観に提案しました。
こんな大きな喜びと悲しみがあるでしょうか。両親は答えました、
「神父さま、ありがとうございます。でも、ごらんのとおり、わたしどもは、こんなに貧乏ですから、どうすればよいのか見当もつきません。このことは、神父さまご自身よくご存知のうえですから、わたしどもは、決して反対はしません。それどころかかえって・・・」と。
あれから、主任神父さまは、てくてくと、村のすみからすみまで歩いて、話してまわりました。
神父さまは。何をお話しになったかしりませんが、貧乏な村人たちが、こぞって必要な物品を提供しはじめました。たりない分は、神父さまがなんとか工夫してみました。
(挿絵:勉強にはげむウゴ少年)
「ああ、なんてことをしてくれたんだ!」ウゴの父は、ものすごい勢いで、あの子の父親の所に、文句を言いに走ろうとしました。
「ああ、お待ちになって!ねえ、いいじゃありませんか、あの子の両親を泣かせたからって.あなた、うちのウゴが治るわけでもないのですから」
ウゴの母は、夫を宥めて言いました。
これほどの損害を加えた人を許し、わが子のために祈るとは!ああ、そのとき、彼らは、イエズスのあの「許しなさい」のみことばをどれほどの英雄心で守っていたことでしょう!現代の世界には、考えられないことです。
これほどの信仰を神が無関心でおられるはずはありませんでした。ウゴは、1年間学校にこそ行けませんでしたが、あれから村の医者の家に住みこんで、完全に治ることができました。いいえ、完全以上だったかもしれません。歳をとっても.眼鏡の必要がなかったはど視力が強かったのですから。
この事故は、小学校2年のときで、2年生を2度することになりましたが、成績のほうは、ますます抜鮮です。この子の知恵に感嘆のあまり、村の主任神父さまは、ある日、ウゴの家にやって来ました。
「ねえ、どうでしょう。ウゴ君は、小学校の教育は、もう終えたのですが、これで勉強をやめさせるには、あまりにも惜しいお子さんです。この際、思いきって、神学校にでも入れてみたら、どうでしょう。ひとつ考えてみませんか。」と神父さまは、両観に提案しました。
こんな大きな喜びと悲しみがあるでしょうか。両親は答えました、
「神父さま、ありがとうございます。でも、ごらんのとおり、わたしどもは、こんなに貧乏ですから、どうすればよいのか見当もつきません。このことは、神父さまご自身よくご存知のうえですから、わたしどもは、決して反対はしません。それどころかかえって・・・」と。
あれから、主任神父さまは、てくてくと、村のすみからすみまで歩いて、話してまわりました。
神父さまは。何をお話しになったかしりませんが、貧乏な村人たちが、こぞって必要な物品を提供しはじめました。たりない分は、神父さまがなんとか工夫してみました。
(挿絵:勉強にはげむウゴ少年)