良心の自由から生じることは、教会と国家の崩壊である
宗教無差別主義のこの毒を含んだ泉からは「すべての人に対して良心の自由が確立され、保証されるべきだ」という誤りかつ愚かなというよりむしろ突拍子もない原則が流れ出ます。これはきわめて伝染しやすい誤謬ですが、教会と国家を亡ぼすべく広がる無条件かつ無制限の言論の自由はこれを助長します。そしてこのような言論の自由が教会にとって有利なものであるかのように厚顔にも吹聴する者たちがいるのです。聖アウグスチヌスはこう言っています。「誤りの自由ほど人々の霊魂に確実な死をもたらすものがあるだろうか!」と。このように、人々を真理の道にとどめておくべき歯止めを彼らから取り除き、[原罪の結果]自然的に有している悪への傾きに、さらに拍車をかけて突き進むままに任せるならば、そこには、聖ヨハネが、太陽を暗ませる煙と地を荒らすイナゴの群れとがそこから立ち上るのを見た、かの深淵の穴が口を開いていると真実言うことができます。事実、ここから精神の不確かさとますますひどくなる青少年の堕落とが生まれ、又同じく、ここから人々の中に[教会の]聖なる権利およびこの上なく聖なる法規および事物への軽視が生じ、更にここから、一言で言うと国家を荒廃させる厭うべき災厄が出てくるのです。
なぜなら、経験に則して、また歴史上最も古い時代からの教訓に従えば富・権勢・栄華において抜きん出た幾多の都市国家がこのただ一つの悪によって滅んだからです。そしてこの悪とは制限なしの言論の自由・公の場での言論の放任・変化への熱狂的な望み他なりません。
教皇グレゴリオ16世『ミラリ・ヴォス』1832年8月15日
宗教無差別主義のこの毒を含んだ泉からは「すべての人に対して良心の自由が確立され、保証されるべきだ」という誤りかつ愚かなというよりむしろ突拍子もない原則が流れ出ます。これはきわめて伝染しやすい誤謬ですが、教会と国家を亡ぼすべく広がる無条件かつ無制限の言論の自由はこれを助長します。そしてこのような言論の自由が教会にとって有利なものであるかのように厚顔にも吹聴する者たちがいるのです。聖アウグスチヌスはこう言っています。「誤りの自由ほど人々の霊魂に確実な死をもたらすものがあるだろうか!」と。このように、人々を真理の道にとどめておくべき歯止めを彼らから取り除き、[原罪の結果]自然的に有している悪への傾きに、さらに拍車をかけて突き進むままに任せるならば、そこには、聖ヨハネが、太陽を暗ませる煙と地を荒らすイナゴの群れとがそこから立ち上るのを見た、かの深淵の穴が口を開いていると真実言うことができます。事実、ここから精神の不確かさとますますひどくなる青少年の堕落とが生まれ、又同じく、ここから人々の中に[教会の]聖なる権利およびこの上なく聖なる法規および事物への軽視が生じ、更にここから、一言で言うと国家を荒廃させる厭うべき災厄が出てくるのです。
なぜなら、経験に則して、また歴史上最も古い時代からの教訓に従えば富・権勢・栄華において抜きん出た幾多の都市国家がこのただ一つの悪によって滅んだからです。そしてこの悪とは制限なしの言論の自由・公の場での言論の放任・変化への熱狂的な望み他なりません。
教皇グレゴリオ16世『ミラリ・ヴォス』1832年8月15日