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演劇についての校則 聖ヨハネ・ボスコ

2021-12-22 08:17:37 | 格言・みことば
第十六章 演劇について  聖ヨハネ・ボスコ

 演劇は、キリスト教道徳の教えにあうなら、青少年のために非常に有益である。勿論それは、健全な形で喜ばせ、教育し、教えることをねらう場合である。この目的を達成するために先ず、①内容が適当であること②悪い習慣の原因を取り除くことが、必要である。

適当な内容について

一、内容は観客(つまり生徒たち)にあっていないといけない。すなわち、来賓などの外来者の好みに関係なく生徒の教育とレクリエーションのためになるものを選ぶ。参加する来客と友人はむしろ、催しが生徒の役に立ち、生徒が理解できるのを見るなら、満足するし、また、喜ぶであろう。そのわけで、残酷や復讐や不道徳的な性格を生々しく描写する悲劇、ドラマ、喜劇のようなものは避けるべきである。たとえ、そのアクションの展開の中でこのような面を反省させ戒めるねらいがあったとしても避けるべきである。

二、青少年は、生き生きと表現されたものの印象を深く心に受けとる。そしていくら理屈を言っても、反対の場面を見せても、そういう印象を忘れさせるのは難しい。決闘とか、射ち合いとか、強迫とか、暴力などは演劇に入れるべきではない。神の御名を口にすることは祈りと教訓のためだけに限るべきである。たとえ、のちに反省させるためであっても、不敬な言葉や呪いの言葉を言わせてはならない。同じように、無礼と下品と思われる言葉と表現も、避けるべきである。

三、特に大切にすべきものは、名文のデクラメーション、詩、作文、寓話、歴史、愉快なもの、笑わせるもの(不道徳でさえなければ)などである。声楽と楽器演奏、グループかソロか、またデュエット、テルゼット、カルテット、コーラスなどは喜ばせると同時に教育と道徳に役立つものを選ぶことにする。

避けるべきことについて

一、避けるべきものの中に、プロ用の専門的な衣裳がある。衣裳のためには普段の服を替えるか、あるいは学校に備えてあるもの、または寄付されたものを使う。余り賛沢な服装は虚栄心をさそい、好奇心をみたすために一般の劇場へ行く気持ちをおこす。

二、もう一つの不秩序のもとは、このような場合、時々役者や舞台係に配られる飲物、食物、もてなしなどである。

三、経験が示すように、このような特別扱いは貰う人に虚栄心と傲慢をおこす。その反面、参加できない人には、恨みと劣等感を与える。これらやその他の重要な理由のために、役者に対しては特別扱いをしないで、みなと同じ食事に参加させるべきである。彼らは役者も観客もみな同じ催しに参加できることを喜びとすべきである。歌とか、楽器の演奏とか、発表などが出来ること自体がもう充分な満足と見倣すべきである。もし誰かが特別に賞に価するなら、目上はそれを報いるための適当な方法をとるであろう。

四、結論を言えば、内容の選択、衣裳の節度、そして今述べたことを避けることは、演劇の健全さの保証である。校長たちは演劇のために定められた規則を守らせるようにせよ。なお演劇は神がまかせてくださった青少年の気晴しと教育のためであることをいつも思い出すように。

聖ヨハネ・ボスコ(ドンボスコ) 「聖フランシスコ・サレジオ会経営学校のための校則」(1877年度版)







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